子どもがイライラしている理由がわからない…よくある原因・イライラしやすい年齢
「親に向かって何なの?その態度は!」 イライラしている子どもに親が言いがちなNGワードも…
子どもがイライラしていると、親はどう接したらいいのか戸惑い、ストレスを感じてしまうもの。イライラの原因は様々ですが、特に次のような課題を抱えているとき、子どもはイライラしやすくなります。
■子ども同士の人間関係の問題を抱えている
気の合う友達がいない、友達とけんかしている、仲間関係がうまくいっていない、など。
■学校が合わない、行きたくない
学校が自分の個性と合わない、学校が遠すぎる、先生との相性がよくない、など。
■家庭の居心地が悪い
プライバシーを保てない、家族の干渉が多い、家族と気が合わない、など。
また、子どもにはイライラしやすい年齢もあります。代表的な年齢は次の3つです。
1. 第一反抗期(3歳前後)
子どもの自律性が育つ年齢。思う通りにやってみたいのに、できないことで葛藤が生じ、イライラしやすくなります。
2. 第二反抗期(思春期)
子どもから大人に成長する年齢。大人に指示されずに自分の考えで行動したいと思うようになるため、親にイライラをぶつけたりします。
3. 受験期
進むべき進路に迷ったり、志望校に入れるかどうか、あせりや不安が生じたりします。勉強の仕方や成績、態度について注意しすぎると、強く反発します。
子のイライラに逆効果! 親が言ってはいけないNGワード
何気ない一言が、イライラしている子どもを混乱させ、苛立ちをあおってしまうことがあります。親が以下のようなことを伝えたときに、子どもはどう感じるのかを考えてみましょう。「そんなにイライラしないで!」
怒りは自然に発生する感情であり、「イライラしないで」と言われても止めることはできません。無理に制止すると混乱し、逆にイライラが増してしまいます。
「親に向かってそんな態度をとるなんて」
怒りの気持ちを抑えられず、親に失礼な態度をとってしまうこともあるでしょう。ですが、それを否定されると、つらさを分かってもらえないことで、余計に反発心があおられてしまいます。
「そんな態度をとるなら、今後一切口をききません」
親から養育を放棄されたように感じられ、理不尽に感じてしまいます。「もうご飯を作ってあげないよ」「ここに置いて先に帰るよ」といった言葉についても、同様に感じます。
「そうなったのは、自分の責任でしょ」
たとえその通りであっても、改めてそう言われると、突き放されたように感じてしまいます。
「文句を言う前に、やるべきことをやりなさい」
「グチさえ言っちゃいけないの?」という思いでやるせなくなり、一方的に命令口調で言われることで、反発したくなってしまいます。
イライラ・反発心を否定するリスク・デメリット……親との会話拒否や嘘も
たとえ反抗的に見えていても、子どもたちは親のことを心から信頼しており、自分の気持ちを分かっていてほしいと願っているのです。しかし、そうした自分の気持ちを汲み取ってもらえずに上記のようなこと(NGワード)を一方的に言われてしまうと、子どもはとてもつらくなり、親との会話を拒否してしまうことがあります。また、無駄な叱責を受けないようにするために、嘘をついたり、ごまかしたりするようになることもあります。
したがって、子どもにイライラを向けられたときには、その態度を否定しないようにしましょう。「自分ではどうしようもできない感情を抱えているのだろう」と捉え、その感情に寄り添うことが必要です。
NGワードを言ってしまったら「素直に謝ること」が最善の対処法
上のようなこと(NGワード)をつい言ってしまったときには、「ごめん。今の言葉は言いすぎだったね」というように素直に謝りましょう。失言は誰にでもあることですが、その言葉に気付いたら、相手が子どもであってもすなおに謝り、訂正することです。これは「人としての正しい行動」を示すという意味でも、重要なことだと思います。イライラすることは誰にでもあるものですし、子どもは親の前だからこそ、イライラする気持ちを素直に出せているのではないでしょうか。「そんなに頭にくるほど、嫌だったんだね」というように子どもの怒りを受け止め、つらい気持ちをねぎらってあげましょう。それをせずに「イライラしないで!」などと叱責したり、命令したりしても、子どもは納得できないでしょう。
無理やり言うことをきかせようとすると、たとえ、子どもが表面的には従っているように見えても、心の奥では親に対する憎しみの気持ちをおぼえてしまいます。すると、子どもが成長するにつれて、子どもから距離を置かれてしまうかもしれません。
イライラは自然な感情!「お互いさま」の気持ちで受け止めよう
親自身にも、日ごろの生活の中で、無自覚のうちにイライラした感情を出してしまうことがあるはずです。そうしたときに子どもから注意されないなら、子どもは親の気持ちを思いやり、感情を刺激しないようにしてくれているのかもしれません。イライラするのも、お互いさまです。子どもがイライラしたときには、その怒りの奥にどんな感情があり、何を求めているのかを考えながら接していくとよいでしょう。すると、子どもいずれは他人の怒りの感情を受け止め、やさしく寄り添える子に育ってくれると思います。