医療費控除の還付申告は1月からでも受け付けてくれる
会社員、パート・アルバイトなどの給与所得者は、会社が年末調整で税金の計算や納税を行ってくれるため基本的に確定申告は不要です。しかしながら医療費控除を受けるには、確定申告をする必要があります。通常の確定申告であれば原則、令和6年2月16日~3月15日と期間が決まっていますが医療費控除など、税金を戻してもらう還付申告は1月からでも受け付けてくれますので早めの申告をお勧めいたします。●医療費控除で戻ってくる還付金を計算できる!
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医療費控除とは
医療費控除とは、あなたや生計を共にする配偶者や親族が1年間に支払った医療費(注1)が以下に示すどちらかに該当している場合、確定申告することで受けられる所得控除のことです。・10万円を超えている
・所得200万円までの人は所得の5%を超えている
医療費控除を受けられる基準とは
前述の医療費控除を受けられるのは1年間で支払った医療費が「10万円を超えている」もしくは「所得200万円までの人は所得の5%を超えている」です。「所得200万円までの人は所得の5%を超えている」に該当している場合、医療費が10万円を超えていなくても医療費控除を受けることができます。
それでは会社員、パート・アルバイトなどで「所得200万円までの人」とは、給与収入としていくらの人(注2)であれば該当するのでしょうか。
(注2)1カ所からの給与収入のみで、他に収入がない人を前提にしています。
国税庁ホームページには給与収入を給与所得に換算する速算表が掲載されています。 表からは、給与収入が297万2000円以上であれば、給与所得として200万円を超えてしまうことが分かります。
つまり会社から発行された「令和5年分 給与所得の源泉徴収票」の給与収入(支払い金額欄)が297万2000円未満の人が「所得200万円までの人」であり、支払った医療費が10万円を超えていなくても医療費控除を受けられる可能性がありますので、該当するかどうか源泉徴収票を確認してください。
医療費控除の対象となるもの、ならないもの
支払った医療費は全てが控除の対象となるわけではありません。対象となるもの、ならないものがありますので、それぞれ主なものを挙げてみます。●医療費控除の対象になるもの
・医師や歯科医師による診療、治療の費用
・治療のためのあん摩マッサージ指圧師、はり灸師、柔道整復師の施術費用
・助産師による分娩の介助費用
・医師等による一定の特定保健指導の費用
・介護福祉士等による喀痰吸引の費用
・保健師や看護師(准含む)による療養上の世話にかかる費用
・治療や療養に必要な医薬品の購入費
・病院・診療所・助産所に収容されるためにかかった人的費用
・病院・診療所に通うための公共機関交通費(公共交通機関がない場合タクシー可)
●医療費控除の対象とならないもの
・容姿を美化するために行った整形外科手術費用
・健康診断や予防接種の費用
・治療に必要ではない近視や遠視のための眼鏡代
・親族に払った療養上の世話に対するお礼
・健康増進のためのサプリメント購入費
対象となるのは診断・治療に関わる費用であり、健診や美容整形など直接治療に関わらないものは医療費控除の対象にならないと考えてください。
医療費控除でいくら戻る?
皆さんが一番知りたいのは、医療費控除の確定申告で実際に戻ってくる金額はいくらなの?ではないでしょうか。戻ってくる額はその人の所得税率によって異なり、税率が高ければ戻ってくる金額が大きく、税率が低ければ戻ってくる額も少なくなります。具体的な計算は、医療費控除額にその人の所得税率(5~45%)をかけて計算します。
医療費控除額(支払った医療費-10万円(*))×所得税率=戻ってくる金額
(*)所得200万円までの人は所得の5%
なお、自分の所得税率を知るには「令和5年分 給与所得の源泉徴収票」を使います。具体的には源泉徴収票内の「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引いた額が該当する「所得税の速算表」の税率が適用されます。 例えば支払った医療費が20万円で保険金などの補填がなく、その方の税率が10%であれば以下の金額が戻ってきます。
[20万円(支払った医療費)-10万円]×10%=1万円
※復興特別所得税は考慮せず
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まとめ
いかがでしたでしょうか。会社員、パート・アルバイトなどは本来、年末調整で会社が税金を計算し納税まで行ってくれるので確定申告の必要がありません。しかしながら医療費はその年の12月末にならないと金額が確定しないため年末調整に間に合わず、医療費控除を受けるには自分で確定申告をする必要があるのです。冒頭にも書いたように税金を戻してもらう還付申告は1月からでも受け付けてくれますので、対象になるのでしたら早めに申告書の提出をされることをお勧めいたします。
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