実際のところ、定年がせまり、老後の貯金が準備できていないと「これからの人生、大丈夫かな……」と強い不安に襲われることもあるでしょう。しかし「お金がない!」からといって、これからの人生がダメダメというわけではありません。できることを積み重ねていけば、これからは変えていけるはずです。そのためには何をすればよいのか3つのポイントを考えてみましょう。
老後のお金がない……! どうすればいい?
老後のお金がない人がやるべきこと1:長期的視点を持つ
長期的視点、短期的視点ということを聞いたことがあると思います。ここでは短期的は1年以内、長期的は5年以上として考えます。老後のための資金というのは、長期的な視点がないとなかなか貯められません。現在、老後の貯金がない人は、おそらく、今まで短期なもの・ことを優先してきたのではないでしょうか。具体的なケースで振り返ってみましょう。
●日常生活での短期的視点と長期的視点の違いとは
【家の中の片付け】
・長期的な視点は、整理整頓のしくみをつくる
・短期的な視点は、とりあえず見えない場所にものをしまい込んでおしまいにする
【買い物】
・長期的な視点は、必要性という軸で、長く使えるものを選ぶ
・短期的な視点は、今、欲しいと感じたもの、流行りものを選ぶ
【家計管理】
・長期的な視点は、1年、5年、10年のライフプランを立て、家計管理をする
・短期的な視点は、月ごとの家計管理でおわる
【貯蓄】
・長期的な視点は、先取り貯蓄などのしくみを活用し、投資などの情報収集も行う
・短期的な視点は、余ったお金があったら貯蓄する
長期的な視点は、先々を考える視点と言い換えることができます。ものごとを理性的に考えるためには大事な視点です。一方、短期的な視点は、感情的な快・不快や、今スグにできることか、できないことかなどが軸になります。
人生は長いですから、短期的視点で終始していると、バランスが悪くなってしまいがちです。バランスを崩せば、正しい判断はなかなか生まれにくいもの。しかし、老後の人生はこれからが始まりです。今までは、短期的だった考え方でも、この先、5年後、10年後という期間で考えるようになれば、結果が変わってくるでしょう。
老後のお金がない人がやるべきこと2:支出の見直し
現役時代と、老後では収入が大きく違ってきます。現役のときは、毎月給与が振り込まれ、さらにボーナスも年に2回ある場合もあります。日々の支出を管理しなくても、なんとなくお金を回すことができます。しかし、老後、収入が年金だけとなると、5~7割ぐらいに収入が減ってしまうこともあり得ます。それなのに、お金の使い方が現役のときのままであれば、毎月、赤字になるのは目に見えています。家計自体をコンパクトにして、年金内で生活費をまかなうことを考えましょう。働いて得たお金は、計画的に貯め、もしもの場合の予備的なお金にしたり、自分が一番好きなことに使ったりしましょう。そうすれば、老後の生活資金が不足し、貧困に陥る可能性があるという長生きリスクを遠ざけることができます。
むしろ「今まで貯蓄ができなかったのに、今ではできるようになった!」という自信が生まれるかもしれません。将来に対して、大きな不安がなくなれば、長い老後の過ごし方にゆとりが生まれます。
老後のお金がない人がやるべきこと3:できるだけ長く働こう
老後の貯金がなければ、赤字を埋めるため、働きに行くことも考えてみましょう。老後は、収入が少なくても、できるだけ健康に長く働き続けることがポイントです。お金を多く稼ぐことだけを目的にした「やりたくない仕事」「キツイ仕事」は、長続きしません。「興味のある仕事」「自分に合った仕事」を、現役時代に見つけておくことで、老後の家計が安定することになります。まとめ
老後が近い人は、今までの人生を振り返り、次の人生の過ごし方を考えましょう。まずは、長期的な視点を持って生活を見直し、節約を心掛けましょう。習慣化すれば、後の人生は、心安らかに生き生きと暮らせるはずです。【関連記事をチェック!】
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