株・株式投資

人生の折り返し、50代は何にお金を使ったらいいのだろう

30代と40代は自己投資のためにお金を使うのが、将来を見越した適切な方法でもあります。では50代はどうでしょうか。人生の折り返しを迎えていることもあって、お金の使い方をこれまで以上に真剣に考えていく必要がありそうです。

川崎 さちえ

執筆者:川崎 さちえ

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30代と40代は自己投資のためにお金を使うのが、将来を見越した適切な方法でもあります。では50代はどうでしょうか。人生の折り返しを迎えていることもあって、お金の使い方をこれまで以上に真剣に考えていく必要がありそうです。セゾン投信の中野晴啓会長はどう考えているのでしょうか。

今回の質問はこちら。

Q:50代は何にお金を使うべきでしょうか?

 

50代は会社から必要とされる存在になる

中野さん:60歳が定年という考えがベースになっている場合、50代になると「そろそろ引き際を考える時期かな」と思うでしょう。でも高年齢者雇用安定法(※1)もありますし、年金制度の改正(※2)もあります。基本的な考えとして60歳でリタイアはできないというのが今後は前提になってきますよね。

参考資料
※1「高年齢者雇用安定法の改正~70歳までの就業機会確保~」厚生労働省
※2「年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました」厚生労働省
50~60代の皆さんへ」厚生労働省

それに社会構造の大きな問題として、人口減少があります。厚生労働省の「令和元年(2019) 人口動態統計(確定数)の概況 結果の概要」(※3)によると、出生数は86万5239人で、前年の91万8400人より5万3161人減少しています。

今後おそらく出生数が劇的に増えることはないでしょうから、この先は高齢者の割合は増え、一方で労働力となる若者の人口は減ってしまいます。肝心の労働力、つまり働き手が少なくなってしまうのです。そうなった場合、会社は70歳まで仕事をしてほしいと思うようになるのは自然の流れでしょう。

しかも50代は、30年以上にわたって積み上げてきた経験や知識、知見もあります。それは若者にはない、すごい財産です。ですから会社は50代の戦力を手放そうとは思わないはずです。少なくとも僕なら、それほどの人材を手放したいとは思いません。

参考資料
※3「令和元年(2019) 人口動態統計(確定数)の概況 結果の概要」厚生労働省 
 

自分の武器に気づいてほしい

中野さん:一方で自分の能力に気づかず、そろそろ引退だなと考える50代がいるのも事実です。でもまだまだ勝負ができる年齢なんです。僕も50代ですが、長年資産運用に携わってきて、経験や知識もあります。それは強力な武器ですよ。

そう考えると僕だけではなく、みんなにも同じように武器があるはず。まずはそれに気づいてほしいですね。そしてそんな強い武器を持っているのだから、会社から求められる存在にもなっていると自信を持ってください。
 

50代でも学び続けること

中野さん:ただし自分は求められているから大丈夫と油断していると、あっという間に時代に置いていかれます。そのくらい時代の変化は速いですし、今後加速していきます。そして年功序列もなくなり、能力が高い若者に抜かれてしまうこともあります。

時代の流れから取り残されないようにするためには、50代であっても学び続けることです。社会の中で自分の価値を上げるようなことに、お金を投じましょう。50代になれば給与も上がりますよね(平均給与50~54歳は525万円、55~59歳は518万円(※4))。給与が上がったからといって自分の楽しみだけに使うのではなくて、自己投資にも使っていきましょう。

幸いにも50代の雇用先はあるでしょうから、この先も必要とされる人でいられると思います。

参考資料
※4「令和元年分民間給与実態統計調査」国税庁

――次回は「これからの60代は何にお金を使ったらいい?」について聞いていきます。

教えてくれたのは……
セゾン投信株式会社 代表取締役会長CEO 中野 晴啓(なかの はるひろ)
セゾン投信株式会社 代表取締役会長CEO 中野 晴啓

セゾン投信の中野晴啓会長



1987年クレディセゾン入社。セゾングループの金融子会社にて資産運用業務に従事した後、投資顧問事業を立ち上げ運用責任者としてグループ資金運用のほか、海外契約資産などの運用アドバイスを手がける。その後、クレディセゾンインベストメント事業部長を経て、2006年セゾン投信株式会社を設立。2020年6月より現職。現在2本の長期投資型ファンドを運用、販売しており、顧客数は約15万人、預かり資産は4000億円を超える。一般社団法人投資信託協会理事。公益財団法人セゾン文化財団理事。著書に『預金バカ』(講談社+α新書)、『つみたてNISAはこの8本から選びなさい』(ダイヤモンド社)など。
 

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