世界遺産「グレート・ジンバブエ国立記念物」

アクロポリスから眺めたグレート・エンクロージャー

アクロポリスから眺めたグレート・エンクロージャー。楕円形をしたグレート・エンクロージャーはジンバブエの象徴だ ©牧哲雄

サブサハラ・アフリカには珍しい石造都市グレート・ジンバブエ。大航海時代、ヨーロッパの人々はアフリカにおいてこのような高度な文明の存在が信じられず、フェニキアの都であるとか、聖書の伝説の都「シバの女王の国」ではないかと噂した。

今回はジンバブエの誇りでもある世界遺産「グレート・ジンバブエ国立記念物」を紹介する。

世界遺産と国旗

アクロポリスの城壁

アクロポリスの城壁。自然の岩々と花崗岩のブロックを組み合わせて堅固な要塞都市を築いた ©牧哲雄

カンボジア国旗

カンボジア国旗

国旗にはその国の象徴が描かれていることが少なくない。たとえば右のカンボジア国旗の中心にドンと座しているのは世界遺産「アンコール」の中心遺跡アンコール・ワットだ。クメール人が人口の9割を占めるカンボジアにあって、クメール人が建造したアンコールは最高の誇りなのだ。


 
レバノン国旗

レバノン国旗

レバノンの国旗の中央の木はレバノン杉で、造船に適したこの木材を手にしたフェニキア人は地中海一帯の海運を支配した。数少ないレバノン杉の最大生育地は「カディーシャ渓谷(聖なる谷)と神のスギの森(ホルシュ・アルツ・エル-ラーブ)」として世界遺産登録されている。


 
ジンバブエ国旗

ジンバブエ国旗

そしてジンバブエの国旗が右だ。左側にある鳥の像はチャプングと呼ばれるもので、今回紹介する世界遺産「グレート・ジンバブエ国立記念物」から出土した彫像をモチーフにしている。

グレート・ジンバブエは、ジンバブエの人口の7割を占めるショナ人が築いたといわれる遺跡。アフリカの多くの文化遺産が木や土で造られているのに対して、グレート・ジンバブエは巨大で精巧な石造都市の遺構で、アフリカの他地域ではほとんど見ることができないものだ。そのため長らく「謎の遺跡」といわれ、フェニキアの都であるとか、『旧約聖書』に登場するシバの女王の国ではないかなどと、様々な伝説を残すことになった。

ショナ人はこの高度な都市を誇りとして、国名に「石の家」を意味するジンバブエをあて、国旗にその図柄を採用した。