妊娠初期/妊娠初期症状・兆候

妊娠初期の腹痛や出血、これって妊娠初期症状?流産?

妊娠初期の腹痛やチクチク感、腰痛、便秘や下痢、出血などの症状に、「これって妊娠初期症状?」「流産は大丈夫?」と不安になることはよくあります。どうして妊娠初期は腹痛などの症状が起こるのか、どんな症状の時に医療機関を受診するべきか、解説します。

赤岩 明

執筆者:赤岩 明

妊娠・出産ガイド

妊娠初期の腹痛や出血、これって妊娠初期症状?流産?

妊娠初期の腹痛やチクチク感、腰痛、便秘や下痢、血が混じったおりもの……これって妊娠初期症状?流産は大丈夫?

妊娠初期の腹痛やチクチク感、腰痛、便秘や下痢、血が混じったおりもの……これって妊娠初期症状?流産は大丈夫?

妊娠初期の腹痛や、チクチクする違和感。腰痛、腰が重い。便秘、下痢。血が混じったおりものなど、さまざまな身体症状に、「流産は大丈夫?」と不安になることはよくあります。どうして症状が起こるのか、どんな症状の時に医療機関を受診したら良いのか、解説します。

Index
妊娠中の子宮
妊娠初期の腹痛や出血など諸症状の原因
妊娠初期の腹痛や出血、受診するべき症状は?
妊娠初期の流産について

 

妊娠中の子宮

子宮は、受精卵が着床し発育する場所です。膀胱と直腸の間にあって、大きさはLサイズの鶏卵大、重さ約70g、内部が逆三角形の腔状の筋肉でできています。

普段は子宮の存在を意識することはないでしょうが、妊娠すると、子宮は大きく重くなり、周囲の血管も怒張して、妊娠経過が正常でも、月経痛程度の腹痛を感じることがあります。もともと月経痛のある人は、妊娠初期の腹痛・腰痛を感じやすい傾向があります。
 
妊娠初期 腹痛

妊娠着床~妊娠初期 腹痛、諸症状

 

妊娠初期の腹痛や出血など諸症状の原因

■子宮壁の伸展
子宮壁は受精卵が着床した付近から柔らかく薄くなりますが、妊娠初期は硬く厚いところもあります。
妊娠初期 腹痛

妊娠9週 腹痛の原因 子宮壁の局所収縮

ゴム風船を膨らます時、ゴムの厚さにムラがある間は膨らみにくく、ムラなく伸び始めると、急に風船は膨らみやすくなります。
子宮も妊娠4ヶ月までは、子宮壁に厚い部位があり、痛みやチクチク感の原因になります。妊娠5ヶ月には、ほぼ全体の筋肉が伸びて症状は軽減します。昔から、妊娠5ヶ月からを安定期とするのは、胎盤の完成と子宮壁の伸展が理由です。子宮筋腫があると子宮壁は伸びにくく、痛みを感じやすくなります。

■血流の増加
妊娠すると子宮は充血して肥大し、子宮周囲の血流も増加します。骨盤全体が重くなり、日常生活には支障がなくても、反射的な動作はしにくくなり、身体的な違和感を感じます。
長時間の座り仕事、立ち仕事、ドライブなどで、同じ姿勢が続くと骨盤内や下肢の血流がうっ滞し、腹痛・腰痛・下肢痛の原因になります。姿勢を変えて適切に動くことも必要です。
 
■月経前症候群の類似症状
月経前症候群とは、月経前に腹痛、腰痛、頭痛、乳房痛、不眠、不安、イライラ、うつ、食欲亢進、便秘、下痢などの症状が起こり、月経の出血が始まると改善するものですが、妊娠すると、月経前の高温期のホルモン状態が持続して、月経前症候群に似た症状が続くこともあります。通常、妊娠経過とともに症状は改善します。
便秘による下腹痛では、便秘薬や浣腸が必要なこともあります。下痢で腹痛になることもあり、この場合、下痢止めではなく整腸剤を服用します。
 
■子宮内膜症 
子宮内膜症では、子宮と子宮周囲が癒着しており、子宮が大きくなると周囲組織を引っ張って、腹痛の原因になります。通常は妊娠5ヶ月になると症状は落ち着きます。
チョコレート嚢腫や腺筋症を伴う場合には、腹痛・腰痛がかなり強くなることもあります。健診で、どの程度の症状なら受診をするのか確認しておきましょう。
 
■絨毛膜下出血
不正出血がなくても、超音波検査で、胎児の袋と子宮の壁の間に出血像がみられることはよくあります。「子宮の中に出血の跡がある」などと指摘されますが、これは正常の妊娠経過の範囲でよくあることです。不正出血や腹痛を伴う場合には、安静を指示されるかもしれません。

 

妊娠初期の腹痛や出血、受診するべき症状は?

■腹痛
正常な妊娠経過でも、ふだんの月経痛のような痛みを感じることはあります。しかし「月経痛でこんなに痛い思いをしたことがない」「月経痛なら、薬を飲んでいる程の痛み」「夜、痛みで寝られない」などの場合には、医療機関に連絡して受診の相談をします。
「月経痛より軽い」「痛かったが、いつのまにか寝ていた」なら、次の健診で相談してみましょう。
 
■出血
「おりものシートでは足りない、月経用のナプキンが必要な出血が続く」ような場合には医療機関に連絡します。妊娠経過や腹痛を伴うかどうかで、すぐに受診か、外来受診か、指示があります。
とはいえ、わずかな出血が下着に付いただけでも心配になるものです。仕事を持っている方は、診察を受けて、休業診断書を書いてもらうこともできます。
 
■不妊症治療で妊娠した方
特に、着床障害、習慣性流産で治療中の人は、腹痛や不正出血があれば、その不妊治療施設に連絡して、指示をもらいます。24時間体制ではない施設では、流産が進行した場合を考慮して、24時間体制の連携施設などに、あらかじめ紹介される場合もあります。

 

妊娠初期の流産について

妊娠初期の流産は、胎児に原因があることが多く、腹痛や不正出血などの自覚症状があっても、
「もっと早く、病院を受診して薬で治療していれば、流産せずに助かったのに……」
「仕事を休んで、家で安静にしていたら、流産しなかったのに……」
と言うことはほとんどありません。
一方、特に自覚症状がなく、順調と思って定期健診に行ったのに、超音波検査で胎児心拍が停止しており、子宮内に留まった流産、稽留流産と診断されることもあります。
 
つまり、流産の可能性をあらかじめ正確に診断することはできず、残念ながら有効な対策もありません。しかし、ちょっとした症状でも心配な場合には、電話相談をためらう必要はありません。これからお世話になる施設の対応で、自分に合うかどうかの判断に役立ちます。

 

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妊娠の兆候・初期症状とは
妊娠初期の流産の症状・原因・手術方法
 

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