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英語浸透の歴史
エジプトの英語教育っていうことだけれど、その分野は私の専門ではないので何と答えたらいいのかな?でも、少なくとも私は実際にエジプトで英語を学んできたのだから、学習者としての立場からなら多少その仕組みをお話できます。ここにいくつかのポイントをまとめてみよう。
エジプトでは、19世紀の頃、英国の文化とフランスの文化の間で大きな競合がありました。最初はフランスが優位に立っていました。フランス色が色濃く、イギリスは距離を置いていました。しかし、やがて、エジプトはイギリスの占領下に置かれることになり、20世紀にはイギリス色へと染まっていったのでした。
ビジネス界で必要不可欠な英語
大学では、特に、医学や電子工学といった技術を要する分野では、上級になるにつれ英語で授業が進められています。そして、もちろん、昨今のインターネットの普及や、ビジネスの世界において英語は主要な役割を担っています。政府や娯楽産業は、英語を支持することになったのです。では、英語教育の水準はどんなものかといえば、さまざまで、平均的な若者は、高校卒業時点では多くの者があまり英語を話せないような気がします。英語を操る自信も持っていません。しかし、多くの者が、医学や工学技術、科学の分野で活躍する人間、あるいは、コンピューターや旅行関係に従事し、ビジネス界で活躍している人にとって英語は欠かせないものだということを知っています。
実社会では、特に年配の間では、いまだにフランス語を優先すべきだという声もあるらしいです。しかし、時代は有無を言わせず英語へと流れていっているようです。
お話を伺う限りでは、日本の英語事情と非常に似通っているような印象を受けました。
現在はアメリカで生活しているホサム・マムード氏、日本人は非常に勤勉で親切だし、親しみやすい。でも、少し恥ずかしがり屋かなと話していました。エジプトは恋しくないですか?と聞くと、もちろん恋しいよ、でも私がこの世界で成功するためには、これしか道がなかったときっぱりと言い切るのでした。
来日中のホサム・マムード氏
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