システムキッチンとはキャビネットを組み合わせ天板と一体化
セラミックトップならではの風合いや深みのある色彩を同調させたコーディネートのキッチン。インテリアとしての美しさと使いやすい機能を持つ。[リシェルSI] LIXIL
また、メーカーのキッチン商品には、流し台や調理台、コンロ台などの独立したキャビネットを並べて配置する、セクショナルキッチンと呼ばれるタイプがあります。システムキッチンに比べ、シンプルで安価なタイプが多くみられますが、デザイン性も使い勝手も高い商品も揃っています。
設置する条件などにあわせたシステムキッチン商品の種類
■新築向け・リフォーム向け間口はそのままで使いやすいレイアウトを選ぶことが可能。コンパクトな奥行きのプランも揃う。 [リフォムス 施工例 ローステップ対面プラン キッチン部・カップボード部:X40チェリー柄(XP)] パナソニック エコソリューションズ
既存の空間に合わせることができるように、施工方法に工夫を施したり、パーツを揃えたものなどが多くみられるのが特徴。たとえば、既存の空間の間口や高さ、梁、窓の大きさなどに合わせて調整が可能なタイプ、限られたスペースでも設置できるコンパクトな奥行きのもの、配管などの設置がしやすいタイプなど、空間が狭い集合住宅でも取り入れやすいような商品が多く揃っています。
その他、セクショナルキッチンからシステムキッチンに簡単にリフォームできるタイプなどもみられます。
■コンパクトキッチン
シングルからDINKS、ファミリーまでさまざまなライフスタイルに適するプランが可能なコンパクトキッチン。[サンファーニ ティオ] LIXIL
■高齢の方や車椅子を使用されている方向け
キッチンだけでなく住宅設備機器全般にみられるのがユニバーサルデザイン。キッチン商品としては、高齢の方や車椅子を使用されている方に使いやすいように配慮したタイプもみられます。
座ったままでも調理しやすいタイプ、移動を助ける手すりを設けたもの、操作しやすい調理機器や水栓金具などもあります。通常のシステムキッチン商品の中で、バリアフリーを考えたタイプ(プラン)を用意しているケースもあります。
価格帯ごとに商品シリーズが揃う。取り入れるアイテムで費用は変わる
スタイリッシュで機能的。機能も価格もシンプルなシステムキッチン。[ミッテ フラット対面型壁付け] TOTO
注意したいのは、同じシリーズの中でも、間口サイズやレイアウトはもとより、扉材や取り入れるビルトイン機器やオプションアイテムなどによって価格は大きく変わるということ。プランニングによっては、普及タイプでも高額シリーズよりも高くなることもあります。
選ぶ際には、そのシリーズの基本仕様(標準仕様)に何が含まれ、どのようなグレードのものかの確認を。手ごろな価格のシリーズを選んでも、希望するアイテムや機能が基本仕様に含まれていなければ、オプション等で追加することになり、最終的に費用がアップしてしまうこともあるからです。
システムキッチン商品の最新トレンド
各メーカーの最近の商品トレンドは、インテリア性が高まっていること、調理や食事を楽しむことができるプランづくりが可能なこと、住まい空間全体でもトータルなコーディネート提案が増えていること、などが挙げられるでしょう。
■インテリアとして美しいデザインのキッチン
最近の新商品をみてみると、デザイン性により配慮されたタイプが多くみられるようになりました。LDKがひとつの空間となった間取りプランが増えてきたこともあり、ダイニングやリビングとのコーディネート、くつろぎの場からの見え方などを意識した、家具のようなキッチンが揃っています。
インテリアの印象を左右する扉材のバリエーションはもとより、キャビネットデザイン、換気扇や水栓金具など、空間に馴染むタイプから空間のアクセントとなるようなスタイルまで、豊富なアイテムがみられます。インテリアに馴染みやすい人工大理石のワークトップ、IHクッキングヒーターだけでなくガスコンロもすっきりとしたデザインのタイプなど、好みのコーディネートを楽しむことが可能でしょう。
■家族や友人と調理や食事を楽しむことができるキッチン
IHクッキングヒーターの対面操作が可能なダイニングテーブルを持つタイプ。温かい料理を家族で囲むことも。[Lクラスキッチン ラウンドアクセス ガラステーブルプラン] パナソニック エコソリューションズ
商品によっては、ダイニングを含めた新しいキッチンスタイルを提案したタイプも。ワークトップカウンターとダイニングテーブルが一体化したもの、ダイニングテーブルにIHクッキングヒーターを組み込み調理しながら食事ができるような商品も揃っています。
■水まわりスペース、内装建材とのコーディネートできるキッチン
さまざまなインテリアやLDK空間に溶け込むデザインのキッチン。水まわりのイメージをトータルでコーディネートできる。 [ザ・クラッソ セレクトコーディネート] TOTO
また、メーカーによっては、室内建材と扉材のコーディネートが可能な場合も。フローリングや室内扉(ドア)などの素材や色などを揃えることができるので、まとまりのある空間が実現できます。いずれの場合でも、住まい全体で検討することが大切でしょう。
ショールームでは素材感や使い勝手の確認を。実際に操作して
システムキッチンを選ぶ際には、必ずショールームに足を運び、実物で比較検討を。商品シリーズごとの特徴を理解して、わが家のプラン、希望や予算などに適したシリーズを検討すること。住まい全体の間取りや予算にも関わるので、設計担当者と同行する方がいいでしょう。商品ごとの細かい特徴は、ショールームのアドバイザーから説明を受けることをおすすめします。ショールームでは、システムキッチン単体だけでなく、LDK空間などの展示も多くみられるので、スペース内に身を置いて体感すること。リビングとのつながり、用いる機器や扉材の組み合わせ方など、日々の暮らしをイメージしながら確認するようにしましょう。
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