子育て

父と娘の対立……なぜ、長女とパパはぶつかり合うことが多いのか?

「パパは娘には甘い」という話もよく聞きますが、一方で、「パパと娘がケンカになりやすい」というお話も耳にします。そこで今回は、父と娘の対立、とくに一番上が女の子の場合のケースをクローズアップし、親子げんかに陥りやすい状況について見ていきたいと思います。

佐藤 めぐみ

執筆者:佐藤 めぐみ

子育てガイド

父と娘が対立するときによく見られる状況や要因とは?

父と娘の対立

ずっとこういう関係が続いていってほしいけれど……

「パパは娘には甘い」という話をよく聞きます。とくに小さいうちは、目の中に入れても痛くないほどに娘を溺愛しているパパもたくさんいるようです。しかしそれは永遠には続かず、ある時期を過ぎたら、父娘げんかが増えてきたというお話も耳にします。

そこで今回は、娘とパパの対立、とくに一番上が女の子の場合のケースをクローズアップし、親子げんかに陥りやすい状況について見ていきたいと思います。
 

<目次>
 

長女と夫がけんか、上の子には厳しくなりがち?

一般的なイメージでは、父親は娘には甘く、息子には厳しくという印象があります。もちろん息子への厳しさは同性ゆえの愛情なのですが、なかにはこんなお話も……。

「上の娘はふだんはパパと仲が良く、休みの日は一緒にお風呂にも入ります。でもちょっと娘が気分が乗らなかったり、不機嫌だったりすると、夫がカチンときてケンカになります。私自身も長女で、父親とはそんな関係だったのですが、これはよくある話なのでしょうか」

長女とパパとの対立。第一子ということでの期待感の高さで、こうすべきだ、こうすべきでないというのがついつい強く出てしまうことは考えられます。また、上には厳しく、下には甘くというのもよく聞きますが、二人目が生まれると、きょうだい間での比較を気づかずにしてしまい、その傾向が余計に加速してしまうこともあるようです。

成長とともに、娘はどんどん生意気になるのに、下の子はまだ幼稚で可愛い盛り。きょうだいの中での位置により、親の態度が変わってしまうのは、もちろん接し方としては推奨はされませんが、現実問題、起こりがちなケースと思われます。
 

ママ派につく娘、「私の子になにするの!」のママ

ただ、「きょうだいがいると、上の子にはつい厳しくなりがち」というのは、上のお子さんが男の子であっても、女の子であっても、どちらでも起こりうる話。「女の子」という視点で見ると、また別の理由もありそうです。よく聞くのは、家庭の中での派閥のようなもの。たとえば、

「うちは、上が娘、下が息子の4人家族で、男と女で2対2みたいな構造にもなりやすいです。ケンカをしているシーンでなくても、娘は“ママ派”でなにかと私側につきたがります」

お子さんが男の子も女の子もいらっしゃるご家庭では、ある程度の年齢になってくると、なんとなく“ママ組”と“パパ組”になってくるというケースは割と見られます。ここにある例のように、娘がママ側にくっつき、家庭内で、男グループ、女グループが存在すると、言い争いになったときなどに、「男VS女」のような構図ができあがり、余計にパパと娘が対立することが増えてしまうのかもしれません。

またこういう状況になったときのママの捉え方にも、ある傾向が見られ、たとえば、パパが娘を強く叱ったりすると、母親として黙っていられず、「怒らないでよ、私の子に!」的な気持ちになる方も多いようです。

「自分がすごい剣幕で怒るのは、まぁいいんです。でも夫がそうすると、『ちょっとやめてよ!』みたいに思う自分がいます」

バランスが崩れた見方であるのはたしかなのですが、でもこれは育児のあるあるでもあります。もちろん正論で言えば、「平等に見られていない」ということになるのですが、「思い当たる節あり」と感じた方も多いのではないでしょうか。

そもそも、家庭内のちょっとした口論自体が感情的なエスカレートによるものが大半なので、余計にこのような見方が前面に出てきてしまうのでしょう。

「自分のことはさておき、パパには黙っていられない」
「自分はいいけど、夫はダメ」

不平等とは分かっていても、実際に経験する方が多い、リアルな姿でもあります。
 

父子の対立を減らすためにできること

ここまで、「パパと長女」にフォーカスを当ててきましたが、みんながみんなトラブルに陥るわけではないですし、いい関係でいるご家庭もたくさんあります。ただ、私がこれまで見聞きした中で、父子が対立してしまいがちな例で多いのは、パパの小言が多い場合です。これは女の子だけでなく、男の子でも非常によくある話です。

たとえば、

「せっかくの食事の時間なのに、パパが子供に注意ばかり。箸の持ち方がなってない、こぼすな、だまって食べろ……、楽しい空気があっという間に台無しです」

「サッカーを教えてくれるのはいいのですが、とにかくほめない。できていないことばかり注意するので、子供がパパとはやりたくないと言い出す始末。大好きなサッカーなのに……」

子供をしつけたり、礼儀作法を教えたりするのは、親の大事な役目です。しかし、そこには子供との確固たる絆が必要です。子供は、絆で強く結びついている人から、言うことを聞こうとするからです。

一般的に、子供は0歳のときにママとのアタッチメントをまず形成し、その後、パパとの絆を育んでいくことが多いのですが、それは一緒に過ごす時間とも比例しています。もし、ふだん子供と接する時間が少ないパパが、絆もそこそこのまま、小言を言ったり、しつけにうるさかったりすると、子供と対立することはとてもよくあります。絆がきちんとあってこそのしつけなのに、顔を見れば小言、これでは子供が聞く耳を持てなくなってしまいます。

一緒にいる時間が増えると、子供のあれもこれも気になるという方も多いと思いますが、まずは一緒に遊ぶこと、それが絆促進にもなり、対立緩和にもつながります。その際は、順位を競う遊びではなく、協調性が求められる遊びがおすすめです。工作やお料理など、一つの物を共同で作る工程は、絆づくりに最適なので、ぜひトライしてみてください。

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