グレート・ジンバブエ国立記念物
漆喰を使わず、石を積み上げて造られた円周約240mのグレート・エンクロージャー。ジンバブエとはショナ語で「石の家」 ©牧哲雄
かつて白人以外の高度な文化の存在を認めなかった西欧が存在をひた隠しにした謎の遺跡がグレート・ジンバブエだ。メインとなるのは丘の上に巨石を積み重ねたアクロポリスや、100万個もの石を積み上げて造った囲い壁グレート・エンクロージャー、住宅と見られる小さな円が連なる谷の遺跡など。紀元前1,000年前後からこの地に人が住みついており、石造都市は11~12世紀に建築されたと見られる。アラブや中国の陶器なども出土しており、アジアとの貿易で栄えていた。ショナ族の遺構といわれるが、その全貌はいまだ謎に包まれている。
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セレンゲティ国立公園
アフリカゾウの群れ。動物たちは基本的に群れで行動する
世界遺産であるンゴロンゴロ保全地域やケニアのマサイマラ国立公園に隣接する広大なサバンナで、毎年2回、数百万頭のヌーがタンザニアとケニア国境にまたがるマラ川に集結する。川にワニ、対岸にライオンやハイエナやチーター、空にワシやハゲコウが待ち構えるなか、勇気ある1頭のダイブをきっかけに命がけの川渡りがはじまる。公園内には他にもゾウ、サイ、カバ、ヒョウ、キリン、ガゼル、トピなどがおり、サファリでいつでも多彩な動物を見ることができる。
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キリマンジャロ国立公園
スワヒリ語で「輝ける山」を意味するキリマンジャロ。素人でも登れるというが、頂上到達は五分五分 ©牧哲雄
赤道からわずか300kmの位置に雪がある! 1848年にこの情報が西欧に伝えられたとき、信じる者はいなかったという。海沿いの熱帯雨林からはじまり、サバンナから森林、低木ばかりの草原、高山植物の生い茂る高地へと続き、やがて景色は砂漠へ連なり、最後に雪と氷河の世界を迎える。標高5,895mのウフル・ピークは-30度を下回ることもあるほどだが、地球温暖化の影響で、氷河と万年雪はあと15年もたないという研究者もいる。「素人でも登れる七大陸最高峰のひとつ」とも呼ばれており、毎年数多くの登山者を迎えている。
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ザンジバル島のストーンタウン
ストーンタウンの街並み。1499年にはポルトガルのヴァスコ・ダ・ガマも寄港した ©牧哲雄
サンゴが群生し、どこまでも続く超遠浅のビーチに囲まれた自然の楽園、ザンジバル。その中心であるストーンタウンは紀元前からアラブやインドと交易を行い、15世紀以降は欧米との香辛料や奴隷貿易の中継地として栄え、アフリカ、アラブ、ヨーロッパが混在した独自の文化を生み出した。迷路のような街並みを歩くと、西洋風の洋館やイスラム教のモスク、キリスト教の大聖堂跡、ヒンドゥー教の寺院などが姿を見せる。古都といっても現在も多くの人々が生活を送る生きている世界遺産だ。
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ナミブ砂海/ナミビア
アプリコット色に燃え上がるナミブ砂海の美しいデューン ©牧哲雄
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ツィンギ・デ・ベマラ厳正自然保護区
「尖った」を意味するツィンギの奇岩。「動物の住めない場所」と伝えられていた
石灰岩からなるカルスト台地が数万年にわたる雨の浸食を受けてできあがった奇岩群が広がる広大な自然保護区がツィンギ・デ・ベマラだ。細く突き上がった奇岩は高いものでは300m以上にも及び、そんな尖塔状の奇岩が無数に林立している。地下には大地が溶けて広がった鍾乳洞が多数存在しており、溶けた石灰分は鍾乳石となって結晶化して、美しい景観を描き出している。森林地帯にはキツネザルをはじめ数多くの野生生物が暮らしており、奇岩群や保水力の低い大地で生きるための独自の機構を備えた固有種も少なくない。