西の京ってどんなところ?

平城京の西側の地域を指します。1300年前に造られた人口河川である秋篠川に沿っており、主な見所は、唐招提寺と薬師寺。近鉄の西の京駅で降り、歩いて2つの寺を拝観するのが一般的ですが、西大寺前のレンタサイクル屋さんで自転車を借りて川沿いを走るのも、また一興です。

金堂落慶が待たれる、唐招提寺

唐招提寺は苔や樹木も美しい
唐招提寺は、現在、メインになる金堂が10年がかりの修復中で、いよいよ、2009年の秋に完成し、落慶法要が行われます。

修復の様子は、テレビなどで何度も見ましたが、ひとつひとつの木材を調べ、使えるものはそのまま使う、腐りかかった木も修理して生かせる部分はないか細かくチェックするなど、気が遠くなるような作業です。唐招提寺の金堂は、わたしも学生時代から愛してやまない典雅な建物です。再び見られる日を、指折り数えてお待ちしておりました。

 

唐招提寺を代表する行事、うちわまき。僧侶が投げるうちわを観客が奪い合います
唐招提寺のホームページ
金堂修復の様子がわかります。

唐招提寺の代表的な仏像
■金堂
盧舎那仏坐像、薬師如来立像、本当に手が千本ある珍しい千手観音立像。金堂落慶とともに、また拝観できるようになります。

■講堂
弥勒如来坐像、持国天、増長天立像など、多数の仏像が祀られます。

■新宝蔵
鉄筋の収蔵庫。旧講堂木彫群と呼ばれる、奈良時代末期に制作された多数の木彫像が収められ、中でも首のない菩薩像(通称、唐招提寺のトルソー)の流れるようなボディに注目。

青丹がまばゆい薬師寺

薬師寺東塔。この塔だけは創建時のもので、青丹の色彩は消えている
しっとりとした唐招提寺から来ると、薬師寺のあまりの色鮮やかさに戸惑う人もいるでしょう。朱色と緑に塗られた建物が並ぶ伽藍には、樹木もあまりなく、青空の下で強烈な光を放ちます。が、実はこれが、奈良時代の寺の本来の姿です。

朱色と緑の色あわせは青丹(あおに、奈良の枕言葉です)と呼ばれます。薬師寺の創建時の建物は多くが失われましたが、戦後に修復が始まり、奈良時代そのままの建物が再建されたのです。2つある塔のうち、東塔は1300年前の創建当時のもので、西塔は1981年の再建です。両者の見比べは実に興味深いです。

 

薬師寺金堂。この中に薬師三尊像がある
・薬師寺のホームページ
薬師寺日記というブログに最新の情報満載

薬師寺の代表的な仏像
■金堂
薬師三尊像が圧巻です。脇待の日光、月光菩薩は、2008年の薬師寺展で東京国立博物館にお出ましになり、大きさと美しさに改めて驚いたものです。

■大講堂
弥勒三尊像という珍しい仏像が祀られます。脇待は法苑林菩薩、大妙相菩薩という、薬師寺の宗派法相宗に独特のものです。京都仏教より古い奈良仏教には、このように、京都では見られない仏像もあります。

■東院堂
聖観音のたおやかなお姿にうっとり。この方も薬師寺展にお出ましになり、意外に厚味がある体つきであることを発見しました。