神社の宿坊は歴史が古い

茅葺屋根の宿坊もある御嶽山
宿坊はお寺の宿泊施設というイメージがあると思いますが、実は神社にも、宿坊はあります。そもそも日本では、江戸時代までは、お寺と神社は多くが一体となっており、ほとんどが寺でもあり神社でもあったわけですから、神社に宿坊があっても驚くには当たらないのです。

特に、山の上にある神社は、昔は修験道(神道、仏教、道教が合体した日本独特の宗教)の聖地であったところが多く、庶民の人々も、地域ごとに講という団体ツアーを組んでお参りに出かけました。御師(おし)というツアコンもいました。御師は、「自分のところの神社(寺)は、こんなに御利益がありますよ」と集落の人に伝え、旅のお世話をし、宿泊の面倒も見ます。今ある宿坊のいくつかも、かつては、講の人々を泊めるための御師の家であったところです。

山の上にある神社の周辺には、そのような御師の家から始まった宿坊がたくさんあるところもあります。それらは、意外と設備がよく、ところによっては風情ある民宿、もしくは旅館のような感じで、食事も、素朴ながら美味しいものが出ることが多いです。現在は神社のため、お寺と違って精進料理ではなく、魚や肉も出ます。また、お寺の宿坊と違って朝の勤行や坐禅はないですが、早朝のお祓いに参加できる場合もあります。