2次キャッシュとは?
「2次キャッシュ」(キャッシュメモリ)について説明しましょう。「キャッシュメモリ」は、CPU内に置かれた記憶装置で、メモリの一種です。現在のCPUは、容量の小さい1次キャッシュ(コア内にあります)と、やや大きい2次キャッシュの2種類を、CPU内に保持しています。2次キャッシュは、PC向けCPUでは、Intel社のPentium Pro(1995年発売)に初めて採用されました。
実は、このキャッシュメモリの存在が、CPUの高速化に大きな役割を果たしています。CPUは、処理すべきデータを読むためにメモリ(メインメモリ)を参照しますが、CPUのクロックに比べると、メモリのクロックは非常に低速です。ですから、CPUを高速化させても、メモリの速度に足を引っ張られ、思うように処理速度が上がらなくなってしまうのです。
たとえると、高速道路(CPU部分)を順調に走ってきても、出口の料金所(メモリ部分)で引っかかってしまえば、時間のロスになるのと同じです。
キャッシュメモリがないとメモリの遅さに足を引っ張られる(上図)が、キャッシュメモリに一時的にデータをためておくことで、データのやりとりを高速化できる(下図) |
このとき、CPUとメモリの間に高速なキャッシュメモリを置くことで、CPUはまずキャッシュメモリを参照します。キャッシュメモリにお目当てのデータがない場合に、CPUはメインメモリを読みにいくのです。キャッシュメモリがない場合と比べると、処理がスムーズになります。こうすることで、低速なメインメモリへのアクセスを減らし、処理速度を上げるのです。
キャッシュメモリは高価なため、低価格CPUでは容量が小さいのがふつうです。Intel社のPentium Dは1~2MBが2つ、Pentium 4は2MB、Celeron Dは256KB、Coreは2MB(共有式)、AMD社のAthlon 64 X2では512KB~1MBが2つ、Athlon 64では512KB~1MB、Sempronは125KB~256KBの2次キャッシュを持っています。
キャッシュメモリの容量が処理速度に効果的にあらわれるのは、映像データなど、大量のデータを処理する場合です。映像や3DCGを扱うユーザーは、Intel社ではPentium DまたはPentium 4、Core Duo、AMD社ではAthlon 64 X2またはAthlon 64を選ぶとよいでしょう。Web閲覧やメール、Officeソフトが中心の用途であれば、キャッシュの大きさを気にする必要はあまりありませんので、Celeron DやSempronで、十分な性能を発揮できます。
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