一、脳の疲労からくる食欲は脳のみを満たせ
食欲には血液や細胞の栄養素の欠乏からくる生理的な食欲と、脳(心)が受けたストレスを食べることで緩和(解消)しようとするために生まれる食欲があります。
特に太った人は後者の食欲が原因で太っていることが多く、そのような場合、食べること以外のストレス解消法を模索するのが正攻法ですが、今回はストレス(脳の疲労)による食欲をガチンコで脳のみを満たすスティッピング法(これも勝手に私が命名)を彼に教えました。
これは、簡単に言えば「食べ物を舌で味わって、飲み込まずに吐き出す(spitting)」という方法で、慣れれば飲み込まずに十分その食べ物の味を楽しむことができますし、実際に職業としてテイスティングを行う味覚のプロ達は客観性を失わずに多くの食品の味を比べるために飲み込まずに一つ一つ吐き出してテイスティングを行います。(私は以前食品会社の開発部にもいましたが、そこでも試食会には必ずバケツが用意されていました)。
ただし、会話の中にもありましたが、この食べ物を飲み込まずに味だけを楽しむ方法には一つの大きな落とし穴があり、おすすめするかどうかはケースバイケースになります。
それは、少し難しい話になりますが「人は何かの行動を起こしたとき、その行動の元となった考えを強める」という特徴があることに起因します。
具体的には「食べ物を吐き出す」という行為の動機に「食べ物が憎らしい」という考えがあれば、その行動をするたびに食べ物の憎らしさを再確認して強めてしまう恐れがあるということです。
つまり、いわゆる拒食症や過食症などの摂食障害の方やその傾向がある方がこの方法を用いてしまうと、それは「食べ物が憎らしい」という摂食障害傾向を強めてしまい悪化させる恐れがあるということです。
しかしながら、一方でダイエットは摂食障害のきっかけに過ぎず、ほとんどの人がダイエットを行っても摂食障害にならないのも事実です(特に男性と年配の方は少ないです、が少ないというだけで「全くならない」という訳ではありませんよ…)。
今回のダイエットのにおいては、ダイエットの開始から約一月かけて、ダイエットの目標、そのメリット、デメリット、どのような価値観に基づいてダイエットを行うのか、ダイエットの課程、結果の視覚化、その他の目標との優先順位など(詳しくは総括でお知らせします。12月第4週UP予定)を十分検討し、ダイエットの全体像をしっかり把握した上でダイエットに希望をもって(自分への愛情をもって)取り組んでいるため「食べ物を嫌いになることはない」と判断し彼にスティッピング法をおすすめしました。
(紹介しておきながらなんですが、上記の理由によりこの方法はむやみにマネをなさいませんように…)
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