ひとつの物件で3つのインテリアスタイル
インテリア好きな人に話を聞くと、「今の部屋はナチュラルインテリアになんですが、男前インテリアにも興味があるんですよね。でも、部屋は狭いし、家具や雑貨を買い替えるのも難しいし…」なんて話を聞くことがよくあります。インテリア好きであればあるほど、そのときの興味や流行によって新しい部屋作りにもトライしてみたくなるものですが、全く違ったスタイルに変えようというのは簡単なことではありません。でも、今回お話を伺った一人暮らし女性は、1つの物件で3つのまったくスタイルの違うインテリアを実現し、部屋作りをとことん楽しんでいました。毎日家に帰るのが楽しくなりそうな、素敵なインテリアとその作り方を聞いてきました。
間取り
コハルさん会社員
一人暮らし歴9年
-Room Data-
埼玉県在住
家賃:60000円(管理費込)
間取り:2DK 今の部屋に住む前は都内で一人暮らしをしていたというコハルさん。転職などをきっかけに引越を思い立ったそうですが、新しい部屋を探すときの条件は「2DKで南向き、バストイレ別と収納が広いこと」。3~4カ月かけて5~6軒の部屋を内見しましたが、じっくり探した中でもこの部屋が気に入った理由はその広さ。「とにかく広い部屋に住みたかったんです。インテリアを楽しみたかったから」。同じ物件内には小さなお子さんがいるご家族もいるとのことで、一人暮らしが住むにしてはかなり広めな部屋。それでも都内に住んでいる頃よりは家賃も下がり、念願の広さも手に入れることができました。
立地に関しての不満は「近所にスーパーやコンビニがないんです。買い物をするとき最寄駅まで出なければならないのはちょっと不便ですね」とのこと。最寄駅からは徒歩15分ほどかかり、また古さも目立つ木造のアパートではありますが、この広さでこの家賃であれば、破格といえます。コハルさんは2DKの間取りを生かして、インテリアをとことん楽しみながら暮らしていました。
ダイニングキッチンは「はちみつ色のカフェ」
2DKという間取りは、大きく3部屋に分かれています。コハルさんがこの間取りにこだわった理由は、「部屋ごとに全部違うインテリアスタイルにしたかったんです」。ワンルームや1Kという広さが一般的な一人暮らしでは、いくつものスタイルを楽しむことは難しいですが、コハルさんはこの物件で3つのインテリアスタイルを楽しんでいます。まずは玄関から廊下を通り、扉を開けた先にあるダイニングキッチン。日中は南向きの窓から日差しが入り、とても明るい印象です。 この部屋のテーマは「はちみつ色のカフェ」。大きめの家具や雑貨は、白とベージュ系の家具や雑貨で揃えられていてます。でも、単純なナチュラルインテリアではなく、あちらこちらに飾られた可愛い小物たちが楽しげな雰囲気を醸しています。壁には天井近くまで飾り棚が設けられ、その上も隙なく可愛い。そのテーマ通り、甘いはちみつの香り漂うパンケーキが売りのカフェでも訪れた気分です。
静かにくつろぐ「森の中」
次にリビングダイニングから続く一室は、またガラリと雰囲気を変えて、ややインダストリアルなインテリア。テーマは「森の中」。部屋の奥にはたくさんの観葉植物が育てられています。「高円寺に『アール座読書館』という、しゃべってはいけない喫茶店があるんです。木や草などの植物がたくさんあって、落ち着いた雰囲気なんですよ。若干違うんですが、そこのインテリアをイメージして始めました」。リビングダイニングとは違って、ダークな色合いでまとめられ、時間がゆっくり流れていそうな空気感があります。 もともとは和室だったことが想像に難くない作りで、大きめの押入と長押があり、ふすま自体は取り外してあるもののその建具が残っています。その古さがかえって、このインテリアにはよく合っています。 ダイニングキッチンとこの部屋はひと続きになっています。その間をつなぐように、それぞれの部屋の仕切り付近には水槽がひとつずつ置かれています。それらが全く雰囲気の異なる部屋を上手くつなぎ合わせているように見えます。 水槽の中には小さな魚が泳いでいるので、「これは熱帯魚ですか?」と伺うと、「ネイチャーアクアリウムというんです」とコハルさん。「ネイチャーアクアリウム」とは、水槽の中に水草や石、流木などを組み合わせて、水槽の中に自然の生態系を作ること。始めたきっかけは、「近所のカフェに、ネイチャーアクアリウムで有名なADAというメーカーがプロデュースした水槽があるんです。それがとても素敵で、家でもできることを知って、置いてみようかなって」。水替えや手入れなど大変なことも多いそうですが、「見ていると癒やされるんですよね」と毎日の暮らしに欠かせないものになっているようです。寝室は「大人ロマンスのお城」
最後に紹介する寝室のテーマは「大人ロマンスのお城」。白を基調とし、色数をぐっと落としたインテリアは、穏やかな気持ちで過ごすことができそうで、寝室にぴったりです。それでもただ白っぽいだけでなく、プリンセスが履くようなヒールの高い靴に真珠のネックレスがかけてあったり、魔女の宅急便のジジに似た猫がベッドを見張っていたり、どこかワクワクする遊び心もいっぱい。ふわふわと柔らかく包まれるような素材がお姫様気分も盛り上げてくれそうです。 「インテリアが好きな人って、『このアイテムが好きだけれど、部屋に合わないから買わない』という人が多いと思うんです。でも、我が家の場合、三つのスタイルがあるので、どこかしら置けるというのがいいところなんですよ」とコハルさん。お気に入りのアイテムを諦めなくてもいいというのは、インテリア好きの方にとって、きっと羨ましいことのように思います。一人暮らしでもプチプラなら、インテリアを楽しめる
部屋を見せていただく中で伝わってくるのが「おうちが大好き!」というコハルさんの思い。休日も掃除をしたり、水槽の手入れをしたり、インテリアを考えたり、読書をしたり、大好きな西武ライオンズの野球中継を見たりと、おうちの中で過ごすことが多いそうです。これだけ素敵なインテリアを実現しているとなると、「さぞお金がかかっているのでは?」と疑問に思ったのですが、「ブランド品のような高いものはないですね。家具はニトリやIKEAだったり、雑貨は100円ショップのものがすごく多いです。水槽も最初に揃えるときにはお金がかかりましたが、一度揃えたら、電気代くらいなので、あまり負担はないですね」とのこと。プチプラでも自分の描いたスタイルに沿ったモノ選びをすることで、大きくお金をかけずとも部屋作りを楽しめることがわかります。
ちなみに、これからの夢は「猫を飼いたいんです」とコハルさん。「やっぱり部屋が広いのは譲れなくて、しかも、ペット可の物件というのは難しいかもしれませんが、良いところが見つかったら、引っ越したいかな」。可愛い相棒との暮らしが始まったら、ますますおうちが楽しくなりそうですね。そんなコハルさんの暮らしは、ブログもしくはRoomClipでチェックできます。ぜひ併せてご覧ください。
ブログ・mint green:http://liiittlespring.blog.fc2.com/
コハルさんのRoomClip:https://roomclip.jp/myroom/997990
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