柔軟剤の効果とは……正しい使い方できていますか?
柔軟剤の正しい使い方や効果
そもそも柔軟剤の役割や効果とは?
柔軟剤は「生地を柔らかくする」ことと「においケア」が代表的な役割として知られますが、主に5つの効果を得ることができます。・生地を柔らかくする
・香りをつける
・静電気(帯電)防止効果
・速乾性補助
・防臭(柔軟剤の成分による)
柔軟剤の成分は界面活性剤やシリコーン、香料で構成されていて、界面活性剤とシリコーンが柔軟効果や静電気防止、抗菌作用による防臭効果を発揮します。また生地が柔らかくなると水分の発散効率も高まるため速乾作用が生まれやすく、梅雨時期の乾きにくい時に少しでも早く乾かす材料として、頼もしい味方でもあります。
柔軟剤で注意したい、3つのNG
こんな使い方をした経験はありませんか?- もっとふんわりさせるため、もっと強い匂いをつけるため、柔軟剤の量を2倍、3倍と増やして使う
- 他の柔軟剤と混ぜて使う
- 面倒なので洗剤と一緒に最初から入れて使う
特に(1)の目的で量を多めにして使う人は多いのではないでしょうか。これらの使い方は、すべて誤った使い方といえます。下記のようなトラブルに心当たりはありませんか?
■タオルが水分を吸収しない
例えば、シリコーン等は生地をコーティングしていきますので、その付着量が多くなると必然的に生地が水分を吸収する量が低下します。入浴後に、拭いても拭いても体から水気が取れないバスタオルが、まさにその状態です。
■白物の黒ずみ
衣類をふんわりさせる効果には限界があるため、適量から増やしたところで、柔軟効果が比例して高まるわけではありません。むしろ柔軟剤の成分は汚れも吸着しやすいため、せっかく洗ったのになぜか黒ずんでしまうなど、量を増やすことは衣類にとって悪影響も及ぼすのです。
■洗濯物の汚れが落ちない……
面倒だからといって洗剤と一緒に使ってしまうのもおすすめできません。洗剤の成分と柔軟剤の成分は正反対の性質を持ち合わせているため、洗浄中に中和されてお互いの効果を打ち消してしまいます。結果、汚れも落ちない上に柔軟効果も得られなくなります。
洗剤もそうですが、効果アップを狙って増量することで逆に効果がダウンすることが多く、メリットはひとつもないので、使用量は必ず守って使いましょう。
また、近年は柔軟剤の香料の効果が強くなり、香りによって他人を不快にさせたり体調に影響を与える「香害」と呼ばれるトラブルも増えてきています。自分の衣類のみならず、周囲の誰かへのデメリットに繋がる可能性を意識することも大切です。
柔軟剤の素朴な疑問に「洗濯のプロ」が回答
最後に、柔軟剤についてよく聞かれることをQ&A形式でご紹介します。柔軟剤は、使い方を間違わなければ、着心地の良い衣類を提供してくれる「強い味方」です。Q1. 柔軟剤はすべての衣類に使えますか?
A1. 家で洗える衣類であれば使えますが、衣類の繊維によっては匂いのつき方が異なります。例えばポリエステルなどの化学繊維は柔軟剤がまとわりつきやすく、匂いが強くなる傾向にあります。気になる場合は、繊維によって洗いわけすると良いです。
Q2. 柔軟剤は花粉症防止にいいって本当ですか?
A2. 柔軟剤の成分で繊維をコーティングし、繊維自体が滑りやすくなることで摩擦が低くなり、静電気が起こるのを抑制してくれます。花粉は静電気で吸着しやすいため、静電気を抑えれば必然的に衣類への花粉の付着が少なくなり、花粉症予防のひとつになります。
Q3. 赤ちゃんにも安心して使えますか?
A3. 柔軟剤の成分は界面活性剤ではありますが、衣類に残すため肌に優しい成分で作られています。ただ、必ずしも100%安心して使って良いというわけではありません。
アトピー体質など肌が弱い赤ちゃんの場合は肌荒れの原因になる可能性もあります。逆に、柔軟剤成分が肌ずれを起こしにくくしてもくれるので、衣類の摩擦による肌荒れ防止になる場合もあります。一長一短なので、様子を見ながら使用しましょう。
いかがでしたか? 柔軟剤を正しく使って、衣類にも他人にも優しい洗濯をめざしてみてください。
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