損害保険

熱中症保険とは?高齢者でも加入可能?

毎年4月頃から10月頃までの暑い日は熱中症に注意が必要です。毎年のように熱中症で救急搬送される人がでており、こうした状況に一部の各保険会社でも熱中症保険や熱中症特約などで対応をはじめています。

平野 敦之

執筆者:平野 敦之

損害保険ガイド

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<目次>
熱中症で緊急搬送される人は少なくありません。毎年4月頃から10月頃までの暑い日は注意が必要です。熱中症の危険性は言われていますが「電気代の節約でエアコンを使っていなかった」「暑い日に野外活動してしまった」などさまざまな理由で熱中症になってしまう人がいます。

半数以上の人が入院を伴わない軽症で済むものの、死亡する人や重症(3週間以上の入院)、あるいは中等症(軽症・重症以外)の人がいます。高齢者は特に注意が必要ですが、熱中症について保険ではどのような対応になっているか、現在発売されている熱中症保険や医療保険、生命保険、傷害保険の対応についてみていきましょう。
熱中症保険とは?

熱中症保険とは?

熱中症保険とは?

「熱中症保険」や「熱中症特約」は、保険金が支払われる対象を、熱中症で治療や入院をしたときなどに絞った保障です。
熱中症が対象となる保障は、2022年に熱中症に限定した保険が発売されたことや、昨今熱中症で緊急搬送される人が多いことから注目を集めました。

がん保険が保障をがんだけに限定しているように、熱中症保険や特約も熱中症の保障に限定していることから、多くの病気やケガを保障する医療保険などと比較すると保険料は割安になっていることが一般的です。

熱中症による緊急搬送の状況

熱中症保険が導入される背景を理解するために具体的にどのくらいの人が、熱中症のどのような症状で緊急搬送されているか確認してみましょう。統計の出所は、総務省消防庁の熱中症情報の「熱中症による緊急搬送人員」からです。2023年7月3日~9日の週報をみてみます。

【症状】
  • 死亡:0.1%
  • 重症:1.5%
  • 中等症:32.1%
  • 軽症:64.7% など
※初診時における傷病程度 
死亡:死亡が確認されたもの、重傷者(長期入院):傷病程度が3週間以上の入院加療を必要とするもの、中等症(入院診療):重症・軽症以外、軽症(外来診療):入院を必要としないもの

【年齢区分】
  • 新生児:0%
  • 乳幼児:0.8%
  • 少年:10.5%
  • 成人:30.0%
  • 高齢者:58.6%
※新生児:生後28日未満、乳幼児:生後28日以上満7歳未満、少年:満7歳以上満18歳未満、成人:満18歳以上満65歳未満、高齢者:満65歳以上の者

こうしてみると6割以上が入院を要さない軽症である一方、入院を要する中等症の人も3割以上おり、少なくない数字です。

年齢では高齢者が6割弱、現役世代である成人も3割とばかにできない数字です。

既存の医療保険等の熱中症の対応

熱中症保険の加入を考えなくても、すでに加入している医療保険や生命保険の医療特約などで何とかならないか考えている人もいるでしょう。

実際に熱中症が原因で医療機関で治療を受けた場合、熱中症で「入院」をしていればこれらの保険でも給付の対象になります。

先ほどの統計だと外来診療で済む軽症では対象になりませんが、中等症や重症などの場合には、すでに加入している医療保険での対応で済むケースもあります。

最近の医療保険は短期入院に対応したものが増えているので、1日以上の入院などでまとめて数万円の給付金が受けられるものもでています。一方で、古いタイプの生命保険の医療特約の場合、入院日数に所定の自己負担(例えば入院日数4日間、5日目からが入院給付金の支払い対象)が設定されているケースもあるので注意してください。

この機会に加入している保険の内容を確認しておきましょう。

熱中症保険の主な内容

熱中症保険は、ペットネーム「熱中症お見舞い金保険」」といってアイアル少額短期保険が提供している保険があります(PayPayほけんで販売)。入院だけでなく熱中症診断による点滴治療の時にも保険金が支払われます。

保障されるのは4月から10月までの熱中症が多い時期です。期間を指定して加入します。1日100円から加入可、対象の加入年齢は0~99歳なので高齢者でも加入可能です。

傷害保険による熱中症の対応

病気ではなくケガをカバーする傷害保険でも熱中症に備えることができるものがあります。もともと「熱中症特約」などといった特約がありましたが、主に子ども向けの傷害保険などの特約として、付帯できる商品を限定していました。

こちらも2022年の夏くらいから対象を拡充する損害保険会社がでてきています。損保の場合、傷害保険にもいくつか種類があります。対象になるもの、ならないものがありますが、病気まで補償しない分、加入のハードルはそんなに高くありません。

高齢者でも加入可能ですが、あまり高齢だと加入が制限されるケースがあります(損保によって異なる)。なお、傷害保険の場合には、終身保障はないのでその点にも留意しておきましょう。

これから熱中症を保障する保険に加入するならどれにする?

熱中症になったら困るので、この機会に何か保障をつけておきたいという人もいるでしょう。しかし、一年のうちでも期間が限定されたリスクなのであまり負担を増やしたくないというところはあるでしょう。また高齢者の場合には新たに保険に加入しにくいケースもあります。

以下は、どのような選択肢があるかを改めてまとめつつ、それぞれの選ぶ際のポイントを整理しました。

■すでに加入している医療保険・医療特約で対応
すでに加入済みの医療保険や生命保険があるなら、熱中症にどこまで対応できるか、いまの契約内容を確認しておきましょう。

医療保険等の加入も考えるなら、それもありです。健康状態に不安がある人は、引受基準緩和型の医療保険なども選択肢に入るでしょう。

■熱中症お見舞い金保険
必要なときに低コストで加入したいなら、この保険になるでしょう。1日単位で加入することができます。あまり大型の保障ではない点には留意する必要がありますが、暑い日にイベントなどがある、外出する用事があるときなどスポットで加入するのにも向いています。

■傷害保険など
病気を対象にしていない保険ですが、熱中症特約などが付帯できるなら検討していみるといいでしょう。レジャーやスポーツなどをする人はケガのリスクもあるので、熱中症特約などが付帯できるなら検討してみるのもありです。

高齢者でも加入できますが、損保によって90歳を超えていると加入しにくいケースがあります。一方で、傷害保険の場合、入院のない通院のみでも対象になるのが特徴です。

季節的に話題になることではありますが、他の保障との兼ね合いや保険料負担を考慮して検討してみてください。
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