強烈な光と影が作る驚くべき場所、メキシコ
メキシコはラテンアメリカの中では政情が安定している国で、首都圏は大都会ではありますが、経済格差から生じる社会問題があるのも否めません。一方で、人々のパワーを感じる場所でもあります。首都在住16年以上の筆者でも毎日のように驚くことがありすぎて、それを挙げるだけで1冊本が書けてしまいそうです......。そんなわけで今回は、日常生活の中でびっくりしたことにスポットを当てて紹介していきます。カトリックの影響の強さ
国民の約7割がカトリック教徒であるこの国には、宗教が人々の生活の中に深く関わっている場面に出くわすこともしょっちゅうあります。その中でも特に驚いたのが、露店や商店などで、その日初めて売り上げがあったときに、体の前で十字を切って、感謝の意を神に伝えること。手を合わせて拝むなんて仏壇か墓の前でしかしない筆者は、初めてそれを目の当たりにしたときに、「何かとんでもないことをしてしまって哀れだと思われているのかも?」と心配になってしまいました。
インフラの問題が日常茶飯事
大都会の真ん中に暮らす筆者ですが、とにかくインフラが不安定。電気や水が1週間以上供給されなかった経験もあります。大雨が降ると、排水溝が詰まっているのが原因で、道路が川のようになったりすることも。最も驚いたのは、地下にある電気の配線がショートして爆発し、重い鉄製のマンホールのふたが吹っ飛ぶのを目の当たりしたこと。それ以来、道ではマンホールを避けて歩くようになってしまいました。
晩ごはんが地味
メキシコでは昼ごはんの時間が午後2時からと遅いため、夜は軽食で済ませる人が多いです。初めてメキシコを訪れて、メキシコシティの一般家庭に滞在したときのこと。到着が夜だったのですが、菓子パンとインスタントコーヒーで迎えられたときに、「え、夕食がこれだけって、私は歓迎されていないのかな?」と勘繰ってしまったことがあります。びっくりするほどコーラをたくさん飲む
メキシコで最も飲まれているものと言っても過言ではないのが、清涼飲料水のコーラ。各家庭の冷蔵庫にはコーラの巨大なボトルが常備されています。日本のお茶のように、食前、食間、食後にも飲まれているのには驚きましたが、暮らしているうちに、タコスにはコーラが一番合うことに気が付いてしまいました(苦笑)。最も人気のメーカーはコカ・コーラで、世界で最も消費量が多いのはメキシコなんだとか。踊りのない人生はない
踊れる音楽が流れたら、年齢も立場も関係なく、とにかくペアダンスを踊るのがこの国の人たち。ホームパーティーや公園、路上と場所を選びません。驚いたのは、下町のダンスホールで、頭からつま先までばっちり着飾ってペアダンスを踊る大勢の高齢者たち。これがすごく粋なのです。そんな姿を見ていると、先輩たちのようになるのにはまだまだ修行が足りないのですが、年を取るのもいいもんだとつくづく思います。踊りは人生をより美しくするためにも欠かせないものなのです。