イエローストーン国立公園
写真のバッファローをはじめ、タイリクオオカミ、グリズリー、エルクなど、野生動物の宝庫としても知られている
18~19世紀前半、イエローストーンを訪れた探険家たちは虹色に輝く鉱泉や空高く吹き上げる間欠泉、黄や白に染まった山々に驚愕し報告したが、誰も信じる者がいなかったという。米政府はイエローストーンの売却・開発を計画していたが、米大陸の美しさに気づいて自然保護を強く主張していたヘイデンが1871年にこの地を訪れて詳細な報告書を作成。その重要性を知った政府は翌1872年、イエローストーンを世界初の国立公園に指定した。
グランドキャニオン国立公園
イエローストーンで高まった自然保護運動の影響もあり、主要部は1919年に国立公園に定められた。おかげで園内でのダム建設が中止に追い込まれたといわれる
約1億年ほど前に隆起した土地をコロラド川が浸食すること数千万年。川は1,000年で10cmにも満たないペースで少しずつ大地を掘り進み、やがて最大で深さ約2.0km、全長約450kmという驚異的な大渓谷を造り出した。むき出しになった地層は古いもので20億年以上前に遡り、古代の地球の様子を伝える貴重な資料となっている。乾燥した半砂漠の大地で、気温差も昼夜あるいは渓谷の上下で激しいが、それを利用した多彩な動植物が確認されている。
自由の女神像
像の高さは約46m、台座を入れると約93mになる。台座部分にはエレベータ、像内部には階段が設置されている
ニューヨーク、リバティ島にあるアメリカの象徴。アメリカ独立100周年と両国の友好を記念して、フランス市民の呼び掛けと募金によって贈られた像で、1886年に完成した。片手をあげたデザインはドラクロワの『民衆を導く自由の女神』を模しており、右手には世界を照らす自由のたいまつ、左手には独立年月日を刻印したプレートを持ち、足は鎖と足かせを踏みつけ、頭の王冠からは自由の光が7つの海と7つの大陸に向かって広がっている。
ヨセミテ国立公園
ヨセミテ渓谷のネバダ滝。雄大な自然景観とジャイアントセコイアやグリズリーなどの動植物で古くから知られており、1890年に国立公園に指定された
2万年ほど前まで続いた氷河期氷期、ヨセミテは厚さ1,000mに及ぶ分厚い氷河に覆われていた。氷河は山から流れ落ちながら丘を割ったり谷を削り、他に類のないダイナミックな景観を造り上げた。園内には数多くの断崖や滝があり、ロック・クライマーの憧れとなっている高さ1,000mの一枚岩エル・キャピタンや、落差700mのヨセミテ・フォールなどで知られている。最高峰ライエル山は高さ3,997mで、園内の標高差は約3,500mにもなり、多彩な生態系が混在している。
カナディアン・ロッキー山脈自然公園群
アサバスカ氷河やコロンビア川など、数々の氷河や河川の水源となっているコロンビア大氷原
ロッキー山脈のカナダ側約2,000kmをカナディアン・ロッキーと呼ぶ。この中で、バンフやジャスパーなど4つの国立公園と3つの州立公園が世界遺産に登録されている。広大な氷原があり、そこから数々の氷河が流れ出ていて、さらに氷河は河川や湖を生んで豊かな緑を育み、高度ごとに異なるすばらしい自然景観を生み出している。また化石の宝庫としても知られており、現在とまったく異なる古生代の不思議な生物群の様子を伝えている。