麻布台ヒルズで注目したいパン!
2023年11月24日にオープンする「麻布台ヒルズ」(東京都港区麻布台)は、東京メトロ「六本木一丁目」から「神谷町」に及ぶエリアに、住宅、オフィス、ホテル、商業施設、医療施設、学校、ミュージアムなどを備えた広大な複合施設。「Green&Wellness」をコンセプトに敷地内には果樹園もあり、話題のお出かけスポットとなりそうです。2024年3月までに順次オープンということですが、パン好きなら味わってみたいパン、ベーカリーやレストラン、カフェなどを速報でお伝えします。
ペリカンカフェ(タワープラザ1階)
サンドイッチはテイクアウト可能。ペリカンの食パンの販売も
1942年創業、食パンとロールパンだけをつくり続けて80年余りになる名店「パンのペリカン」が2017年に浅草にオープンした「ペリカンカフェ」。麻布台ヒルズはその2号店となります。ここの名物は耳までおいしい食パンの「網焼きトースト」(520円)です。
筆者のおすすめは「浅草ハム」の厚切り「ハムカツサンド」(1100円)と、麻布台ヒルズ店限定「エビフライサンド」(1400円)。白エビのフライと千切りのキャベツと一緒にサンドされたソースはバルサミコマヨネーズ。実山椒がアクセントになっています。パン粉ももちろん、ペリカン製。
もう一つ、麻布台ヒルズ限定のサンドイッチが「レーズンあんバターサンド」(1200円)。醤油漬けレーズンと厨房で炊いた餡、そして薄い板状のバターのほかにゴルゴンゾーラチーズが入って甘じょっぱいのです。こんな珍しい組み合わせはペリカンカフェならでは。カフェの新メニューは浅草出身の料理人、米澤文雄さんの監修です。
テイクアウトは各種サンドイッチのほか、浅草ではいつも行列している人気の食パンの販売もあります。
エシレ・ラトリエ デュ ブール(ガーデンプラザB 1階)
エシレ・ラトリエ デュ ブール
フランス産A.O.P.認定の最高級の発酵バター「エシレ」の魅力を体験できる専門店の中でも、麻布台ヒルズにオープンした「エシレ・ラトリエ デュ ブール」は、クロワッサンやブリオッシュなどのヴィエノワズリを主役にした専門店。どれもシンプルゆえに上質なバターの香りと味わいが堪能できます。
ベーシックなクロワッサン(540円)のほか、折り込み生地でさらにバターを包んで焼き上げていて、かじるとジュワッとバターが染み出すという、さらにリッチな「クロワッサンドゥーブル」(648円)も体験してみてはいかがでしょうか。
そして30cmもの大きさの「グランクロワッサン」(2160円)はホームパーティなどでみんなを驚かせることができそうです。
お店からのイチオシは「ブリクロ・エシレ」(2160円)。焦がしバターを用いた甘みのあるブリオッシュをクロワッサン生地で包み、型に入れて焼いていて、特別な食パンといった感じ。レーズンがアクセントに入ったブリオッシュ生地の「クグロフ」もケーキのような口どけとバターの芳醇な香りで、休日のとっておきのブランチタイムにおすすめです。
ル・サティネ / ル・サロン・プリべ (ガーデンプラザA 2階)12月オープン予定
左から成田シェフ、笹川シェフ、山内シェフ
パンとひと言で言っても、製法も表現の仕方も方向性も本当に多種多様な今の日本で、これほどまで料理や飲み物とパンとの相乗効果を大切に思い、茶道の茶事(ちゃじ)のように最後の一品に行き着くまでのパフォーマンスを考えているシェフは、成田一世さん(画像左)の他にはいないかもしれません。
ピエール・エルメやジョエル・ロブションのもとでシェフパティシエを務め、New York Timesではパンとデザートの部門で「Best of New York」を受賞。その後も「Asia’s Best Pastry Chef」など世界で評価されてきた成田さん。今までのキャリアの集大成となる自身の店が、2023年12月に麻布台ヒルズにオープンします。
「ル・サロン・プリべ」で料理を担当するのは笹川幸治さん(画像中央)。ショコラを担当するのは山内大輔さん(画像右)。パンとお菓子とデザート、そして総指揮は成田さんです。
世界を視野に入れているからこそ、日本でしかつくれないものを究めるわけですが、注目しているのは発酵。「お菓子もパンもショコラもみんな科学です」という成田さんは、リンゴやレーズン由来のルヴァンリキッドを専門家に分析してもらい、酵母菌数や乳酸菌数、アルコールの量などを可視化し、理想の香りや味わい、食感を導き出します。
そうしてつくられたカンパーニュやバゲットは、皮が薄く軽やかな食感なのに香りや味わいは深い。クロワッサンも国産のグラスフェッドバターを用いて発酵の調整をすることで、フランスのバターでつくったときのように外がサクサク、中がしっとりとミルキーで香り高くなるのです。
「ル・サティネ」はスイーツやパンがテイクアウトできる店。サラダやスープなどと楽しめるランチボックスも予定されています。京都の老舗「末富」とコラボレートしたあんパンもあるそうで、どんな風に登場するのかはお楽しみです。
コム・ン トウキョウ(ガーデンプラザC 地下1階)2024年1月オープン予定
コム・ン トウキョウ本店(九品仏)
2024年1月にオープンを予定している「麻布台ヒルズマーケット」区域で注目のベーカリーは、なんといっても「コム・ン トウキョウ」です。
2020年、東京・九品仏にオープンする前から話題となっていたこのお店、製パン技術を競う世界大会「モンディアル・デュ・パン」で二度も世界一に輝いた日本を代表するパン職人、大澤秀一さんがシェフを務めています。
バゲットやカンパーニュ、クロワッサンはもちろんのこと、パンを選んでカスタマイズできるサンドイッチなど、うれしいメニューもあります。焼きそばパンやカレーパン、クリームパンなど日本ならではのお惣菜パンや菓子パンも、自由さ、今風に進化したおいしさに気づくことでしょう。
麻布台ヒルズ店で予定されているのは、子どもだけが入ることができる「Comme’N KIDS」。子どもが自分で好きなパンを選んで買うという、ワクワクするような体験をさせてくれる場所です。
「アラビカ東京」のスペシャルティコーヒー&「ダコー」のパン(ガーデンプラザB 地下1階)
アラビカ東京でダコーのパンを
朝8時から営業しているガーデンプラザB 地下1階の店舗には、「ここで食べられるとは!」と思わずにんまりしてしまうパンがあります。福岡発、平子良太さんが展開する超行列の人気店「amam dacotan」「I’m donut?」に続く話題の新店、東京・桜新町の「ダコー」のかわいいパンや話題の生ドーナツなどがショーケースにずらりと並んでいます。
他にも麻布台ヒルズには、ヴィーガンカフェの草分け的な存在「エイタブリッシュ」が移転オープンしていて、米粉のマフィンや目黒の「ベーグルスタンダード」のベーグルを使ったサンドイッチが食べられるとか、「日本橋千疋屋総本店」のフルーツサンドも外せないとか、まだまだおいしいパンがたくさんありそうです。入り口で「麻布台ヒルズガイド」をもらって、マップを見ながらぜひ巡ってみてください。
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