竹野内豊さんが最高に魅力的な理由
――いろいろな登場人物がマリコの周りで騒動を起こしたりするので、すごく賑やかな撮影現場なのでは?と思ったのですが、印象的なことはありましたか?伊藤:とにかく竹野内豊さんが演じている自称・忍者のMASAYAが面白すぎました(笑)。竹野内さんはコメディーのセンスが抜群なので、MASAYAを真面目に演じるほどに面白さが溢れてくるんです。
竹野内さんとの最初のシーンは、MASAYAがサンドイッチマンの格好でカールモールにやってくるところなのですが、そのユニークな格好の竹野内さんに「よろしくお願いします!」と挨拶をしている自分がすごくツボでした(笑)。 あと後半、MASAYAとマリコが逃げるシーンが最高でした。
MASAYAは忍者なので、煙玉を持っているんです。追手を煙に巻くためにそれを床に叩きつけるんですが、煙はCGなので、撮影現場では竹野内さんがただ玉を床にバーン!と叩きつけるだけ。捕まったら大変なことになるという重要なシーンなのに、その“バーン!”が面白くて、笑いを堪えるのに必死で(笑)。
竹野内さんはずっとチャーミングで本当に素敵でした。
――歌舞伎町でのロケはいかがでしたか?
伊藤:私はもともとロケ撮影が大好きなので、歌舞伎町で撮影できてうれしかったし、そこでずっと生きている人になれたという感覚がありました。歌舞伎町は、何かが常に渦巻いている感じがするので、強烈なパワーを感じましたね。
それから、マリコが働いているカールモールは実在するお店で、そこで撮影できたことも良かったです。お店の方や常連さんたちが作り上げてきた空気感や歴史を感じながら演じられたので。きっと映画にいい影響を与えていると思います。
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