そもそもアイランドキッチンとは?
一般的なキッチンのレイアウトには、I型、II型、L型、アイランド型などがあります。その中でも、アイランド型のキッチンに魅力を感じる方も多いのではないでしょうか。空間に馴染むような優しい色合いのキッチン。すっきりとしたデザインのレンジフード、水栓金具を取り入れ、洗練された空間に。[ザ・クラッソ] TOTO
最近では、キッチンが住まいの中心となるような間取りも増えており、開放的なアイランドキッチンも注目され、キッチンメーカーの提案プランにも多くみられるようになりました。
さまざまなスタイルが考えられるアイランドキッチン
ナチュラルな雰囲気の明るいキッチン。広々としたカウンターを設け、食事もできるスタイルに。[アレスタ オープン対面キッチン センターキッチンアイランド型] LIXIL
■フロアキャビネットをセンターに設置する
シンクやコンロ、IHクッキングヒーターなどが組み込まれたフロアキャビネットを空間に設置する一般的なアイランドキッチンのスタイル。換気扇のプランニングにも配慮が必要になるでしょう。
■作業カウンターキャビネットを中央に設ける
フロアキャビネットは壁面に設置し、作業カウンターキャビネット(作業台)をセンターに設けるプラン。もしくは、シンクや加熱機器のいずれかを組み入れることも。家族構成や調理スタイルに合わせて検討することが大切です。
■カウンタートップを延長させてテーブルを兼ねるスタイル
キッチンカウンタートップを広めに取ることで、食事スペースも確保するプラン。つくり方によっては、簡単な朝食などだけでなく、ゆっくり食事ができるテーブルとしても使うことができるでしょう。
■ダイニングテーブルを一体化させるプラン
フロアキャビネットにダイニングテーブルを連続させたり、並べて置くプラン。配膳しやすいメリットがあります。
どのようなプランにするとしても、アイランド型とすることでのメリットデメリットはあるものです。プランニングの際には、それぞれを理解した上で、検討することが大切です。
アイランドキッチンのメリット
空間のポイントとなるようなネイビー色をナチュラルなオーク柄と組み合わせ、カフェのような優しい空間を実現。[ラクシーナ] パナソニック エコソリューションズ
アイランドキッチンを設けた間取りでは、ダイニングやリビングがつながるプランも多く、空間全体に広がりが生まれ、開放的なスペースが実現するでしょう。
■家族とのコミュニケーションが取りやすい
アイランド型を含む対面キッチンのスタイルでは、家族から孤立せずコミュニケーションが取りやすいのが大きな特徴。調理をしながらでも、リビングやダイニングにいる子供の様子が分かる、ということは子育て世代には魅力でしょう。また、お客様がいらしても、会話をしながらお茶の用意も可能です。
■家族や友人が作業に参加しやすい
アイランド型では、作業の様子が分かるだけでなく、両サイドからも行き来できるので、配膳や片付けなど家族みんなが協力しやすいとも言われています。親しい友人とのホームパーティの際には、一緒に準備し、片付けもできる、ということも。食事のスペースを設けたタイプであれば、調理も食事も一緒に楽しむことができるでしょう。
■LDK空間のポイントになる
LDK空間がひとつの場合、キッチンキャビネットや換気扇などのデザインによっては、空間のポイントになることも。美しさを保つために、機器の清掃性などは配慮しておくことも大切です。
扉材のコントラストが個性的な空間に。シンクを組み込んだアイランドカウンターにダイニングテーブルをつなげた落ち着いたレイアウト。 [ザ・クラッソ] TOTO
アイランドキッチンのデメリット
■ある程度のスペースが必要プランやサイズなどにもよりますが、一般的に、アイランドキッチンを取り入れる場合は、I型、II型に比べて、スペースが必要と言われています。キャビネットを周回できる(両サイドから行き来できる)ことが特徴なので、狭いスペースでは、そのメリットを感じることができない場合があるからです。
■臭いや音、油はねなどが気になる
オープンなスタイルでは、ダイニングやリビングに調理の匂い(ゴミの臭いなども含めて)が広がってしまいがちなことも。また、調理や片付けの音が気になり、会話ができない、テレビの音が聞こえない、というケースもあるようです。
■ごちゃごちゃが見えてしまう
プランニングや調理のスタイルにもよりますが、ダイニングやリビングから調理後のフライパンや調理器具などが見えてしまい、落ち着かない、という場合も。急な来客時に困る、といった声も聞かれます。
窓からの眺めを楽しめるアイランドキッチン。ステンレス製のキャビネットがナチュラルモダンな空間に馴染む。[リシェルSI オープン対面キッチン センターキッチン アイランド型] LIXIL
デメリットを軽減できるアイテムを上手に取り入れたい
アイランドキッチンは、家族構成やライフスタイル、プランニングなどによって、使い勝手も異なりますが、キッチンメーカーの商品には、デメリットを解消したり、軽減するような提案もみられます。間取りに合わせて上手に取り入れるようにしましょう。■匂い(臭い)を軽減する工夫
加熱機器や空間に適した換気扇、給気口の配置を考慮することは基本ですが、ダイニングやリビングに、自然素材など、臭い成分を分解できる性能を持つ内装材を用いることもひとつの方法でしょう。また、家庭用電気生ゴミ処理機などを取り入れることで、ゴミの臭いを軽減できる場合もあるでしょう。
■油はねを防ぐ工夫
アイランドキッチンの場合、ダイニングやリビング側への油はねも気になるもの。加熱機器の前に全面ガラス(パネル)を用いることで、油はねや煙を抑えることが可能です。ガラスであれば、キッチンの開放感も妨げないでしょう。
■音を抑える工夫
最近のシステムキッチンは、シンク裏の底面や側面などの構造に工夫を施すなどして、水はね音を抑えた静音設計のシンクも一般的になっています。また、静かな運転音でも煙をしっかり捕集する静音設計の換気扇、運転音を抑えた食器洗浄乾燥機などもみられます。
LDK空間トータルで検討したキャビネットを
アイランドキッチンでは、LDK空間全体のデザインコーディネートも重要です。キャビネットのデザインや扉材の選び方なども十分に検討すること。壁面の収納キャビネットを取り入れるプランも多いので、リビングの見え方などにも配慮して選ぶようにしたいものです。キッチン全体を同じ扉材とするだけでなく、異なる色やデザインを組み合わせてもいいでしょう。デザインのポイントとなるような換気扇や水栓金具も
オープンなキッチンの場合、性能はもちろんですが、ポイントとなるようなデザイン性の高い機器を取り入れてもいいでしょう。モダンでシャープなデザインの換気扇、個性的なカーブ形状の水栓金具なども揃っています。カウンタートップもインテリアのイメージを左右するアイテムのひとつでしょう。椅子と箱畳の2つの座るスタイルを取り入れたプラン。食べること、集うことを楽しむことができる。 [Lクラスキッチン]
パナソニック エコソリューションズ
ショールームやモデルハウスで空間の確認を
魅力的なアイランドキッチンですが、間取りはもちろん、ライフスタイルや家族構成に合わなければ、使い勝手の悪いキッチンとなってしまうことも。プランニングの際には、メリットデメリットを理解した上で、アイランドにしたい理由、キッチンに対する優先順位などを明確にした上で検討することが大切です。また、アイランドキッチンにもさまざまなスタイルがあるので、事前に体感してみることはとても重要。ショールームやモデルハウスだけでなく、最近の分譲マンションなど、アイランドキッチンの提案は多くみられます。空間のボリュームや機器の取り入れ方、ダイニングやリビングとのつながりなどを参考にするといいでしょう。
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