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ダイエット中の水分量はどれくらいが1日の適量?水分補給を忘れずに

ダイエット中の水分量はどれくらいが1日の適量かご存知ですか。「水をたくさん飲むと痩せる!」と思っている人がいる一方で、「水太りする」「水ダイエットは痩せない」などと言い切る人もいます。生きていくために欠かせない水分の正しいとり方や1日に飲む適量についてまとめていきます。

片村 優美

執筆者:片村 優美

食事ダイエットガイド

ダイエット中の水分量……正しいとり方と適量

ダイエット中の水分量はどれくらいが適量?水分補給を忘れずに!

ダイエット中は水分も控えたほうがいい……と思っていませんか?

 

モデルや女優さんが肌身離さず水を持ち歩いているイメージから、「水をたくさん飲むと痩せる!」と思っている人も多いですよね。しかし、その一方で「水太り」という言葉を耳にしますし、「水を飲むだけでも太る」「水ダイエットは痩せない」などと言い切る人もいます。

水は、私たちが生きていくためには欠かせませんが、ダイエットにはどのような関わりがあるのでしょうか。正しい水分のとり方や1日に飲む適量についてまとめていきます。
 
<目次>

水はなぜ必要? 水が不足するとどうなるの?

ペットボトルとコップ

水はなぜ必要なのか


ダイエットの前に、健康に過ごすためにどうして水が必要で、水が不足するとどうなるのかを説明します。

私たちの体の大部分は実は水分でできています。血液や細胞の中などに含まれており、成人では約65%を占めているほどです。

血液に含まれる水分は体の隅々にまで栄養やホルモン、酸素を運び、体内の老廃物を尿として排泄する役割を持っています。また、体温調節という大切な機能にも関わっています。

体の中の水分が失われ、少なくなった状態を「脱水」といいます。この状態になると熱中症や脳梗塞、心筋梗塞などのさまざまな健康障害の原因となります。

日本人は全体的に摂取量が不足しており、平均1486mlとなっています(国立研究開発法人産業技術総合研究所)。女性は平均よりもさらに100mlほど少なく、「あとコップ2杯」の量を増やせば必要量を確保できる計算になります。まずは健康のために、水を飲むことを心がけましょう。
 

「水太り」って本当? 水分補給で太ることはある?

一方、「水を飲むだけでも太る」という意見についてはどうでしょうか。

水にはカロリーがないので、基本的には水のとりすぎで太ることはありません。ただ、塩分の摂取量が多いと体の中の浸透圧を一定に保つため、水分を溜め込もうとはたらきます。これがいわゆる「むくみ」と呼ばれるものです。

実は「水を飲みすぎたから水太りして太った」というのは間違いで、「味付けの濃い料理ばかり続いたからむくんだり、太ったりした」というのが正しいのです。つまり、水以外の食生活の背景が大きく関係していると言えます。

また、糖分が含まれる水分を摂取すると、もちろんカロリーがあるので飲みすぎれば太る原因になります。最近人気のフレーバーウォーターも、糖分が含まれているものがあるので注意しましょう。
 

ダイエット中の水の役割と必要な量

ペットボトルの水を飲む女性

水の役割ってなに?


水分は空腹感を和らげたり、食事の満足度を上げたり、代謝を良くするという役割があります。しかし一度で吸収できる量は限られていますので、多くとればとるほど良いというわけでもありません。

ダイエット中には運動をしたり、入浴を長めにしたりする人も多いでしょう。汗をかいて失われる水分が多くなる場合は、その分水を飲む量も増やす必要がありますが、特に生活強度に変化がない人は通常の必要量がとれていれば大丈夫です。通常の必要量は、成人で約1.2~1.5Lを目安にしましょう。

厚生労働省の「健康のため水を飲もう」推進運動では、1日に必要な水分は2.5Lで、飲み水としては1.2Lとしています。
 
ポスター「健康のために水を飲もう講座」

ポスター「健康のために水を飲もう講座」



また、水分の出納についての表も参考になるでしょう。

【1日の水分出納について】
1日に排泄される水分 1日に摂取される水分
尿 (※注1) 1000~1500mL 飲料水 1000~1500mL
体から蒸散する水分 900mL 食物中 800mL
糞便に含まれる水分 200mL 代謝水 300mL

※注1:尿には、不可避尿(老廃物を排泄するために必要な尿)500mL+可避尿(摂取した水分量の調節)500~1000mL。


一方で、モデルや女優さんの中には、「1日4~6リットルといったかなり多量の水を飲んでいる」という美容法を実践する方も多くいるようです。しかし、たくさん水を飲んだからといって必ず痩せるという根拠はなく、自己流でマネをすると、かえって体を壊してしまう可能性があるので気を付けましょう。

水を飲みすぎると体内の水分と塩分のバランスが崩れ、むくみ、ぽっこりお腹、手足の冷えを症状とする水毒症になってしまう場合もあります。
 

水ダイエットをするなら? 正しい水のとり方は

水を飲む女性

正しい水の飲み方は?


