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アルファリポ酸は中年太りの救世主? αリポ酸にダマされるな!(2ページ目)

αリポ酸(アルファリボ酸・チオクト酸)が中年太りの救世主になる、というのはウソです。正しいダイエット方法を知りましょう。

執筆者:河口 哲也

映像でところどころ登場するが、スタジオには科学者がいない

テレビ
娯楽番組は楽しんでナンボ!マネをすると…。
娯楽性が強い健康情報バラエティ番組を見分ける方法として、これまで「科学者をところどころ映像で登場させるが、スタジオには呼ばない(司会者からゲストまで全て科学的な素養のない人で構成された)番組は、娯楽番組もしくは特定商品の販売目的の宣伝番組だと思って間違いない」とお話してきました。

実はこれには訳がありまして、もし一人でも科学的な素養がある人がスタジオにいると番組が成り立たなくなる可能性が高いのです。

それは、番組では「本当の事を言う人」と「それを誇張する人」という役回りがはっきりしており、混在が不可能な構成になっているからです。

例えば、αリポ酸の回でご説明すると、番組では以下のような流れでαリポ酸と中年太り解消について説明をしていました。

1、まずオークランド小児病院研究所のエイムス博士が映像で登場し、「αリポ酸は人間の体内全ての細胞にある物質で細胞を活性化させる働きがあり、特に細胞内のミトコンドリア(エネルギーを生産する器官)の機能に深く関わっている」とコメント。

2、そして上記について図解で分かりやすく解説。

3、番組はαリポ酸を含むミトコンドリア内の酵素が中年以降減っていくという別のデータを提示。

4、ナレーションにより「中年太りの原因はαリポ酸の減少で、中年太りをストップさせるにはαリポ酸を補うべきだ」と提案。

5、スタジオ内のゲストや司会者が「中年太りをストップさせるにはαリポ酸を補うしかない!」と確認。


こうすると、一見一貫性があるストーリーができあがりますので、視聴者はダイエットに有益な情報を得たような気分になり番組をエンジョイできます。

しかし実は、上記については、「3、ミトコンドリア内の酵素が中年以降減っていくという別のデータを提示」というところまでは真実ですが、その後の情報は、上記の事実とダイエットを結びつけるための誇張表現(作り話)なのです。

スタジオに科学者を呼ばないのは...?

もし仮にスタジオ内に科学者が一人でもいれば、「それは証明されていない」とか「間違っている」と指摘するでしょう。指摘しなければ彼(彼女)の科学者としての名誉に関わります。そういう理由があり、映像でところどころ科学者を登場させることはしても、スタジオに同席させるわけにはいかないのです。

ちなみに、私はこのウソと誠を上手にミックスさせる手法を「抱き合わせ商法」をもじって「抱き合わせ情報」と呼んでいます。


検証という名の演出

娯楽性の強い健康情報バラエティ番組(のダイエット特集)では、必ずと言っていいほど人でその効果を試す”検証”が行なわれます。αリポ酸の回でも彼らの言うところの”検証”が行なわれ、実際に数名の男女がαリポ酸を摂取してダイエットが大成功しました。

私はかつて何度か番組制作会社の方とお話したことがありますが、彼らは自分達がしている“検証”はとうてい検証とは呼べないものであることを認識しており、更に、本当なら検証はどのようにしてやらなければならないかについても知っているようでした。


次のページでは、本当の“検証”とはどういうことかについて説明します!
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