お金の悩みを解決!マネープランクリニック/シングルマザー・シングルファザーの方のお金悩み相談

48歳、ローン5本を抱えて貯金もないのが恥ずかしくて相談できませんでした(2ページ目)

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回は、5本のローンの返済に苦しんでいるシングルマザーの女性。今後のローンの返済を考えると眠れなくなってしまうこともあるといいます。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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アドバイス1 この先3年が勝負。ここを乗り切れば先が見えてくる

お子さん2人を大学まで進学させ、よく頑張ってこられたと思います。借金を重ねてしまったのは残念ですが、今後、収入をキープし、できる範囲で貯蓄をしていけば、借金返済も3年後には終了すると考えられます。どうか思い悩むことなく、この先、3年間、頑張ってください。
 
第1子の方はあと1年で大学を卒業、第2子の方もあと3年。お子さんが独立すれば、生活費を抑えることができます。貯蓄もきちんとできるようになりますから、今から老後を悲観することはありませんよ。万一の時には、生活保護を受けることも、国民の権利としてあるわけですし、くまくまさんの場合はそこまでしなくても大丈夫ですから、とにかく落ち着いて、今後の返済計画を考えていきましょう。
 

アドバイス2 3年後からは年間100万円貯められるようになる

借金の返済は3年計画で考えていきましょう。借金返済で大事なのは、返済と同時に、預貯金を貯めることです。預貯金がないと、結局、また借金を重ねてしまうことになりますので、返済と貯蓄は同時に行う必要があります。
 
本来は金利が高いものから返済していきたいところですが、キャッシュフローの改善を優先してまず、来年1月のボーナス100万円から、C社の45万円を完済させましょう。残りの55万円は貯蓄。いろいろ使い道があるようなので、結果的には、使い切ってしまうかもしれませんが、それでもいいです。
 
C社の返済分の1万3000円、家計の見直しで1万2000円捻出し、毎月2万5000円は確実に貯蓄するようにしてください。家計の見直しとしては、現状でも1万2000円の使途不明金があります。これは確認してください。このほか、携帯代はお子さんとも相談して、格安のプラン、スマホに替えるなどして、削減してください。通信費程度は、お子さんがアルバイトなどで払ってくれるといいのですが。加えて、終身医療保険を共済に変更すれば、5000円程度削減できます。使途不明金、通信費、医療保険の見直しで、最低でも1万2000円削減できれば、毎月2万5000円の貯蓄が可能です。年間で30万円貯蓄できますから、今ある20万円と合わせて50万円です。
 
2年目は、ボーナスからA社85万円を完済させます。これでA社返済分の3万円も貯蓄に回すことができ、毎月5万5000円、年間で66万円。2年目には貯蓄額が合計で116万円になります。
 
3年目もボーナスからB社55万円を完済させます。この時点で、B社の残債はなくなっているかもしれませんので、ボーナスは車の車検など、ほかの用途に使えるでしょう。B社が完済できれば、2万3000円も毎月の貯蓄に回すことができます。これで、毎月の貯蓄額は7万8000円。年間で93万6000円。3年目の貯蓄額合計は約210万円となります。
 
3年目には銀行の借金もなくなっているはず。残りは車のローンのみです。これは、このまま返済し続け、できるだけ長く乗るようにしてください。
 
この時点で、養育費の8万円がなくなりますが、A社、B社、C社、銀行の返済がすべて終わっていますので、収支がトントンになるように家計支出を抑えられれば、ひとまず借金生活から脱出です。貯蓄も200万円以上できています。
 

アドバイス3 1000万円の住宅ローンなら家賃と同じ程度に抑えられる

3年後に、くまくまさんは51歳。お子さん2人も社会人になっています。食費や通信費を今より抑えることができると思いますので、もうひと頑張りして毎月2万円の貯蓄をしてください。ボーナスからは80万円。20万円は借金返済ができたお祝いに旅行に使うなど、何か自分のために使ってください。ここから、同じペースで貯蓄できれば、年間104万円、60歳までの9年で900万円以上、貯蓄を残すことができます。1000万円も無理ではないでしょう。
 
その後ですが、貯蓄を取り崩すのを、できるだけ後送りにすることが大事になってきます。65歳までは働き、収入に応じて、支出を抑える。65歳以降もバイトなどで、少しでも収入が得られたら、年金の不足分をカバーすることができます。67歳、68歳まで公的年金の繰り下げをすれば、その後の年金額は、1カ月繰り下げにつき0.7%増額になります。まだまだ先の話ですから、老後のプランは60歳になってから、柔軟に考えればいいでしょう。
 
最後に、お母さまのとの同居ですが、お母さまに300万円頭金を出してもらい、くまくまさんが1000万円の住宅ローンを組む。借金返済が終わったあと、今から4年後であれば、住宅ローンを借りることもできるでしょう。
 
お子さまが独立していれば、住宅購入もいい選択だと思いますよ。1000万円の借り入れであれば現在の家賃と同じぐらいに抑えられますし、生活費をお母さまと折半、もしくはローンはくまくまさんが負担するので、お母さまには生活費を多めに負担してもらう、そんな考え方もできるでしょう。そうなれば、60歳時点での貯蓄額は、もう少し増やすことができ、気持ちにも余裕がでてくるでしょう。老後資金に余裕ができるようであれば、2人のお子さんの奨学金の返済の援助を行ってもいいと思います。ただし、無理はしないでくださいね。
 
まずは、ここからの3年が勝負です。ここを乗り切れば、先が見えてきますから、ネガティブな思いは払拭し、ぜひ、頑張ってほしいと思います。
 

相談者「くまくま」さんから寄せられた感想

アドバイスをいただき、本当にありがとうございました。最初に読んだ時、先生の温かいお言葉に涙が出そうになりました。先が見えてきてなんとかやっていけるかもと希望が湧いてきました。貯蓄をしながらの返済、具体的な数字を教えていただいたのでまだまだ先のことですが、なんとか踏ん張っていける指針になりました。まさか住宅購入まで考えることも可能なのは、将来のさらなる希望になりました。今まで一人で悩んできたので、思い切って相談して本当に良かったです! このアドバイスを一生大切にして、挫けそうになった時に読み返して頑張っていこうと思います。本当に本当にありがとうございました!


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教えてくれたのは……
深野 康彦さん
 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/伊藤加奈子



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