結婚式・披露宴マナー

葬式、引っ越し、入籍……仏滅の日にやってはいけないこととは?

葬式・通夜、引っ越し、納車、お祝いの贈り物、入籍・結婚式など……シチュエーション別に、仏滅の日にやってはいけないこと、やっていいこと、一般的にやらなことなどを調べてみました。「仏滅だから縁起が悪い?!」と六曜を信じるも信じないもあなた次第です。

中山 みゆき

執筆者:中山 みゆき

冠婚葬祭ガイド

<目次>

仏滅の日にやってはいけないこと……そもそも「六曜」とは?

仏滅の日にやってはいけないこと

仏滅は物滅と表され、「あらゆるものを終わらせて、物事を始めるにはとても良い日」という考え方があります。つまり物事をリセットしてまた一から新しく始めるということなのです

六曜の言葉は知らなくても、大安や仏滅は聞いたことがある人は多いはずです。「その日は仏滅だから縁起が悪い、それなら大安の良い日にしよう!」など、特に大切なイベントの際は吉凶の日は気になるものです。

まず六曜とは、
  1. 先勝(午前は吉で午後が凶)
  2. 友引(朝、夕吉で昼が凶)
  3. 先負(午前中が凶で午後が吉)
  4. 仏滅(一日中凶)
  5. 大安(一日中大吉)
  6. 赤口(朝夕凶で正午のみ吉)
この6つのことで、カレンダーをよく見ると小さく書かれています。その中で仏滅は「滅亡する最悪の日」として、忌み慎むほうがよいといわれています。

葬式・通夜、引越し、納車、お祝いの贈り物、入籍・結婚式など……シチュエーション別に仏滅にやってはいけないこと・やっていいことを調べてみました。仏滅に避けた方がいいことは当然ありますが、六曜を信じるも信じないもあなた次第です。
 

仏滅にやってもいいこと

■葬式、通夜
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六曜と宗教は関係がなく、葬式、通夜は故人の冥福をお祈りすることなので仏滅でも問題ありません。

本来葬式、通夜は故人の冥福をお祈りすることです。六曜と宗教は関係がなく、仏教、キリスト教、神式ともに、仏滅に通夜や葬儀を執り行っても問題はありません。住む地域によっては、反対に仏滅に葬儀・通夜を執り行った方が良いとされています。

避けるべきなのはむしろ友引です。友引はこの字のごとく「友を引く」と書きます。故人と一緒に友人が連れていかれてしまうと考えられ、縁起が悪いと考えられています。実際、友引の日は多くの火葬場が休みで、葬儀後の火葬が行えません。

■お墓参り
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ご先祖様のお参りは、仏滅に関係なく都合の良い時にしましょう

一般的にお墓参りは、命日や月命日、お盆やお彼岸、年末年始に行います。仏滅の日にお墓参りへ行ってはいけないことはありません。仏滅にお墓参りに行ったから何か災いが起こるなんて、とんでもないです。ご先祖様のお参りは、都合の良い時にするのがよいでしょう。

むしろ避けたほうがよい日は、天気が悪い日やお盆やお彼岸の時期の混雑する期間です。雨が降ると足元が悪く、場所によっては移動中に怪我をするリスクや人が多くて込み合うと、ゆっくりと法要をお願いすることができません。

■引越し
吉日とされる大安に引越しする人が多い中、仏滅は新しいことを始めるのには向かない日と考えられています。そのために一般的に引越しが避けられる傾向があります。ですが考え方を少し変えれば、実は良い日でもあるのです。仏滅は一度最悪となった日から復活する、新しいことを始めるのに適した日だといわれています。このことから仏滅の引越しは悪いとはいえませんね。

■厄払い
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仏滅に厄払いをして、新しい人生に生まれ変わるのもよいものです

仏滅は一日中凶とされていますので、厄払いには縁起がよくないという考えの方は多いようです。しかし、そもそも神社とお寺は六曜に関係がなく、日本の仏教の宗派は六曜を迷信として否定しているため、お祓いをしても問題ありません。

むしろ仏滅の日は混雑なくスムーズにしてもらえるので良いかもしれませんね。厄払いに避けるべき日はありません。考えを改めて仏滅に厄払いをして、新しい人生に生まれ変わるのもよいのではないでしょうか。

■退院
「仏滅なんて縁起が良くないので、大安の日に退院したい!」って方、多いと思います。ですが入院期間が短くて、病床の回転率が高い病院ではそうも言っていられません。入院を待っている次の患者さんがいるので大安に退院するという希望は通らないのが事実です。実際に仏滅に退院してもお元気な方はたくさんおられます。
 

仏滅にやってはいけないこと

■お祝い品を贈る
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仏滅にお祝い品を贈ることは、あえて避けた方が無難です

結婚、出産、合格などのお祝い品を贈る場合は、昔から「縁起が良い日を選ぶのが良い」とされています。一番大事なのは受け取る側の気持ちを考えることです。縁起の悪い仏滅の日にお祝いの品物を受け取ると、嬉しいという半面、嫌な気持ちが残ってしまう人もいるでしょう。

中には気にされない方もいると思いますが、相手との関係性も考えて、祝福する気持ちがあるなら仏滅はあえて避けた方が無難です。
 

仏滅にやらない方がいいこと

■納車
「縁起が悪い→事故を起こす」といわれていることから、仏滅の日の納車はやらない方がよいでしょう。交通事故というものは、本人が気をつけていても避けられない事態になることもあります。もし万が一事故が起きてしまったら、と少しでも気になるのならやめましょう。

どうしても仏滅の日の納車でないとダメな場合は、車のお祓いをする方法もあります。車を境内に乗りつけてお祓いをしてくれる神社やお寺があるそうです。行けない場合は車のタイヤに塩をまき、お清めをすればよいそうです。また車両登録日を大安にしてもらうこともできるそうです。車屋さんに聞いてみてくださいね。後々悔しないようにじっくり考えましょう。
 

一般的にやらないこと  

■結婚式
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仏滅の日に挙式するのは、縁起が悪いという根拠は特にありません

「仏滅の日の結婚式」と聞くと縁起が悪いので、世間一般ではやらないことの方が多いです。人生の晴れ舞台でもあり、夫婦となる日にわざわざ縁起の悪い仏滅を持ってくるわけにはいかないでしょう。仏滅はすべてが滅び、むなしくなる日だとされています。特に親世代や祖父母世代は気にされる方が多いので、仏滅は避ける傾向があります。

ですが、縁起が悪いという根拠は特にないのも確かです。信じる信じないも結婚する本人たちが決めること。例えば「仏滅割引」など、仏滅ならではのサービスもあり、料金が安い、土日であっても式場の予約が取りやすいなどのメリットもあります。一般的にはやらないけれど、やっても大丈夫だということです。

■入籍
結婚式と同じように、「仏滅の日に入籍」するのは親世代には理解しがたいのが現状です。一般的に仏滅に入籍するカップルは統計的に少数です。

入籍する日は二人にとって大切な記念日。たまたま仏滅という縁起の悪い日と被ってしまったケースも少なくありません。ですが二人の気持ちの持ち方次第で、より良い新生活のスタートが切れるでしょう。「仏滅の日に入籍」したけれど、それが原因で別れたなんてことはないでしょう。もしそうだとしても、あまり意味もないこじつけはよしましょう。


いかがでしたか? 「仏滅だから縁起が悪い?!」と六曜を信じるも信じないもあなた次第です。実際、中国からきた思想で仏教的には意味はありません。特別なことはしなくても、普通に過ごせばいいのです。

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