体に効く食べ物とは? 驚異の薬膳スープ「味噌汁」
ダイエットと味噌汁の関係は?
毎週のようにどこかのテレビ番組でダイエット特集が組まれ、必ずといっていいほど女性誌の数ページを占拠し、「○○という食品がダイエットにイイらしい」という噂が流れると、スーパーの○○が売り切れになり、ダイエット補助食品などのダイエットをとりまくビジネスは1兆円産業とまで言われています。
厚生労働省が行った国民栄養調査では、体重の維持を含めたダイエットを心がけている女性は7割以上に達し、男性は5割程度にとどまっているものの、その体重維持に興味の薄い男性のおよそ3人に1人(30歳以上)は肥満者になっているとの結果が出ています。
いまや私たち日本人は日常的にダイエットを心がけるか、それとも肥満者になるかの二者択一を迫られていると言っても過言ではないのではないでしょうか。
そもそも、自然界の動物に肥満やダイエットなどというものは存在しません。どんな動物でも食べたいものを食べたいだけたべて食べたくなくなったら自然に食べるのを止め、どんなに食べ物が豊富に存在しても、本来自分が持っている運動能力を著しく低下させたり、生命の危機に陥るほどの肥満になることは絶対にありません。肥満になるのは人間と人間に飼われたペットだけなのです。
さて、それではなぜ私たちはこのような現状に陥ってしまっているのか? 理由はさまざま考えられますが、日本人の場合は戦後、急激に戦勝国の食文化と余剰農産物が国内に流入し、それまで培ってきた「食術」とでも言うべき健康を維持するための食の伝統・知恵が失われたことに一因があると私は考えます。
そこで今回は、昔から「一汁一菜」と呼ばれ、米などの穀物とそれを飲むだけで人に必要十分な栄養を与えてきた、驚異の薬膳スープ「味噌汁」を取り上げたいと思います。
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