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伊藤沙莉に聞く、俳優人生の「ターニングポイント」とは。映画『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』主演(3ページ目)

映画、ドラマなど出演作が続々公開されている俳優の伊藤沙莉さんが主演を務める映画『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』が面白い! 伊藤さんにママ兼探偵のマリコ役、撮影の裏側などをインタビューしました。

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド

ターニングポイントになった映画『獣道』

伊藤沙莉

ターニングポイントについて語る伊藤さん

――伊藤さんのキャリアについてお話を伺いたいです。映画、ドラマ、舞台と多方面で大活躍されていますが、子役時代から今に至るまで、たくさんオーディションを受けて、悔しい思いもされてきたと聞いています。今振り返って、ターニングポイントになった作品があったら教えてください。
 
伊藤
:そうですね、伊藤沙莉を皆さんに知っていただいた作品として大きいのはNHK連続テレビ小説『ひよっこ』で、あのドラマは確実にターニングポイントだったと思います。

あと初主演ドラマ、フジテレビ系土ドラ『トランジットガールズ』も印象深いですし、長編映画初主演(須賀健太とW主演)の『獣道』も大きな経験でした。

――『獣道』は『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』の内田英治監督作ですね。
 
伊藤
:そうなんです。『獣道』は、親の愛情を得られず、居場所を求めてさまよう女の子の役で、私にとってあまり演じたことのないキャラクターでした。

出演作はどれも大切なのですが、中でも『獣道』はすごくチャレンジをした作品として強烈な印象があります。
 
――『獣道』をきっかけにご自身の中で何か変化はありましたか?
 
伊藤
:私は、監督が「カット!」と言ったら芝居を止めることができるんですが、『獣道』のときは「カット」と言われても芝居が止められず涙が止まらなかったんです。そんな経験は初めてでした。

自分の演技のすべてを信じられたからこそ、そこまで深く入り込めたんだと思うし、俳優として「新しいステージに来た」という実感があり、すごくうれしかったです。
伊藤沙莉

仕事がなかった時代から大きくステップアップした伊藤さん

――女優としての未来はどう考えていますか? 理想の姿はありますか?
 
伊藤
:「伊藤沙莉が出演しているから見たい!」と思ってもらえる俳優になりたいです。私自身、映画のポスターに好きな俳優さん、例えば樹木希林さんのお名前があると「見たい!」と思うので、そんな風に皆さんに思ってもらえるように頑張りたい。

出演した映画、ドラマ、舞台の素晴らしさを伝えたいし、その魅力を広めるきっかけになる俳優になりたいですね。
 
――もうすでになっているのではないですか?
 
伊藤:
伊藤沙莉に注目してくれるマニアックな方がいるかもしれません(笑)
 
――いやいや、もうメジャーな存在ですよ!
 
伊藤
:ありがとうございます。でもそういう存在になるために、まずはお仕事を受けるときに、内容をしっかり把握することや、責任を持って引き受けることができるのかなど、自分で決められる力を磨かないといけないと思っています。
 
私は仕事を得るのに苦労していた時代があるので、お仕事をいただけるだけでありがたくて全部やりたくなっちゃうんです。でも物理的に無理な場合もあって。お芝居の力を付けることも大事ですが、作品を見極める力も重要だと思っています。
 

ジム・キャリーが大好き

――All Aboutはインタビューのときに、「好きな映画」「好きな俳優」を聞いているのですが、伊藤さんはいかがでしょうか?

伊藤:ジム・キャリーさんの主演作『ふたりの男とひとりの女』(2000)は人生で初めて衝撃を受けた映画です。

人格が変化するキャラクターの物語がけっこう好きで、この映画ではジム・キャリーさんが扮する男性の中にふたつの人格があり、両方ともひとりの女性を好きになるという設定なんです。

初めて見たのは小学生くらいのときだったんですが、大人になって見たら「下ネタが多い映画だったんだな」と(笑)。「どういう意味だろう」と思っていたことが、全部下ネタだったんです(笑)。

そういう新たな発見もありつつ、素敵なラブストーリーだし、ハラハラするし、大好きな映画です。
伊藤沙莉

映画『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』の注目ポイントは竹野内豊さん!?

――では最後に、『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』をご自身で見た感想とオススメポイントをお聞かせください。
 
伊藤
:この映画は6つのエピソードで構成されているので、私が出演していないシーンも多いんです。だから余計に面白く見ることができました。
 
自称・忍者のMASAYAをはじめ、謎の姉妹、ホストに思いを寄せる女の子、エイリアンを探すFBIなど、カールモールに来るお客さんは訳ありの人が多いので、エピソードもすごく濃いんです。でもだからこそ生々しい。
「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」

(C)2023「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」製作委員会

思い切りエンターテインメントに振り切っているように見えて、登場人物の人生を切り取ったノンフィクションにも見えるという、その絶妙な雰囲気が私はとても好きです。
 
注目ポイントはやはりMASAYA! 竹野内豊さんの面白さとかわいさ、煙玉のシーンに注目してください。
 

伊藤沙莉(いとう・さいり)さんのプロフィール

1994年5月4日生まれ、千葉県出身。

2003年にドラマデビュー。2020年以降、確かな演技力と出演作品の活躍を評価されギャラクシー賞テレビ部門個人賞、エランドール賞新人賞、ブルーリボン賞助演女優賞、山路ふみ子映画賞女優賞、文化庁芸術祭放送個人賞、橋田賞新人賞ほか受賞歴多数。

近年の出演作は映画『ちょっと思い出しただけ』(2022)『すずめの戸締まり』(2022/声の出演)『宇宙人のあいつ』(2023)、ドラマ『ミステリと言う勿れ』(2022/フジテレビ)『拾われた男 LOST MAN FOUND』(2022/NHK BS)『ももさんと7人のパパゲーノ』(2022/NHK)、テレビアニメ『映像研には手を出すな!』(2020/NHK/声の主演)など。

2023年は舞台「COCOON PRODUCTION 2023『パラサイト』」、ドラマ『シッコウ!!~犬と私と執行官~』(テレビ朝日系)、映画『ミステリと言う勿れ』(9月15日公開)に出演。2024年度前期NHK連続テレビ小説「虎に翼」で主役を務める。
 

『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』(2023年6月30日公開)

「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」

(C)2023「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」製作委員会

新宿・歌舞伎町のバー「カールモール」で働くマリコ(伊藤沙莉)は、毎晩、訳あり客の相手をしつつ、「新宿探偵社」に所属し、探偵の仕事もしている。ある日、「アメリカへ移送中に連れ去られた地球外生命体を探してほしい」と依頼を受けて……。カールモールの常連客の人間ドラマやマリコの過去が全6つのエピソードで綴られている。

監督:内田英治、片山慎三
出演:伊藤沙莉、竹野内豊、北村有起哉、宇野祥平、久保史緒里(乃木坂46)
 
取材・文/斎藤 香
撮影/髙橋明宏
スタイリスト:吉田あかね
ヘアメイク:岡澤愛子
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