卵巣機能の低下が「更年期」の始まり
卵巣が女性ホルモンを出す力が弱まり、更年期が始まる
卵巣機能が低下すると、女性ホルモン不足による様々な不調が起きてきます。のぼせ・ほてり・イライラ・不眠などのいわゆる「更年期障害」と呼ばれる症状が出たり、骨密度が下がったり、コレステロールが上がったり、といった日常的な不具合が起きてくる可能性があります。
卵子の数は胎児期をピークに年齢とともに減少、37歳を過ぎて急激に下降
卵子の数も閉経に向かって減少していく
この、卵子の数の低下に伴って、女性の妊娠しやすさは、おおよそ32歳位までは緩やかに下降していき、卵子数の減少が加速するのと同じく37歳を過ぎると急激に下降していきます。
まれに、卵子の数が、本来の年齢的減少のペース以上に失われていく場合があり、40歳未満で閉経状態になってしまうことを「早発卵巣機能不全」といいます。卵子の数の目安となるのが抗ミュラー管ホルモン(AMH)の値であり、血液検査で確認することができます。
卵子の「質」が低下するのは35歳頃から
卵子の染色体異常の割合の上昇に伴い、流産率も上がる
卵子の老化は、染色体異常の割合だけではなく、卵子の「膜」の硬さにも変化が起こりえます。年齢とともに卵子の「膜」が硬くなるため、受精率も着床率も低下していきます。トータルで見て、卵子の老化は妊娠率を下げるということになります。
ただし、卵子の「質」が低下しても、卵巣機能が保たれていれば、日常生活上の支障は特に発生しません。女性ホルモンがある程度保たれていれば、卵子の「質」が低下しても体調不良は出現しないのです。そのため、特に不調がなく月経が定期的に来ていると、45歳を過ぎても「まだまだ普通に妊娠できる」という勘違いが発生してしまうことがあります。
卵子の老化は、日常生活の習慣によって「加速」してしまうことはあっても、緩やかにしたり、止めたりすることはできません。多少の個人差はあっても、年齢とともに卵子は老化していくものなのです。
およそ35歳から、様々な意味で「卵巣の働きや卵子の質」が低下していき、「妊娠には向かない状態」に変化していくのだという事実をしっかりと理解して、自分の卵巣と、どのように付き合っていくのがベストなのかを考えていくことが重要でしょう。
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