定年後、どれくらい収入があって、どれくらい支出する?

老後の生活を考える時、やはり一番気になるのがお金の話。定年後、どれくらいの収入があって、どれくらい支出するのかは知っておきたいところ。受け取る年金額や生活スタイルによって、それぞれ差がでてきますが、まずは、全国の平均データをみてみましょう。

【ガイドの福一さんが老後の収入源を解説!】



現在は2021年ですが、コロナ前の家計収支が参考になると思いますので、総務省が発表している2019年の「家計調査報告」の家計収支編を見てみますと、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計は、実収入が23万7659円に対して、消費支出は23万9947円、また税金や社会保険料負担などでさらに3万982円を負担しています。データによると3万3269円の不足となり、毎月約3万3000円相当の赤字ということになりますね。
 
2019年「家計調査報告・家計収支編」(総務省)より

2019年「家計調査報告・家計収支編」(総務省)より



このように、年金収入だけでは赤字に陥りそうな老後の家計。いくら貯蓄があっても不安になります。そこで、年金収入だけではなく、他にも収入を得ることが一番の老後生活対策といえるでしょう。
 

再雇用などで働く場合は現役時代の収入の5割前後と考えておく

定年後の働き方として、最も考えられるのが「再雇用制度」でそのまま会社で働くこと。日経BPコンサルティングの「定年後の就労に関する調査」によると、定年後に働いた人は51.9%。そのうち、定年前と同じ会社で再雇用されているのが65.3%という結果に。子会社やグループ会社で働くケースもあわせると全体の7割を超えています。
 
気になる収入は、「定年前の6割程度」20.2%、「5割程度」19.6%「4割程度」13.6%と4割から6割が半数以上を占めています。再雇用などで働く場合は収入の5割前後と考えておくと無難です。また、再雇用期間が60歳から65歳までの間は、雇用保険から高年齢雇用継続給付金が受給できる場合もあります。お給料が減っても、その一部は給付金でカバーしてくるということですね。安心して再雇用で働ける制度です。受給できるかどうか、いくらもらえそうなのかを、確認しておきましょう。
 

年金以外の収入源と得る方法

リタイア後に「起業」をする人も増えてきました。内閣府が発表した「令和2年版高齢社会白書」によると、起業して5年未満の人の中で65歳以上の割合は、2007年は8.4%でしたが、2017年には11.6%に上昇しています。自治体などでシニア起業向けの支援策も出てきており、シニア起業の数はさらに増えそうな風潮です。
 
シニア起業で多くみられるのが、現役時代の経験を活かした独立。現役時代の海外赴任経験を基に輸出ビジネスのコンサルティング、社会保険労務士や行政書士の資格を取得し事務所を設立というパターンも。また、ファイナンシャルプランナーの資格を取得し終活ビジネスをシニア向けに始める例もみられます。
 
また、趣味の延長線上で起業する例もみられます。登山が趣味だった人が登山ガイドツアーを企画したり、そば打ちを極めてそば屋を始めた例も。趣味を第2の人生の柱としています。
 
いずれも、見込める収入は開業規模や事業範囲によるので大きな差があります。士業での開業で月収100万円近くの人もいれば、趣味の延長線上での起業で月収数万円程度という例も。無理なく、自分のぺースで働くことができるのが起業の良いところです。
 

仕事をしている60歳以上の人で、一番多かったのがパート・アルバイト

定年後の仕事として、一番簡単にできるのが「パート・アルバイト」ではないでしょうか。実際に、高齢社会白書では、収入のある仕事をしている60歳以上の人のうち、一番多かったのが34.3%のパート・アルバイトでした。得たい収入や体調にあわせて、仕事が選べますし、住まいの近隣で仕事がみつけやすいですね。必要とされる資格やスキルが高くなく、気軽に始められる仕事も多くあります。すぐに働きたいときに、仕事が始められます。
 
収入は仕事の内容と勤務時間に応じて変わっていきます。少なくとも、最低賃金は得られます。最低賃金は、地方によって異なりますが、時給800円から1000円は保証されるでしょう。あとは、どれだけの時間働くかで収入が決まります。
 

自分の時間とスキルをお金に換える方法

起業までいかなくても、「自分の時間を売る」、自分のスキルなどを収入にする仕組みが増えてきました。例えば、オンラインで自分の経験を売るサービス。自分自身のスキルを1時間いくら、1件いくらといった形で提供するといったものです。これらのサイトに登録しておけば、自分の時間とスキルをお金に換えることができます。自分自身の経験やスキルを若い人に伝授するといった思いで始めている人が多いです。工夫次第では、定期的に収入を得ることができます。起業ほど深く考えることなく、開業資金も必要ありません。
 
気になる収入は、自分のスキルを売るサービスでは、時間1000円や1件数万円など、提供するサービスによってさまざまですが、開業資金なども必要とせずに手軽に経験をお金に換えることができます。
 
このように、定年後も年金以外でもいくつかの収入を得ることが可能になっています。総務省が行っている「高齢社会白書」では、仕事をしている高齢者の仕事をしている理由は、1位は、「収入がほしいから」で45.4%ですが、2位は「働くのは体によいから、老化を防ぐから」23.5%、3位「仕事そのものが面白いから、自分の知識・能力を生かせるから」21.9%となっています。

収入のために、老後の生活安定のためにはもちろんですが、体のため、社会への貢献のためと考えて働き続けるのもよいのではないでしょうか?

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