新型コロナの影響で失業したサラリーマン、自営業であれば大幅な減収など、今後の年金保険料の支払いが難しい方もおられるかと思います。今回は失業や収入が下がった場合の年金保険料の免除制度について触れてみたいと思います。

《目次》
サラリーマンが失業すると年金保険料を自分で支払う必要があります
国民年金には保険料を免除・猶予する制度があります
免除を受けるには申請用紙の提出が必要です
失業による免除申請の場合は審査が通りやすい
新型コロナによる収入減少に対する特例免除制度が新設されています
まとめ
 

サラリーマンが失業すると年金保険料を自分で支払う必要があります

通常サラリーマンであれば厚生年金に加入しており、会社から厚生年金保険料を引き落とされているかと思います。その中には国民年金保険料も含まれているため自ら保険料を支払うことはありません。しかし失業した場合は国民年金のみの加入者となるため月額16,540円(令和2年度)の保険料を自分で納める必要があります。
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失業・減収の場合の年金保険料支払いはどうする?


失業中のため負担が大きいからと国民年金保険料を未納にすると将来受け取る年金は減額されますし、年金受け取りに必要な受給資格期間(国民年金に10年加入が必須)が満たされない場合は将来の年金自体が受け取れなくなります。また本来ならもらえるはずの障害年金や遺族年金が支給されない場合があるなど未納は避けておきたいものです。
 

国民年金には保険料を免除・猶予する制度があります

国民年金には収入が少ないなどの理由で保険料を納めることが困難な場合、保険料の免除もしくは支払いを猶予してくれる制度があります。免除には全額免除と一部免除があり、認められている間は受給資格期間としてカウントされますし将来受け取る年金額にも反映されます。

また猶予については認められている間は受給資格期間として反映されますが、将来受け取る年金額には反映されません。
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国民年金の免除・猶予制度(日本年金機構HPから筆者作成)


なお免除や猶予を受けている間にケガや死亡した場合には、障害年金や遺族年金の対象になりますので、未納とする前に免除・猶予制度を活用しておきたいところです。
 

免除を受けるには申請用紙の提出が必要です

免除を受ける際には、お住まいの市区町村の国民年金担当窓口に備え付けの申請用紙(国民年金保険料免除・納付猶予申請書)を提出する必要があります。免除の審査では申請された内容をもとに本人・配偶者・世帯主の前年の所得(注1)を参考とし、全額免除、一部免除(4分の3免除、半額免除、4分の1免除)の審査・承認が行われます。

注1:1~6月の間に受ける場合は前々年の所得が参考にされます。
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日本年金機構パンフレット抜粋


なお免除を受けた期間について、将来収入が増えた場合には10年以内であれば追納して年金額を増やすことが可能であることも覚えておきましょう。
 

失業による免除申請の場合は審査が通りやすい

本来、免除を受ける際には「本人・配偶者・世帯主」の前年所得が参考にされるのですが、失業による免除申請(特例免除)の場合、本人の前年所得には関係なく失業の事実を証明する書類(雇用保険受給資格者証、雇用保険被保険者離職票)と「配偶者・世帯主」の前年所得のみを参考に承認審査が行われ、本来の免除申請よりも審査が通りやすくなっています。

例えばパートとして働く奥様と2人暮らしの家庭の場合、前の年に本人が高額所得を得ていたとしても、失業の事実があるかどうかと前の年の奥様の所得のみで審査が行われるわけです。

なお申請時点から2年1カ月前までの期間について未納がある方は、さかのぼっての免除申請もできるようになっていますので過去に失業し現在から2年1カ月前の間に未納期間がある方も免除申請されることをお勧めいたします。
 

新型コロナによる収入減少に対する特例免除制度も新設されています

新型コロナウイルスの影響により自営業で収入減少となった方も多いかと思います。そのため臨時の特例措置として令和2年2月から令和3年6月までの国民年金保険料について特例免除制度が新設されました。

申請には通常の免除申請用紙(国民年金保険料免除・納付猶予申請書)に加えて所得申立書(簡易な所得見込み申立書)の提出が求められます。
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簡易な所得見込み額の申立書


なお審査では申請者本人の令和2年2月以降の任意の月の所得を12カ月に換算した見込み額と、配偶者・世帯主の所得見込み額が免除(全額・一部)基準に該当するかどうかを参考に審査・承認が行われます。

なおこの場合も免除を受けた期間について、将来収入が増えた場合には10年以内の追納が可能であることに変わりはありません。
 

まとめ

いかがでしたでしょうか。新型コロナウイルスによりサラリーマンが失業した場合や自営業者で収入が減少してしまった場合でも年金保険料は納付する必要があります。しかしながら現在の生活にも困窮する状態では実際のところ保険料どころではないでしょう。

とはいえ、将来の年金はできるだけ多く受け取れるようにしておきたいところです。国民年金保険には免除制度がありますので未納にする前に免除申請を考えることをお勧めいたします。

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