責任を負いたがってしまう母親

背負い込んでいませんか?

背負い込んでいませんか?

出産をして、新しい生命の誕生と同時に「母親としての責任や不安」を感じた人も多いのではないでしょうか。

「この子を守るために、母親としてしっかりしなくっちゃ(でも、できるだろうか)」
「私は母親だから、一人でも赤ちゃんのお世話を完璧にしたい(自分がやればできるはずだ)」


という心構えです。
その気持ちは自然に生まれるものだと思いますが、この気持ちが強すぎると、自分を追い詰めることになってしまいます。

赤ちゃんが風邪をひけば「風邪をひかせちゃった」と、自分を責める。予防接種の計画を失念していれば「母親として情けない」と感じる……。

何を隠そう、私が思ってきたことです。
でもちょっと待ってください。
子育ての目的は、「赤ちゃんを育てること」であって、「母親が自己犠牲をしてがんばること」ではありません。


根強く残る母子関係の風潮に、「母親が身を削って尽くすこと」=「愛情」という解釈があります。逆にいえば、母親はたまにやりたいことをしただけで、SNS等でこれみよがしに叩かれます。

知らず知らずのうちに、この価値観にどっぷり浸かっていると、いざ母親の立場になったとき、責任を感じたがる母親になってしまうのではないでしょうか。

母親だって人間なので、日によって体調や気分は異なりますし、まして産後の身体はボロボロです。

もう一度言いますが、身を削ることは義務ではないし、正しいことではない、と覚えておいてください。結果的にそうなる状況だとしても、育児の目的は「赤ちゃんを育てること」なのです。



一人でがんばるよりも、味方を増やそう

これは育児に限ったことではありませんが、何か大きなプロジェクトを成し遂げようとするとき、一人ですべて背負ってしまっては、リスクが大きすぎると思いませんか。

すべてを背負った1人に何かあれば、プロジェクトは停止してしまうし、ほかの人が手を貸そうにも、引きつぎなしでは、すぐ戦力にならないのです。

まして子育ては、赤ちゃんの命がかかっているプロジェクトなので、途中で放棄できません。母親がプロジェクトリーダーだとしても、短距離走のような出力で取り掛かるとエネルギー切れを起こします。

理想のは、長距離走のようなペースで、母親が倒れないように走り切ること。たくさんの選択肢を持つこと、いろいろな人の手を借りながら、みんなで育てることです。



味方をつくるため、母親の要望を整理

母親の安定が子どもの安定になる

母親の安定が子どもの安定になる


では具体的に誰を味方にするべきでしょうか。
ここではアクションを起こす前に、自分がどういう気持ちであるかを認識し、周りの人にどう味方してほしいのかをイメージすることが近道です。

まず育児において最重要人物である夫に求めることを整理してみましょう。
おむつ替えやミルクをあげるなど、肉体的に赤ちゃんのお世話をしてくれればいいのか、「いつもおつかれさま。ありがとう」と温かい言葉をかけて精神的に癒して欲しいのか。

夫が不在でワンオペ育児の場合が多く、上記のどちらも望めないと自分で「見切りをつけ」、自分でやった方が早いとして、「夫を戦力外だと決めてしまう」……仲間になってもらおうとする余裕さえない、といったお母さんは多いようです。私の場合もそうでした。

ですが、今思えば私も一番大変なときこそ、足並みをそろえるべきだったと思います。母親は何が嫌と感じ、何が良いと思うのか。そこを共有して解決策を出すのが父親の義務であり、夫婦の義務なのだと思います。

以下、乳幼児の母親が父親に望むインサイトを拾いましたので、自分はどこに近いのかの参考にしてください。


A.自分がお願いしたことだけ、やってほしい。

B.とりあえず、おむつ替え、ミルクの用意、入浴など肉体的に動いてほしい。

C.おむつ替え、授乳など肉体的な赤ちゃんのケアは苦にならないが、それを当たり前だと思われたり、ラクなことだと思われるとイヤ。

D.おむつ替え、ミルク、入浴など夫がやれることはすべてやってほしいし、自分もねぎらってほしい。





子育ての最大難関、夫を味方にするヒント

自分の気持ちも整理できる手紙という手段

自分の気持ちも整理できる手紙という手段


夫へのインサイトを確認したら、それを共有していきましょう。その際、口頭で伝えて理解してくれる旦那さんなら良いのですが、そううまくいかないことが多いようです。以下、有効そうな手段を考えてみました。


■旦那さんが話し合う体勢でいる場合

1.手紙で想いを伝える。
デジタルメディアが主流の昨今、直筆の手紙は効きます。その際のトーン&マナーは、喜怒哀楽の「哀」を押し出しましょう。
「怒」を押し出すと、夫をイライラさせるおそれがあります。

