今回の質問はこちら。
Q :40代。とにかく子どもにお金がかかります。投資ができません。どうしたらいいですか?
子どもにお金がかかる40代
中野さん:40代で子どもがいる場合には、お金がかかるのは事実だと思います。文部科学省、そして独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)が発表している「大学卒業までにかかる教育費」(※1)を見ると、大学卒業まで全て公立であっても810万円。全て私立になると2380万円以上がかかります。さらに大学進学をするタイミングに絞った場合でも、私立大学は初年度に130万円以上かかります。国立大学の場合には約80万円です(※2)。ひとり暮らしをする場合には、家賃や引越し費用もかかりますよね。使う金額が大きいのも40代の特徴のひとつでしょう。
参考資料
※1
「平成30年度子供の学習費調査の結果について」文部科学省
「平成30年度学生生活調査結果」独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)
※2
「私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」文部科学省
「国公私立大学の授業料等の推移」文部科学省
40代ができる投資とは
中野さん:お金がかかる事実は変わらないのですが、40代もまだまだ時間があるので、コツコツ積み立てていくのが最も有効な方法です。「つみたてNISA」(※3)を活用していきましょう。つみたてNISAなら最長で20年間、投資の分配金や譲渡益に対して税金がかかりません。年間40万円、毎月3万3000円の投資枠が利用できます。子どもの学費がかかってくるので、年間40万円(毎月3万3000円)の非課税枠を最大限使えない、という人もいるかもしれません。だからといって投資をしないと考えるのはナンセンスですよね。ゼロか100かではなくて、間を取ればいいのです。つまり毎月の投資額を減らすということです。
つみたてNISAのメリットのひとつは、毎月積み立てる金額を変えられることです。自分の家計を見ながら、無理をしない範囲の金額に変えていくことが大切なんですよね。そして子どもにお金がかからなくなったら、金額を戻せばいい。生活スタイルや収入、どうしても使わないといけないお金などを踏まえて、臨機応変に対応して投資を続けていくことが重要なのです。
参考資料
※3「つみたてNISA」金融庁
――次回は「老後資金の不安が出てくる50代は投資をどう捉えたらいい?」です。
教えてくれたのは……
セゾン投信株式会社 代表取締役会長CEO 中野 晴啓(なかの はるひろ)
セゾン投信の中野晴啓会長
1987年クレディセゾン入社。セゾングループの金融子会社にて資産運用業務に従事した後、投資顧問事業を立ち上げ運用責任者としてグループ資金運用のほか、海外契約資産などの運用アドバイスを手がける。その後、クレディセゾンインベストメント事業部長を経て、2006年セゾン投信株式会社を設立。2020年6月より現職。現在2本の長期投資型ファンドを運用、販売しており、顧客数は約15万人、預かり資産は4000億円を超える。一般社団法人投資信託協会理事。公益財団法人セゾン文化財団理事。著書に『預金バカ』(講談社+α新書)、『つみたてNISAはこの8本から選びなさい』(ダイヤモンド社)など。
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