インポスター症候群とは? 自分の成功の価値を認められない“思いぐせ”

砂丘を歩く男性

いくら成功しても自分の価値を認めることができない。「インポスター症候群」に苦しむ人は少なくない

キャリアや家庭内の役割が十分にできているにも関わらず、自分に自信が持てない人たちがいます。

学歴もあり、社会人として申し分ない実績も年収もあるのに、「このくらいのこと、誰にでもできる。私なんて大したことのない人間だ」と思い込む。家庭を守り、立派に親の務めを果たしてきたのに、「私はダメな親だった。私なんかに育てられてうちの子はかわいそうだ」などと感じてしまう……。
 
このように、実際にはたくさんの実績や成功を収めているのに、当の本人がその成果や価値を認めず、「自分なんてインチキだ」「中途半端で詐欺師のようなものだ」などと卑下することを、インポスター症候群(ペテン師症候群)と呼びます。
 
インポスター症候群は、本人の成功の実績と関係なく生じる“思いぐせ”です。たとえ、トップクラスの大学を首席で卒業したとしても、プロとして活躍しいくつもの賞を受賞しているとしても、子どもを立派に成長させ、その子が社会的成功を収めているとしても、インポスター症候群は生じます。
 
「日本ではハイレベル。でも、世界的に見れば大したことはない」「私以上の成功者なんていくらでもいる」……。人はどのレベルにいても、「上には上がいる」という現実から逃れられません。そのためインポスター症候群に苦しむ人は、社会的成功度や経歴に関係なく存在します。むしろ、上を目指せば目指すほど、インポスター症候群に陥りやすくなると言えるかもしれません。
 

インポスター症候群になりやすい人、なりにくい人の決定的な違い

とはいえ同じような成功をしても、インポスター症候群にならない人はもちろんいます。インポスター症候群になりやすい人となりにくい人とでは、ものの見方、感じ方が大きく異なります。

インポスター症候群に陥る人の発想は、自分の行動や実績より優れた他者との比較で捉えることです。この比較するくせが強すぎると、いくら頑張っても自分のやってきたことに価値を見出せず、「私なんてちっぽけな存在だ。インチキでペテン師のようなものだ」などと思えてしまうのでしょう。
 
もちろんインポスター症候群になりにくい人も、他人をうらやましく思い、自分の努力不足を戒めたりすることはあります。でも、必要以上に自分を卑下することはありません。自分と他人は別個の人間であり、比較して落ち込んでも意味がないことを知っているからです。そして、自分が行ってきたことの価値もきちんと認めています。たとえ多くの人には届かなかったとしても、心を込めて行ってきたことが誰かの役に立っている。そのことを肯定的に受け止め、喜んでいるからです。
 

インポスター症候群に陥らないためには? 今を楽しみ、自分の努力を労うこと

強固なインポスター症候群に陥ると、自分を卑下する思いぐせから抜け出せなくなってしまいます。いつかは自分に満足することを夢見て努力しますが、強者との比較が止まらないため、”努力と疲弊の悪循環”にはまり、苦しんでしまいます。したがって、「自分はインポスター症候群になりやすいかもしれない」と思ったら、以下の2つのポイントで日頃の思いぐせを振り返り、修正する必要があります。
 
1つ目は、評価に意識を奪われないようにすること。実績は過去の“足あと”であり、評価は経験の“おまけ”でしかありません。それより、今この瞬間を生きる自分を大切にし、仕事や家事、勉強など今取り組んでいる物事に力を尽くし、心から夢中になってみましょう。今を生きる自分を精一杯味わい、いきいきと楽しむこと。そこにこそ生きている意味があり、頑張る価値と幸せがあるのだと感じてみてください。
 
2つ目は、自分自身に温かいまなざしを向けること。自分のいちばんの味方は、自分自身であるはず。だからこそ、冷たいまなざしで自分を見ることをやめ、頑張ってきた自分に労いの言葉をかけましょう。心を込めてやっていることは必ず誰かの心に届き、人を幸せにしています。「こんなことしかできないのか」と自分に鞭を打つのはやめ、たとえささやかでも努力してきた自分に温かいまなざしを向け、やってきたことの価値を見出していきましょう。
 
「私なんてペテン師みたいなものだ」という思いが浮かんだときには、ぜひ上の2つのポイントを思い出してみてください。きっと気持ちが楽になり、希望が湧いてくると思います。
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