子どもの英語教育でよく耳にする「チャンツ」を知っていますか? 特に、子どもたちはチャンツリズムに乗った単語や英文を聞いたまま真似しますから、自然にきれいな抑揚のある発音を身に付けていきます。
 
チャンツ

チャンツとは、一定のリズムに英単語や英文を乗せて発音する指導で、リズムに乗って楽しく英語を学べる

   

チャンツとは?

チャンツとは、一定のリズムに英単語や英文を乗せて発音する指導です。歌とは違って、チャンツには「うまい、へた」がありませんから、誰でもリズムに乗って、楽しく英語を声に出して言うことができます。

チャンツは子どもだけに有効な方法ではなく、大人でも「楽しく発音トレーニングのできる方法」なのです。日常英会話の場合、最初は単語から練習をして、次にチャンク(*チャンクとは、play baseball, play the pianoなどの複数の単語でできた意味のかたまりのこと)など、短い文をチャンツのリズムに乗せて言うと良いでしょう。また、チャンツに慣れてきたら、決まったリズムの中にできるだけ長い英文を入れて言うと、だんだんナチュラルスピードで英文を言えるようになります。
 

チャンツを有名にしたのは?

子どもの英語教育において、「チャンツ」というと真っ先に浮かぶのがキャロリン・グラハム氏です。特に、彼女が作ったJazz Chants for Children(1979)が有名なところです。子どもにとって発音練習は単調でつまらないものになりがちです。英語を英語らしく、子どもが飽きないような楽しい方法で発音練習をさせたいという指導者側の工夫した指導方法がチャンツなのです。

子どもの英語学習で「歌とチャンツ」を基礎に作られているLearning World(アプリコット社)というコースブックがあります。1995年に発刊されて現在は改訂版になっているロングセラーのシリーズです。英会話などの文章をチャンツにしてあるので、子どもたちがノリノリで発音しやすく覚えやすいのです。
 

文科省作成の英語副読本「We Can ! 1&2」にもチャンツが多い

チャンツ

2020年4月から全国の小学校高学年の英語は教科「外国語」に

2020年4月から全国の小学校高学年の英語は教科(外国語)になりますね。例えば、教科までの移行期の2年間で使われた副読本で、6年生の使っているWe Can! 2には、Unit 1からUnit 9までに♪Let's Chantのコーナーが7つあります。いくつかご紹介しておきますね。

We Can ! 2 にあるチャンツの種類
  1. Welcome to Japan.(U2)
  2. I like my town.(U4)
  3. Summer Vacation (U5)
  4. Do you want to watch baseball? (U6)
  5. What's your best memory? (U7)
  6. What do you want to be? (U8)
  7. What do you want to do in junior high school? (U9)

歌はありません。子どもの英語教育では、歌は欠かせない教材なのですが、小学校高学年児童たちは、歌を歌うことを恥ずかって、なかなか歌ってくれません。そこで、歌の上手下手が関係ないチャンツで、リズム良く英語を話せるよう、ノリノリのリズムで英語らしく話す練習をします。ラップみたいにうまく言えるとカッコイイ!と感じてくれればしめたものです。この練習のあとに、英会話のやりとり活動をしたり、言葉を変えて使ってみたりします。We Can ! 2のチャンツはすべて文章なのが特徴です。
 

チャンツは長い英語文章でも練習できる!

決まった一定のリズムのチャンツの利用法として「3段階の発音ステップ」を作りましょう。教えやすい方法ですので、やってみてください。

●ステップ1:単語のみをチャンツリズムで繰り返し練習します(ボキャブラリーチャンツ)
新しい単語を覚えるときに良い方法となります。例えば、動物の名前でしたら、単純にelephant、dog, cat, mouse, koala, bearなどをリズムの乗って発音します。

●ステップ2:チャンク(かたまり)をチャンツリズムで練習します
単語に、サイズ、色などを付けて言うようにします。a big elephant, a white dog, a black cat, a small mouseなどです。play tennis, play soccer などのように動詞も付けてもチャンツができます。

●ステップ3:文章をチャンツリズムで練習します(グラマー(文法)チャンツ)
子どもは「丸ごと1つのかたまり」として英語を覚えますから、長い文章でも平気です。同じテンポのチャンツリズムで、以下の文章を簡単に言えるようになりますよ。

例えば・・(4拍子の中で)
I see a big elephant.
I want to see a big elephant.

このように、徐々に言う文章を長くしていけば、英語を速く言えるようになり、発音の練習にもなります。知らない間に楽しみながら英語を学んでいた、ということになりますね。子どもたちに英語を教えるときに、苦労するのは集中力の維持です。慣れてくると飽きるのが早い子どもたちなので、いかに楽しませながら、効率的に英語リズムのセンスを養ってもらえるのか、いつも考えながらのレッスンです。チャンツはとても便利な方法ですね。
 

チャンツをさらに応用すると

英会話の文章をチャンツリズムで練習することができます。この場合は「2段階の英会話ステップ」を作りましょう。

●ステップ1:英会話文を聞いたまま発音練習したり、文字を見て発音練習したりします
英会話ですから、言葉のやりとりがあるのでペアで活動をすると良いでしょう。この段階では文章をまねて言うだけで構いません。手順ですが、「先生と子どもたち」⇒「先生と子ども一人」⇒「子どもと子ども」の順番で見本を見せて行き、最終的にペアで英会話ができるようにします。

●ステップ2:ジェスチャーを付けて発音練習をします
ステップ1を動作なしで練習したら、次は言葉にジェスチャーを付けて発音します。ジェスチャーは子どもたちに任せましょう。いろいろなジェスチャーを付けると楽しく学ぶことができます。身体を動かせば大脳が動くと言われていますから、子どもたちの記憶に英語らしいリズムをしっかり残していきましょう。

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