持続化給付金や家賃支援給付金は所得税の確定申告の内容には含める、これが税務上の取扱いです。ただ、この給付金を申請した日で計上するのか、入金した日で計上するのか、どちらなのか頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。

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このいつの収益として計上するのか、ということについて、どう対応すればよいかをとりまとめてみました。
 

持続化給付金等の収益計上基準についての明文規定はない!?

まず、現段階において持続化給付金や家賃支援給付金を所得税や法人税の申告の内容には含めるのか、含めないのかの規定はあっても、持続化給付金や家賃支援給付金そのものだけを対象とした収益計上基準の取扱いは明文化されていません(2020年10月の執筆時点の情報であり、今後、追加発表される可能性はあります)。

そこで、現在施行されている法令等(通達を含む)の中で、それに類する規定をあてはめて判断することになるのですが、所得税法基本通達の中では(法人税基本通達内にも同様の規定があります)法令に基づき交付を受ける給付金等の処理という項目内において「雇用保険法、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律、障害者の雇用の促進等に関する法律等の法令の規定等に基づき休業手当、賃金、職業訓練費等の経費を補填するために交付を受ける給付金等については、その給付の原因となった休業、就業、職業訓練等の事実があった日の属する年分においてその金額が具体的に確定しない場合であっても、その金額を見積もり、当該年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。(以下略)」という規定があります。
 

収益計上は申請時?入金時?

したがって、持続化給付金や家賃支援給付金もこの取扱いに準ずるということになるのですが、持続化給付金の場合、支給申請をした後に審査が通れば、「持続化給付金の振込みのお知らせ」が送られてきますので、支給が確定する時期は、「持続化給付金の振込みのお知らせ」が届いた時点、ということになります。
 
個人事業主に届く「持続化給付金の振込のお知らせ」の見本 (出典:中小企業庁)

個人事業主に届く「持続化給付金の振込のお知らせ」の見本 (出典:中小企業庁)

 
したがって、個人事業主の場合、2020年12月に支給が確定したのであれば、入金が2021年1月にズレこんでも、未収入金として2020年の確定申告内容に含める、ということになります。
 

確定申告の作業前倒しが判断材料に

しかし、「持続化給付金の振込みのお知らせ」の記載には、審査がとおり支給が確定した日が明記されていませんし、「持続化給付金の振込のお知らせ」自体を破棄してしまった人もいるでしょう。

もちろん、新型コロナウイルスの影響を受け、売上が激減、あるいは家賃も払えない、という状況にあるからこそ、給付金を申請する人がほとんどなので、申請・入金がいずれも済んでいる状態であるのであれば、本年の申告内容に含めることは明らかです。
 
持続化給付金等は決算書の雑収入欄に明記します (図表:国税庁資料に筆者一部加工)

持続化給付金等は決算書の雑収入欄に明記します (図表:国税庁資料に筆者一部加工)



ですがその中には「給付金が入金されても、経営状況や所得控除の関係で課税所得が生じない」人もいるでしょうし、「確定申告よりも資金繰り」のほうが優先順位の高い人もいるでしょう。そのような人で、給付金や助成金の受給要件を満たすもののまだ申請していない方であれば、できるだけ早く申請手続きをするべきです。
 
したがって、受給要件を満たす給付金や助成金の申請が未済の個人事業主にとって現段階でいえることは
  • 年内申請・年内入金となるよう申請手続きを進める
  • 各種給付金や助成金の一部をあえて年明け申請とする
のかの2択です。
 
持続化給付金も家賃支援給付金も、2020年の月別の売上を把握し、昨年の申告状況と対比させることは基本中の基本となります。
  • 年内申請・年内入金となるよう申請手続きを進める
  • 各種給付金や助成金の一部をあえて年明け申請とする
で悩まれている方にとっては、月別の売上集計を含む経営状況の把握がこれらの判断材料を提供してくれる作業になりますので、確定申告書作成の作業を少し前倒ししてみてはいかがでしょうか。

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