味噌汁の主食を選ぶ力
味噌汁をあなたが飲むときに、同時に食べるとしたら「ごはん」と「パン」どちらを選ぶでしょうか?ほとんどの人は「ごはん」を選ぶはずです。これは本能的に塩気が多い味噌汁と、これまた塩を含むパンとを同時に食べるのを避けているのか、ただ、味覚として食べ合わせが悪いだけなのかは分かりませんが、千年以上もの間私たち日本人に食べられてきた味噌汁は、その独特の味と食感で主食をはじめ、同時に食べる食品を選ぶ傾向があります。
つまり、味噌汁を食べることで、食事全体が一定のスタイルを持つということです。
その中でも特に「ごはん」を同時に食べるということはとても重要で、そのことで摂取するアミノ酸のバランスが「味噌」と「ごはん」を別々に食べたときよりも良くなるという特徴があります。
少し難しい話になりますが、下表のように大豆たんぱく質に不足している「メチオニン」を米のたんぱく質が補い、米のたんぱく質に不足している「リジン」を、大豆のたんぱく質が補うという補完関係が成り立ち、総合的なアミノ酸バランスを良くするのです。
専門用語を使うと難しく聞こえますが、日本人は栄養学などという言葉ができるはるか以前から、この「米」と「豆」相性のよさを知り、食の体系に加えていました。
味噌汁の具の力
次に「具の力」。味噌汁の具といえば、「豆腐」「わかめ」「シジミ」「ねぎ」「大根」「なめこ」「豚肉」などのそれだけをとっても「体に効く食べ物」シリーズで取り上げる価値のある食材が並びます。また、汁物ですからそれら食材を調理するのに余計な食用油を使用することもなく、しかも野菜類なら生で食べる時のようなドレッシングも必要なく、量も多く食べることができます。
結局この「味噌」+「ごはん」+「具」の三位一体で、体に必要十分な栄養を補うことが可能になるというのが、味噌汁の驚くべき効果なのです。
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