7歳で英検2級合格! 多読と多聴で実力をつけた小1女の子

「多読」と「多聴」で実力をつけた小1の女の子が英検2級に合格

「多読」と「多聴」で実力をつけた小1の女の子が英検2級に合格

先日、日本英語検定協会の英検2級に小学1年生の女の子が合格したというニュースが流れました。この子は幼児のときに既に英検3級、準2級を取得していたそうです。

以前から低年齢で英検に合格する子どもは多からずも存在していましたが、その多くは海外で英語教育を受けてきた「帰国子女」です。今回の女の子は帰国子女ではないため、国内で英語の語彙・文法・文構造・発音をしっかり学んだのでしょう。国際結婚家庭のため、ご両親も英語教育を積極的に取り組んでいたと思われます。「多読」と「多聴」で実力をつけ、英検の試験対策を十分に行ってから挑戦したその学ぶ姿勢は本当に素晴らしいものです。

幼少教育が盛んな今、英語教育にも力を入れるご家庭が増え、英検取得も低年齢化が進んでいます。子ども達を取り巻く教育環境と英検取得のメリット・デメリットについて考察します。
 

進む英検取得の低年齢化の背景

英検取得の低年齢化の背景のひとつとして、英語で教育を受ける「インターナショナル・プリスクール」が2000年前後から増えてきた影響があります。国内にいながら、帰国子女と同じような英語環境で過ごすわけですから、圧倒的な量の「聞く・話す・読む・書く」の英語4技能が習得できます。

英検に受かるための教育を受けているわけではありませんが、基礎的な英語力が身につくため、個人で試験対策として問題を解く練習をすれば十分合格できるのでしょう。さらに卒園後も小学校に通いながらアフタースクールで英語で学び続けることで、低年齢での英検取得がますます進むことになります。

一方、このようにインターに通わずとも、現在は優れた英語教材が非常に増えています。中でも、語彙のインプット量を増やす音声付き、またはDVD視聴できるタイプの英語絵本「多読」シリーズは英語力を着実に伸ばします。物語を通して少しずつ語彙を増やし、段階を追うごとに様々な表現が増えていくシステムであるため、初めはイラストで理解しながらも、繰り返される文法構造や表現を自然に習得していけるのです。

例えば、文法の「If I had a ~, I'd……」(もし~を持っていたら、……するだろうに)という仮定法は現在高校で学びますが(2021年4月からは中3新英語教科書へ)、多読絵本でその文法に幼児の頃から親しめるのです。英検2級に合格した彼女も、ずばり「多読」で勉強されたそうですね。

この他にも子どもの英語力を伸ばす教材が種類も数も非常に増え、手軽に安価に手に入るようになりました。子どもにとって楽しい遊びが「たまたま英語だった」なんていうことも。注目のプログラミング教育でも英語が必要な場面が多くあります。
 

国の目標は「中3で英検3級合格50%」

一方、現在、国をあげて目指す英語力は「中3で英検3級の取得」です。ところが全国で英検3級を取得している中3は全体の3~4割ほどで、各市の取り組みによって合格率が大きく変わっています。

例えば全国平均と比べダントツのさいたま市は平成30年度「英語教育実施状況調査by文科省(H30.12.1時点)」で市内の中3の75.5%が英検3級相当の英語力があると発表しています。75.5%という数字には英検3級相当の英語力があるという「みなし」評価も含まれるため、確かな数字とはいえないまでも、英語教育に熱心に取り組んだ成果がこの数字になったのでしょう。さらに、令和元年(2019)度の同様の調査で岐阜市が市内の中3の85%以上が英検3級水準以上の英語力があると発表しています。

学校教育においても英語力アップにかなりテコ入れしているので、子どもを取り巻く英語教育はますます熱心に行われています。
 

2021年度から大きく変わった大学入試「共通テスト」の英語試験

さらに昨年度までは「センター入試」と呼ばれていた試験が、2021年度入試から大学入学「共通テスト」となり、英語試験も新しくなりました。

共通テストの英語の試験は、4技能の試験の導入について、実施されるまでもめにもめていましたが、蓋を開けてみると「リスニング」と「リーディング」の2技能試験に。以前と大きく変わったのは、リスニング50%、リーディング50%という配点です。

リスニングは一夜漬けの学習では身につくものではありません。大学受験関係者によると、リスニングがアウトだと点数が伸びませんから、受講生には、聞かせて、音読させて、再度聞かせて……と必死に指導されたそうです。
2021年度入試から導入された大学共通テストの英語ではリスニングの配点が50%に

2021年度入試から導入の大学共通テストの英語では、リスニングの配点が50%に

先述の多読絵本などを通じて小さい頃から英語の文章を聞き慣れることは、共通試験のリスニングにもいい対策になるでしょう。英語を聞きながら場面のイメージが浮かぶようになると、正しい答えを選ぶことも容易にできるようになります。

私の英語レッスンでは絵本の読み聞かせをしながら、そのページを開いてもらうゲームをよくしますが、子どもたちは瞬時にその場面を頭に浮かべ当ててくれます。幼い子どもが英単語そのものを暗記するのは難しいですが、絵本を楽しみながら英語に触れ続けていれば、苦手意識をもつことなく英語力が育っていきます。

多読と多聴で実力をつけた7歳の女の子はこのプロセスがしっかりできているのでしょう。英検2級の内容が7歳の子どもの思考に合っているのかどうかは疑問ですが、英検2級合格を目指して日々努力した彼女の集中力と意志の固さは見習うべきものです。
 

低年齢での英検取得におけるデメリットとは? 英検は受検すべき?

実力試しの英検受検にはメリットありです。また、その後も続くさまざまな英語試験にもチャレンジする気持ちが生まれるので、機が熟したら低年齢でも受検するとよいでしょう。子どもにとってはまだまだゲーム感覚です。

ただし、試験の内容がその年齢の子の思考に合っているかどうか、解答テクニックで答えてしまわないか、早期に取得して意味があるのかどうか、親の不安や心配から早期英語教育に拍車がかかりはしないか、など議論の余地はあります。しかし、子どもにとって心配するようなデメリットはないでしょう。

実際、早くから英検に挑み続けて、小学生(帰国子女も含む)のうちに英検1級を取得した子どもたちもいます。英検1級は語彙がとても難しいため、全てを覚えてはいないようですから、一部テクニックで解答しているかもしれません。低年齢化している受検も、子どものチャレンジ精神を養ったり、学習意欲を喚起したりできるいい機会になると思いますから、タイミングをみてチャレンジさせてあげるといいでしょう。

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