水分は一度に吸収できる量が決まっており、多く飲んでもただ排出されてしまうだけなのであまり意味はありません。

1回につきコップ1杯を、1日の中で数回に分けてこまめに摂取しましょう。水分摂取のタイミングは次のとおりです。

・朝起きたあと
・夜寝る前
・スポーツの前後
・入浴の前後
・食事中

基本的に、水分が失われやすい状況の前後にとりましょう。「喉が渇いたな」と感じたときには、もうすでに水分不足が始まっています。渇きを感じてから水分をとるのではなく、こまめに補給して水分不足を防ぎましょう。食事中にも水をこまめに飲むと胃腸に水分が溜まり、少ない量の食事でも満足感を上げることができるので、ダイエットにも効果的です。
いろいろなお酒

アルコールはどう考える?


また、アルコールには脱水作用があるので、お酒を飲んだあとにはしっかり水分補給をしてください。お酒の飲みすぎが心配な人は、お酒の隣に水を用意しておき、同じ量を交互に飲むという方法もあります。脱水防止だけではなく、お酒の飲みすぎ防止にもなり一石二鳥です。
 

ダイエット中の水分補給におすすめの種類と温度

ダイエット中ならもちろんジュースは控えるのが鉄則です。ノンカロリーと書いていても、規定によって100ml中5kcalまでは記載が認められており、正確にいうと0kcalではない場合があります。

さらに、甘みには依存性がありますので、ジュースだけにとどまらず甘いものから抜け出せなくなる可能性があります。本当に痩せたいのであれば甘い味を極力減らす努力は欠かせません。

また、コーヒーやお茶にはカフェインが入っているものもあります。カフェインには利尿作用があり、水分補給にはなりません。ダイエット中の水分補給は水やノンカフェインのお茶を基本としましょう。カフェイン入りのものを飲んだときには、水分補給としてはカウントせず、同量の水をとるようにしましょう。

冷たい水は体に染みわたりとてもおいしく感じますが、体を冷やしてしまいます。体温が高いほど代謝は上がりますので、ダイエット中は体を冷やさないほうが効率的。水分補給をするときは常温以上で飲むのがおすすめです。

ダイエット中の正しい水分のとり方と適量は以上です。水分補給は健康維持にも重要で、ドリンクを飲んでいるつもりでも、実はすでに水分が足りていない人も少なくありません。その上、ダイエット中は汗をかいて水分が失われる機会が多くなります。モデルや女優さんをマネてガブ飲みする必要はありませんが、「喉が乾く前に水分補給!」「あとコップ2杯の水を!」を合言葉に代謝の良い体づくりをしていきましょう。
 

よくある質問

Q. 「水を飲むと痩せる」というのは本当ですか?

A. 水を飲めば体重が落とせるわけではありませんが、水は0キロカロリーなので太る心配はありません。空腹時や食前に水を胃腸に入れておくと満腹感を得られ、食べ過ぎを防止するメリットがあります。

Q. 「水を1日2リットル飲むと痩せる」というのは本当ですか?

A. 水をどのくらい飲めば痩せるという根拠はありません。必要な水分量は人それぞれ違うので、自分の活動や食事に合わせて摂る必要があります。水分量に捉われすぎず、食事や生活全般も見直しましょう。

Q. ダイエット中に水分を多く摂ることでリスクはありますか?

A. 水を飲みすぎると水毒症という疾患のリスクが高まります。水毒症は血液中のナトリウムの濃度を低下させ、めまいや頭痛、頻尿、下痢などを起こす可能性があります。水の飲み過ぎは危険なので注意しましょう。

Q. ダイエット中のむくみの原因は「水分の摂りすぎ」なのでしょうか?

A. 水分ではなく「食塩の摂り過ぎ」がむくみを招く原因です。血中のナトリウム濃度が高まると、水分を溜め込んで濃度を一定に保とうとし、水分の排出が抑えられ、むくみを引き起こしやすくなります。

Q. ダイエット中の水分補給は、お茶(緑茶や麦茶など)などでもいいのでしょうか?

A. ダイエット中は砂糖の入っていない飲みものがおすすめです。水はもちろん、緑茶や麦茶などのお茶類もよいでしょう。カフェイン入りの飲みものは利尿作用があるため、水分補給には適していませんが、お楽しみ程度の位置付けで楽しみながら取り入れましょう。

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※ダイエットは個人の体質、また、誤った方法による実践に起因して体調不良を引き起こす場合があります。実践の際には、必ず自身の体質及び健康状態を十分に考慮したうえで、正しい方法でおこなってください。また、全ての方への有効性を保証するものではありません。

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