外出自粛で会えない子どもや孫とコミュニケーションをとり、通販で食料品や生活用品を調達するなどスマホを重用しています。同時にトラブルも多発しており、家計の赤字も懸念されます。
外出自粛でシニアはスマホでコミュニケーションを確保している!
2021年7月にMMD研究所が実施した「2021年シニアのスマートフォン(以下「スマホ」とする)・フィーチャーフォンの利用に関する調査」によると、60歳~79歳のモバイル端末の所有率は94%(うちスマホ所有は約85%)、フィーチャーフォンやガラホ利用者の約48%がスマホへの乗り換えを検討しています。スマホ所有者が、新型コロナの影響による外出自粛期間中にスマホを活用して新しく始めたことのトップ3は、オンラインショッピング、家族・友人との音声通話、散歩です。スマホを利用し始めたきっかけは「LINEなどのコミュニケ―ションツールを使いたい」(約26%)、「家族に勧められた」(約22%)、「地図、ナビゲーションを利用したい」(約20%)でした。
※対象:「スマホ利用者」、「スマホへの乗り換え・新規契約検討者」「スマホへの乗り換え・新規契約未検討者」各500人
同年9月のソニー生命「シニアの生活意識調査2021」によると、「日頃スマートフォンで行っていること(複数回答)」の1位は「通話やメール」、2位「インターネット検索や天気予報チェック」、3位「LINEなどのメッセージアプリ」でした。シニアは、顔を合わせることが難しい中でのコミュニケーションや情報収集、消費財購入、などのためにスマホに活路を見いだしているようです。
スマホ利用によるトラブルも急増している?
問題は、スマホ利用によるトラブル、例えば詐欺メールによる情報抜き取りや健康食品・サプリなどの定期購入トラブル、操作ミスによる高額の追加費用負担などが多発していることです。多くは画面確認や操作のうっかりミスが原因です。予防策として、有料ですが通信会社の遠隔操作を含む相談サービスの利用も一案です。Apple Music、Netflix、Amazon Primeなどを代表とするサブスクリプション(以後「サブスク」)も問題の一つです。サブスクとは、「月額料金などの定額を支払うことで、一定期間、商品やサービスの利用が可能となるものをいいます。サブスクの利用形態には、【1】契約期間内は無制限に利用ができるもの(いわゆる「使い放題」)と、【2】一定の条件のもとに利用可能なもの(提供数、種類、利用回数などに上限があるなど)があります」(東京都消費生活総合センター)。
定期購入やサブスクでは、解約手順がわかりづらく解約できず料金を支払い続けている人も少なくありません。
家計の肥大化を防ごう
KDDIは2022年3月31日をもって3G通信サービスを終了し、利用者は4G(5G)のスマホあるいは携帯電話への機種変更を余儀なくされました。ソフトバンクは24年4月下旬、NTTdocomoは26年3月31日で同サービスを終了する予定です。サービス終了に伴いスマホを利用するシニアは増えるでしょう。便利なスマホの使い過ぎで家計が肥大化する可能性が懸念されます。予防のために、加入する通信プランの内容や定期・定額購入の必要性などを定期的にチェックしましょう。ガソリンや食料品の価格が上昇しインフレが進む中で年金の支給額は2年連続で引き下げられました。この傾向は長期的に続くでしょう。便利さと家計管理のバランスをとり家計の赤字化を防ぐ賢明さが求められます。
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