2.スマホのLINE、メッセンジャー、メールなどで伝える
手紙よりライトな印象です。文字化することで、母親の気持ちを顕在化させ、整理する効果があります。


■旦那さんが話し合う体勢にない場合
これが最難関で下手をすると育児より消耗するので、前述の私のように「夫は戦力外」「ひとりでやる方がラク」となってしまいがちです。

が、この先の育児生活、結婚生活、子どもが巣立ってからの夫婦生活、総じて人生を考えると、今この時点で話し合いの席についてもらうことが、明るい結婚生活の必須条件です。


1.自分の気持ちを代弁してくれる本やコラムを読んでもらう。

いわゆる参考資料です。旦那さんに想いを共有しようとしても言葉が出ない、涙が出て話にならない(過去の私)、どこから手をつけていいか分からない方は、参考資料を読んでもらいましょう。

このコラムに共感されたらそれでもいいし、評価の高い、産後の気持ちを丁寧に素直にくみ取った本もあります。読んでもらうことも大変だと思いますが、ぜひ諦めないで実行してほしいと願います。

2.怒りを爆発させる
これは最終手段です。
怒っても解決しないという見方もありますが、怒りを押し込めて重いストレスにしてもよくないと考えます。
(我が家の場合、夫に何かいっても馬耳東風だったので、一度ベビーベッドをひっくり返してしまったことがあります。それでようやく私が怒っていることが伝わりました)。

喧嘩がエスカレートしそうな場合は、やめておいた方がいいでしょう。夫婦の怒鳴り合いは、子どもに悪影響を与えてしまいます。

以上、参考手段を挙げましたが、これで一発解消!というものはありません。数年かけてすり合わせるイメージで、諦めずに気持ちをシェアしてほしいと願います。



夫の他に味方になってくれる人を見つけよう

同じ境遇のママ友は、瞬時に分かり合える

同じ境遇のママ友は、瞬時に分かり合える

夫の他にも味方候補はたくさんいます。

■友人
・もともとの友人、特に子育て経験ありの人
・ママ友

■子育てのプロ
・赤ちゃん相談員・子育て相談員
・子育て電話相談(地域の育児のプロが相談にのってくれます)
・ファミリーサポート(一時的に子どもを預かってもらうもの)
・子育て支援系NPO団体(一時預かりから、一緒に家事をやってもらえるものまで多岐にわたる)
・ベビーシッター(自宅に来て世話をしてくれる)
・保育園の先生(支援センターを兼ねているところは、通っていなくても相談にのってくれます)

まず、「利用しても母親失格ではない」と理解しましょう。子育てという長距離走にゴールするためには、ときに水分を補給したり、休憩することも必要です。
身体的にしんどい場合、心がつらい場合、とりあえず相談をしてみてください。私は電話相談でとても救われた経験があります(泣きそうになりました)。

■母たち
・実母
・義母

嫁姑の関係より、実は産後の実母との関係のほうが悩ましいという話はよく聞きます。実母は娘に遠慮がないうえに、孫の誕生に狂喜しており、自分の経験を振りかざすきらいがあります。

その育児経験が30年前のものだったりするので、最新の育児事情を知らせても「新米母親は何も分かってない」と一蹴されることもあります。

理想としては、いま現在の育児本を読んでもらうことですが、時として、夫と育児観をすり合わせるのと同じくらい大変なので、まずは家庭の共同経営者である夫と話し合い、次に実母/義母としてもいいと思います。

利点としては価値観がぴったり共有できなくても、実際に赤ちゃんのことを思って動いてもらえる貴重な存在なので、世話をしてくれるならば、甘えてしまいましょう。


■ママ友と知り合う場所
ママ友との確執が頻繁にメディアで取り上げられているので、ママ友づくりを不安に思っているかもしれませんが、きっとどの母親も同じ気持ちです。

行政が開催する「ベビーマッサージ」や「歯みがき教室」、「離乳食教室」や「子育て支援センター」で行っているイベントに参加してみましょう。同じくらいの月齢の子どもが集まっているので、ママどうしの不安も似ており、話のネタには困りません。

そのほかに、NPOや認可保育園が主催する赤ちゃんイベントや、園庭解放日、地元の赤ちゃんサークルに顔を出してもいいでしょう。公園や広場をブラブラして雰囲気を掴むのもお勧めです。


孤独を打ち破る勇気

みんな最初はドキドキします

みんな最初はドキドキします

赤ちゃんがポンと生まれると、私たちは自動的に母親になり、母子ワンセットの新しいコミュニティを開拓することになります。

心身共に疲れている時期に、夫と価値観をすり合わせ、赤ちゃんと一緒に新しい世界へ踏み込むのは、少し勇気がいることですが、孤独を回避する一番の方法です。

ご自分のペースで、少しずつ信用できる仲間を増やし、子どもをみんなで育てられることを願っています。


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。