閉経したら何が変わる? 更年期の後半戦・閉経後の女性が抱える悩みとは
閉経後は月経の悩みからスッキリ解放されます。体形の変化や体力の低下などの悩みから生じるストレスも上手にケアし、閉経後の人生を楽しんでいきましょう
閉経は大変そう……と感じる人が多いかもしれませんが、閉経後の女性からは、ポジティブな声もよく聞かれます。「月経から解放されて、本当に楽になれた」「煩わしい月経がなくなり、これからは安心してどこにでも行けそう」などという声が多いと感じます。
その反面、身体面ではさまざまなトラブルに悩まされているという声も聞かれます。「皮膚や粘膜の乾燥がひどくなった」「しわやしみが日ごとに増えているように感じる」「手荒れが治りにくい」「全身が乾燥して保湿剤が欠かせない」「ドライアイで目薬が手放せない」「性交痛を感じやすくなった」「太りやすくなった」「運動をしてもやせにくい」といった声も増えていきます。
上記のような悩みは、閉経後に女性ホルモンの分泌が激減するために起こります。そのため、美肌づくりやダイエットに励んでも劇的な効果が現われにくくなり、消耗感を感じてしまうこともあるでしょう。「どうせもう若くないのだから」という気持ちが生じたり、鏡に映る自分の姿を見て自信を失うなどして、後ろ向きな思考になってしまうこともあるのではないかと思います。
閉経後に起こりがちな心のトラブル・心の病気
上記のみならず、閉経後は女性ホルモンの低下によって、関節の痛みや骨粗しょう症、乳がんや子宮体がん、卵巣がん、生活習慣病などの病気も生じやすくなります。こうして体の不調や病気の治療にエネルギーを奪われることで、心の状態が不安定になると、うつ病を始めとする心の病を発症することもあるかもしれません。また、閉経直後の50代前半ごろには、家庭では子どもの受験や就職、自立の問題にも対応しなければなりません。パートナーも加齢によって無理が利かなくなり、仕事においては定年を迎えることも。こうした中で、家計の負担、老後の資金づくり、老親への資金援助など、経済面での不安が重なる方もいます。家計を助けるために慣れない仕事を始めて、とても疲れてしまうこともあるかもしれません。
このように、閉経後にあたる50代前半の時期は、心身共に負担がかかりやすく、メンタルヘルスには注意したい時期なのです。
閉経後に大切なメンタル管理のコツ
だからこそ、閉経後は自分を労ること、無理をしないことを心がけていきましょう。家事も仕事も完璧主義にならないこと。疲れたら休む、夜は早く寝る、という心がけがとても大切です。休養が必要な年齢であるため、無理して活動を増やさないこと。本当にやりたいことを厳選して、時間をかけながら、じっくり取り組んでみるとよいと思います。閉経後の今だからこそ、成熟した女性としての大らかさ、周囲の人に対する理解と思いやり、物事への深い洞察のように、若い人にはない魅力を発揮することができます。ぜひ、この年代ならではの豊かな感性を楽しみ、味わっていきましょう。
閉経は新しい人生の始まり! 自分を大切にし、人生を楽しむ気持ちを
閉経によって月経と別れを告げることで、女性は新しい自分に生まれ変わる、と考えることもできます。閉経は女性らしさを喪失することではなく、新たな自分らしい人生を楽しむ年代の到来とも言えます。体を大切にし、心の声に耳を傾けながら、この先の人生もあせらずに進んでいきましょう。いつも自分を労っている人は、自他の心の奥にある声をやさしく受け止め、他人のことも労ることができるといわれます。これこそ、年齢を重ねたからこそ得られる成熟した心の感覚ではないでしょうか。ぜひ、閉経とともに生まれ変わる新しい自分を楽しんでいきましょう。