・人間ドックの費用は基本的に自己負担です
・人間ドックが医療費控除の対象かどうかは国税HPに掲載されています
・医療費控除のポイントは疾病の診療・治療に関わる費用です
・まとめ
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人間ドックの費用は基本的に自己負担です
サラリーマンの皆さんは会社から年に1度は定期健康診断を受けるよう指示されるかと思います。実は従業員に健康診断を受けさせるのは、会社の義務(安衛法66条)であり、その費用は会社が負担することになっています(昭和四十七年九月十八日 基発第六〇二号 13-(2)-イ)そのため定期健康診断に定められた血圧・肝機能・血糖・胸部X線など基本的な11項目については負担はないか、たとえあっても少額です。しかしながら人間ドックは定期健康診断の項目のほかに、肺機能検査、胸部・腹部CT検査、腫瘍マーカーの血液検査、胃・大腸カメラetc.…とその他多くの項目で構成され、費用は基本的に自己負担(*)となります。
受ける検査によっては費用も高く、医療費控除の対象かどうかは当然気になるかと思います。
*大手の健康保険組合では独自の給付を行っている場合もあります。
人間ドックが医療費控除の対象かどうかは国税HPに掲載されています
人間ドックの費用が医療費控除の対象かどうかは、国税庁のホームページに以下のように掲載されています。【照会要旨】
いわゆる人間ドックは医療費控除の対象になりますか
【回答要旨】
いわゆる人間ドックその他の健康診断は疾病の治療を伴うものではないので、その人間ドック等の費用は、医療費控除の対象とはなりません。
ただし、健康診断の結果、重大な疾病が発見され、引き続きその疾病の治療を行った場合には、その健康診断は、治療に先立って行われる診察と同様に考えることができますので、その健康診断のための費用も、医療費控除の対象に含まれます(所得税基本通達73-4)
要するに健康診断にしても人間ドックにしても、受けて何も問題がなかった場合、かかった費用は対象にならないが、病気が見つかりその後に治療を行った場合には、治療に関わる一連の費用と考え医療費控除の対象にすることができるということです。
医療費控除のポイントは疾病の診療・治療に関わる費用です
医療費控除の対象になる医療費は「疾病の診療・治療に関わる費用」であるかどうかがポイントであり「単に診断するための費用」は対象外と考えてください。なお国税庁のホームページには対象となる医療費についても記載があり、要約すると以下のようになります。
1 医師又は歯科医師による診療又は治療の費用(健康診断の費用や医師への謝礼は除く)
2 治療又は療養に必要な医薬品の購入費用(風邪薬等の一般用医薬品も含みます)
3 病院、診療所、介護老人保健施設等に収容されるための人的費用
4 あん摩マッサージ指圧師、はり師等による施術費用(ただし疲れをとるためなど、治療に直接関係のないものを除く)
5 保健師、看護師、准看護師等の療養上の世話にかかる費用
6 助産師による分べん費用
7 介護福祉士等による一定の喀痰吸引及び経管栄養の費用
8 介護保険等制度で提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担額
9 医師等による診療、治療、施術又は分べんを受けるために直接必要な費用(交通費等)
10 骨髄移植推進財団に支払う骨髄移植のあっせんに関する費用
11 日本臓器移植ネットワークに支払う臓器移植のあっせんに関する費用
12 高齢者の医療の確保に関する法律に規定する特定保健指導費用
まとめ
冒頭にも書きましたが人間ドックにかかる費用は高額であり、医療費控除の対象となるかは気になるところです。しかしながら人間ドックを受けて何も問題がなければドック費用は医療費控除の対象にはなりません。逆にいうと人間ドックの検査値等で指摘を受けその後の診察・治療を指示された場合、その疾病に対する治療の一環として人間ドックの費用を含め医療費控除を受けられますので、指摘された場合は診察・治療を受けることをお勧めいたします。
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