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中学受験、小6塾の「正月特訓」「志望校対策講座」は必須?

中学受験時「周りがみんな受けているから」「塾の先生が強く勧めるから」という理由で、塾の「正月特訓」などのオプション講座を受講した方がいいか、迷っていませんか? 場合によっては、効果を得られるどころか、マイナスに作用する危険性があります。

西村 創

執筆者:西村 創

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中学受験前、正月特訓など受ける? マイナス効果になる理由TOP3

中学受験前、正月特訓などは受ける?

塾のオプション講座が“マイナス効果”に?

「周りがみんな受けているから」「塾の先生が強く勧めるから」という理由で、塾のオプション講座を受講した方がいいか、迷っている方は少なくないでしょう。中学受験塾のオプション講座が必要かどうか。結論からいうと、このような迷いがあるご家庭、お子さんに限っていえば、必要ありません。各塾の看板商品でもあるオプション講座を、こういったご家庭に対して「必要ない」と言い切れるのはなぜなのか。それは、受講に臨む姿勢がすでに“受け身”だからです。

逆に「必要ない」といわれても「そんなことはない」と考えて受講する方には、意味があります。オプション講座は明確な目的があって受講するのであれば、効果を発揮するものです。

でもそうではなく受け身の姿勢で受講すると、効果を得られるどころか、マイナスに作用する危険性があります。何がどう危険なのか、今回は「塾のオプション講座がマイナス効果になりうる理由」をランキング形式でお伝えします。
 
<目次>
 

第3位:費用負担が跳ね上がり、学費の使いどころを誤りかねない

毎月、高額な月謝が口座から引き落とされ続けているのに加え、冬期講習ではさらに費用がかかります。オプション講座を受講するとなると、また費用がかさむわけです。

受験学年ではないご家庭は、来年以降お金がますますかかるわけですし、受験学年の小学6年生も「お金がかかるのはここまで」ではありません。冬期講習のオプション「正月特訓」や「特定校対策講座」が終わってからも、受験料や私立中の入学金、制服代、寄付金、修学旅行費積立金……と、この先、まだまだお金は必要になるのです。

そもそも、塾がオプション講座を設置しているのはなぜでしょうか。ひとつは、生徒たちがメイン授業では身に付けきれなかったことを補うためです。でも、それだけでありません。塾は新たなオプション講座を設置することで、売上をアップさせたり、講座を宣伝して外部の一般生を取り込み集客したいからでもあります。

塾は会社である以上、営利目的の呪縛からは逃れられません。特に株式を公開している塾であれば、株主から短期の利益アップ、株価アップを求められます。受験生にとって冬は勉強のラストスパートですが、塾にとっての冬は売上を稼ぐラストスパート。だからノルマを課せられた社員たちは、必死になってオプション講座の受講を勧めるのです。

中には、講座を設置することありきで、あとから内容を考え、受講前日になってやっと講座で使うプリントを作成する、というような急造のものもあります。また、経験を積ませるために新人講師にオプション講座を担当させていたり、授業時間の大半が問題を解く時間で、解説の時間はわずかという場合もあります。

いま現在、授業フォローが少ない塾にお子さんを通わせている場合、個別指導塾や家庭教師などのサポートをプラスしているご家庭も多いかと思います。オプション講座に費やすお金と時間を、個別指導塾や家庭教師からサポートを受けるために使った方が有益だ、という場合もあるでしょう。

オプション講座が本当に必要なのか、内容は費用に見合うのか、貴重な学費の使いどころを慎重に検討することをお勧めします。
 

第2位:受講しただけで勉強した気になるから

授業を受ければ勉強した気になります。でも、した気になっているだけで、実力が上がったわけではありません。授業を受けただけで内容を理解して、できるようになれるのは、勉強の才能に恵まれた一部の人だけです。

授業は、復習して、解き直して、できなかった問題を復習して、また解き直して、少し期間をおいてまた解き直して、できなかった問題を復習して……というくり返しの中で、少しずつ実力に変えていくことに意味があります。

オプション講座を受けるのであれば、講座内容を復習して「わかる」が「できる」ようになるまで反復練習を重ねましょう。
 

第1位:メイン授業の復習時間が減るから

オプション講座を受講したばかりに、メインの授業の復習がおろそかになってしまっては、本末転倒です。

そもそも塾は、通常授業、季節講習会のメイン授業で生徒を合格に導けるようにカリキュラムを作っています。オプション講座を受けないと合格できないのであれば、そのオプション講座の内容はメイン授業のカリキュラムに組み込まれているはずです。だからメインの授業をきちんと受けて、内容を理解し、復習して定着できれば、オプション講座は必要ありません。

でもそのメイン授業の復習がむずかしいのです。季節講習は通常授業とちがって、4日間~5日間、毎日連続で複数科目の授業があります。授業がある日は、体力的にも、気力や時間の面でも、最低限の復習しかできないのです。

だから授業がない日は、まとめて復習できる大事な日なんですよね。その日を、オプション講座というインプットに当ててしまうと、アウトプット不足になってしまうのです。勉強は、知識を頭に入れるインプットも大事ですが、頭に入れた知識を使って問題を解くという、アウトプットのトレーニングも大事です。勉強しているわりに点数が伸びない子は、たいていアウトプット不足です。

授業で教わったことをテキストやノートを見ながら、誰かに教えるように説明できるか。自分ひとりで、テキストやノートを見ないで問題を解くことができるか。学習した内容を一度抽象化して、問題の本質を理解した上で、類題を解く際に生かすことができるかを、確認する時間をとりたいです。
 

中学受験本番を迎える小学6年生の「正月特訓」「特定校対策講座」は?

受験を間近に控えた小学6年生は、オプション講座の受講を「当然」のように思っているかもしれません。ただ、そもそも正月特訓は、得点力アップというよりも、誘惑が多い時期に勉強に向かうしかない環境に身を置いて勉強すること、正月まで塾に通っているのだから、やることはやりきったというメンタル的な効果の意味合いが強いのです。そうした精神面の効果を狙っての受講ならばよいのですが、必須ではありません。時間が限られているからこそ、取捨選択が大事になってきます。

オプション講座を受けないことにした場合は、受験する学校の過去問を解き直しも含めてくり返すことと、過去問を解く中で浮かび上がった課題を埋めるために、塾教材を中心にインプットのし直しをしましょう。

また、特定校対策講座の受講を悩んでいるという方もいるでしょう。特定校対策は、その学校を受験するのであれば意味があります。そうではなく、たとえば対象になっている学校と同レベルの偏差値の学校を志望している、といった状況ならば、過去問を中心に家庭学習をする方が志望校合格に近づきます。


ということで、塾のオプション講座がマイナス効果になりうる理由についてお伝えしました。結局のところ、オプション講座にかぎらず、メイン授業自体も、生かせる子は支払ったお金、かけた時間以上の見返りがあります。その一方で、小中学生時代の筆者のように、複数の塾に何年通っても成績が上がらず、ますます勉強嫌いになる子もいるんです。

筆者は結局、中学受験をやめて地元の中学に進むことになりました。でも、そんな塾にかけたお金と時間はムダだったのでしょうか。そうは思いません。塾講師になった筆者は、勉強が大嫌いだった子どもの頃の自分が満足するような授業を意識して講義してきました。小中学生時代の苦しくてたまらなかった塾経験は、ムダではないどころか、不可欠だったのです。

どんな経験がどう生きるのか、そのときにはわからないことがほとんどです。長い目で見れば、ムダなことは何もありません。焦りが出てきたときには、目先にとらわれずに長い人生を見据えて、お子さんを見守ってあげてください。



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