2020年4月、小学校で英語が教科に!

子供たちが小学校で学ぶ英語学習は、2020年4月に大きなステップがあり、全ての公立小学校で英語が必修化されました。3・4年生は「外国語活動」として週1回学びます。5・6年生で学ぶ英語がついに「教科」になりました。正確には「外国語(英語)」という表記です。
 
2020年度英語教育必修化! 3・4年生は「外国語活動」として週1回学び、5・6年生ではついに「教科」へ

2020年度英語教育必修化! 3・4年生は「外国語活動」として週1回学び、5・6年生ではついに「教科」へ

しかし、4~6月は新型コロナウィルスにより多くの小学校が臨時休校であったため、主にプリント教材が渡されており、その教材の内容は、アルファベット大文字・小文字や、単語・短文を書くというものがほとんどでした。

また、ALT(外国語指導助手)が、テキストの内容をオリジナルスキットにしてケーブルテレビや制限されたYouTubeでオンライン動画を配信したり、ごく一部ですが、先駆的にオンライン授業にICTに取り組んで工夫している小学校もありました。

プリントやオンラインでは、教室で行うような英語授業の効果は期待できませんでしたので、学校再開によりようやく正式に授業が始まったといえるでしょう。
 

英語が教科になるまでの流れ、34年もかかっている!

私の気持ちを率直に述べると「ついに、ようやく、やっと……」という気持ちです。小学校の英語教科化までに非常に多くの時間・労力・お金が費やされました。時間の流れに沿ってみていきましょう。年代を書くと以下のようになります。
 
  • 1986年 臨時教育審議会答申。小学校の英語教育について検討が提言された。
  • 1992年 「国際理解教育の一環としての英語教育の研究開発校」が設置。大阪市の真田山(さなだやま)小学校、味原(あじはら)小学校で始まった。
  • 1993年 さらに研究開発校が2校指定された。
  • 1994年 研究開発校が全国にさらに12校設置された。岐阜県生津小学校が全国初の「外国語(英語)学習」の研究開発校。
  • 1996年 全国に34校の研究開発校が設置された。
  • 1998年 次期学習指導要領の告示
  • 2002年 学習指導要領の中に「総合的な学習の時間」の設置。これにより、国際理解教育の一環で「英語教育」がスタートした。
  • 2006年 スキルより、コミュニケーション能力を重視
  • 2008年 次期学習指導要領の告示
  • 2009年 副読本「英語ノート1&2」を文部科学省が発行。初の副読本になる。
  • 2011年 「小学校高学年で外国語(英語)が必修化」「小学校外国語活動」として実践
  • 2012年 「Hi, friends! 1&2」文部科学省発行の副読本で指導されている。
  • 2017年 次期学習指導要領の告示
  • 2018年 2年間の移行期:副読本「Let’s Try 1 & 2」「We Can1&2」
  • 2020年 新学習指導要領の実施。高学年において年間70時間(週2回)の「教科」となり、中学年から年間35時間(週1回)「外国語活動」が完全実施。教科書は2019年9月に発表された。各地区で採択。
昭和~平成~令和と、実に34年もかかっていますね。それだけ、小学校で英語が教科になることは慎重に議論されてきたのです。ちょうど34年前は、私が児童英語講師として英語教室を主宰し英語を教える仕事をスタートした頃です。当時は「小学校英語教育」という言葉すらありませんでしたね。当時、偶然にも地域の小学校から声がかかり、私は少しずつ小学校で教え始めて現在に至っています。
 

「教科」の外国語(英語)は成績が付く!

小学校の英語教育必修化により、5・6年生の外国語教科では成績が付く

小学校の英語教育必修化により、5・6年生の外国語教科では成績が付く

2020年4月からの英語教育には特徴が2つあります。

1つ目は成績が付くこと。高学年児童には、国語や算数と同じように成績が付きます。多くの小学校の通知表の表記は、「◎、〇、△」(または、A,B,C)の隣に記述式の評価があります。

例えば、
「英語の身近な事柄について、聞いたり、話したり、積極的に参加している」◎
「外国の文化を知り、理解して、主体的に英語でコミュニケーションを図ろうとしている」〇

というような形で、具体的な内容が記述してある隣の欄に◎、〇、△などと評価されます。また、一人の子供の評価方法は一面的ではなく、多面的に行われており、総合的な判断で、◎、〇、△が選択されています。

英語力というと、聞いたり、話したりする知識や技能に意識が向きがちですが、新学習指導要領の下、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的」の3つに分けられて、それぞれの総合的な評価になっています。
 

英語必修化により、読むこと、書くことも学ぶ!

2つ目は、これまで「聞くこと・話すこと」が中心だった英語授業に「読むこと・書くこと」が加わります。つまり4技能すべてが教えられることになりました。

新学習指導要領によると、小学校の英語教育の読み書き能力については、5年生で大文字、小文字、単語ぐらいで、6年生で文章を書き写したり、書いてみたりする程度です。まだまだ書く段階とはいえず、書いてみる段階です。

公立小学校の教育ではあまり高いレベルを設定するわけにはいかず、すべての子供たちが到達できるようなレベル設定になっています。
 

聞くこと、話すことの期待値がレベルアップしている!

特徴的な活動にSmall Talk(スモールトーク)があります。スモールトークとは、ちょっとしたたわいもない話、雑談、おしゃべりです。初めて会った人でも、天気の話や最近のニュースについて雑談できると場がなごみますよね。

小学校の英語授業では、先生の話を英語で聞いて理解したり、子供同士ペアになって1分間ほどの会話をしたりするのです。使う言葉はもちろん英語。覚えたフレーズをフルに使って、相手と楽しくおしゃべりする練習です。お互いに相槌をうったり、共感したりします。コミュニケーション能力を高めるられるようなSmall Talkです。
 

英語教室・英語塾通いの子供は増える

保護者としては、成績が付くのは気になりますね。私は英語教室や英語塾に通う子は今よりも増えると考えています。正しく読む、正しく書くことが目標になると、習っている子供のほうがすんなり読めますし、はやく書けます。英語は慣れることが大事だと言われますから、家庭でも英語に触れておくことは良いことでしょう
 

英語力を測る試験は色々あるが、テストのための学習では意味がない

子供の英語力を測るテストは色々ありますが、断トツで受検者が多いのが英検Jr.です。やっぱり気になるのは子供の英語力ですね。客観的に見たときの具体的なレベルの数字を知りたいところです。

しかし、英検Jr.の受検を目的としてしまったり、他にもある英語力テストのための学習になってしまうのは避けたいですね。子供のモチベーションを高めながらチャレンジする精神を養うことを目標にしてみてはどうでしょう?

子供の英語力テスト・試験一覧、英検Jrほか11種!」では、英検JrやTECS英語コミュニケーション技能検定試験など……子供の英語力はどのくらいかを測るテストとその内容を紹介していますので参考にしてください。

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