卵巣機能の低下が「更年期」の始まり

卵巣が女性ホルモンを出す力が弱まり、更年期が始まる

卵巣が女性ホルモンを出す力が弱まり、更年期が始まる

卵巣の働きは年齢とともに低下していき、平均的には51歳くらいで閉経を迎えます。卵巣が女性ホルモンを出す力を「卵巣機能」と呼んでおり、35歳くらいから徐々に低下が始まり、45歳を過ぎるころから急激に卵巣機能が低下していきます。この、急激に卵巣機能が下がっていく、つまり、女性ホルモンが減少していく時期が「更年期」の始まりです。

卵巣機能が低下すると、女性ホルモン不足による様々な不調が起きてきます。のぼせ・ほてり・イライラ・不眠などのいわゆる「更年期障害」と呼ばれる症状が出たり、骨密度が下がったり、コレステロールが上がったり、といった日常的な不具合が起きてくる可能性があります。
 

卵子の数は胎児期をピークに年齢とともに減少、37歳を過ぎて急激に下降

卵子の数も閉経に向かって減少していく

卵子の数も閉経に向かって減少していく

女性の年齢変化と卵子の「数」についても、同様に閉経に向かって減少の一途をたどります。卵子の数は胎児期(自分の母親が妊娠20週の頃)に600~700万個と一番多く、出産時期になると200万個までに減少します。さらに思春期から生殖適齢期には30~50万個に、37歳くらいまでに2万個に、閉経時期の51歳までには1000個程度にまで減少するのです。

この、卵子の数の低下に伴って、女性の妊娠しやすさは、おおよそ32歳位までは緩やかに下降していき、卵子数の減少が加速するのと同じく37歳を過ぎると急激に下降していきます。

まれに、卵子の数が、本来の年齢的減少のペース以上に失われていく場合があり、40歳未満で閉経状態になってしまうことを「早発卵巣機能不全」といいます。卵子の数の目安となるのが抗ミュラー管ホルモン(AMH)の値であり、血液検査で確認することができます。
 

卵子の「質」が低下するのは35歳頃から

卵子の染色体異常の割合の上昇に伴い、流産率も上がる

卵子の染色体異常の割合の上昇に伴い、流産率も上がる

さらに、卵子の質の低下(染色体数の異常)については、35歳頃から数(本数)が異常な染色体の割合が上昇するため、この時期から流産率が徐々に上がっていきます。染色体異常が発生する割合が多いほど、妊娠率が低下して流産率が上昇するため、一般的な統計データでは40歳を過ぎると妊娠率の低下も流産率の上昇も加速し、45歳以上でさらに顕著になります。

卵子の老化は、染色体異常の割合だけではなく、卵子の「膜」の硬さにも変化が起こりえます。年齢とともに卵子の「膜」が硬くなるため、受精率も着床率も低下していきます。トータルで見て、卵子の老化は妊娠率を下げるということになります。

ただし、卵子の「質」が低下しても、卵巣機能が保たれていれば、日常生活上の支障は特に発生しません。女性ホルモンがある程度保たれていれば、卵子の「質」が低下しても体調不良は出現しないのです。そのため、特に不調がなく月経が定期的に来ていると、45歳を過ぎても「まだまだ普通に妊娠できる」という勘違いが発生してしまうことがあります。

卵子の老化は、日常生活の習慣によって「加速」してしまうことはあっても、緩やかにしたり、止めたりすることはできません。多少の個人差はあっても、年齢とともに卵子は老化していくものなのです。

およそ35歳から様々な意味で「卵巣の働きや卵子の質」が低下していき、「妊娠には向かない状態」に変化していくのだという事実をしっかりと理解して、自分の卵巣とどのように付き合っていくのが自分自身にとってベストなのかを考えていくことが重要でしょう。

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