老後のお金を貯められるのは主に現役で働いているとき
以前は、高齢者=悠々自適というイメージを抱く人が多かったのですが、最近では、現役時代に老後のための貯金をすることができず、年齢を重ねても働かなくてはならないというケースも少なくないようです。現役世代は、収入は安定していますし、体力的にも無理がきく世代でもあります。できるだけ若いうちから「貯める時期」として、貯蓄に励むことが大切です。
つまり老後資金は、現役時代の「貯める時期」と仕事を退職した後の「取り崩す時期」の2つの時期に分けて考えるのが望ましく、老後資金をどのように準備すればよいのかをイメージしやすくなってきます。
年金受給開始の時期等を考慮し、老後のために、いくら貯めるかを決めて貯蓄する
現役時代の貯める時期といっても、いくら貯めたらよいのか分からないという人は少なくありません。そのためにも、セカンドライフではいくら必要になるのかを見極めてから貯蓄した方が無駄はありません。具体的には、何歳まで働くのか、年金はいつからもらい始めるのか、年金をもらい始めるまでの期間の生活費はいくらかかるのかを確認します。あわせて、老後はどのような暮らしをしたいのかも考えてシミュレーションすることが大切です。
一般的にはリタイア後の1カ月分の生活費は、現役時代の8割が目安といわれています。たとえば、現役時代の生活費が30万円かかっているのなら、8割の24万円をリタイア後の1カ月分の生活費として準備しておかなければなりません。
もし、退職後、年金をもらうまでの期間が5年間ある場合には、24万円×12カ月×5年=1440万円を準備しておく必要があります。
また、年金だけでは生活費が足りないような場合には、不足分もあらかじめ準備しておくことが大切です。
夫婦でもらえる年金(夫婦ともに65歳と仮定)が20万円の場合、1カ月分の不足額は4万円です。90歳までの25年間の不足分は、4万円×12カ月×25年=1200万円となります。
このケースの場合、年金をもらうまでの繋ぎの期間と年金をもらった後で必要になるお金は1440万円+1200万円となり、2640万円が必要になる計算です。
現在、40歳で60歳定年退職予定。退職金が1000万円ある場合は、毎月、いくら貯めればよいのかをシミュレーションします。
2640万円-1000万円=1640万円を20年間で貯める計算になります。
20年間は240カ月ですので、1640万円÷240カ月で割り戻すと、1カ月あたり約6万8400円を貯めなければなりません。ボーナスを受け取れるときには、その分を差し引いて計算してください。
生活費や必要となる経費、やりたいことなどは、人によって違いがあります。自分の場合はいくら必要になるのかを確認し、シミュレーションしてみてください。
現役時代から老後に収入を得る手段を考えておくこともポイント
年齢を重ねると、働ける場所や職種は限られてしまいますが、今までのキャリアを活かして働くことも可能です。現役時代から、セカンドライフ後の仕事をどのようにするのかを計画してみてはいかがでしょうか?
もし会社で副業が許可されており、アルバイトなどが可能なら、給料の他にもアルバイトをして収入を得る、自分でサイドビジネスをスタートさせて収入を得ることを考えてみるとよいでしょう。
特にサイドビジネスの場合、うまく軌道に乗れば、年齢を重ねても収入を得ることが可能になりますので、将来の生活の大きな手助けとなります。年齢を重ねた後では、現役時代と同じように動くことは難しくなりますが、慣れている仕事で月数万円程度の収入が得られれば生活が楽になります。
年齢を重ねても働くメリットは収入の他にもたくさんあります。セカンドライフを迎えて社会との接点がなくなってしまい、生活そのもののモチベーションが下がってしまう人がいますが、働いて社会とつながり続けることで、生きがいや充実感を得ることができます。
もし老後資金が現役時代で準備できなければ、働き続けることで老後の生活にゆとりが生まれるでしょう。