高齢者の平均貯金額は1786万円、貯蓄ゼロは2割弱

「老後2000万円問題」ともいわれる、老後に2000万円が必要説。それぞれの生活や公的年金額によって、一概にいくら必要などいい切れません。しかし、老後の生活を考えるときに、心配の多くはお金についてでしょう。
 
では、高齢者世帯は実際にどれくらいお金を貯めているのでしょうか? 金融広報中央委員会が調査した「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査][単身世帯調査](2020年)」のデータからみてみましょう。
二人以上世帯での世帯主の年齢が70歳以上年収別の金融資産の有無、平均値、中央値。金融資産無が18.6%と2割弱は貯蓄ゼロとなっている 出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」[二人以上世帯調査] (2020年)

二人以上世帯での世帯主の年齢が70歳以上年収別の金融資産の有無、平均値、中央値。金融資産無が18.6%と2割弱は貯蓄ゼロとなっている 出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」[二人以上世帯調査](2020年)


上の表は2人以上世帯で世帯主の年齢が70歳以上の金融資産保有状況を年収別に調査したものです。ここでいう金融資産は、運用のためまたは将来に備えて蓄えている部分で、現金や預貯金で日常的な出し入れ・引落しに備えている部分は除いたものです。

全体では金融資産非保有が18.6%。なんと、2割弱は貯蓄ゼロということ。また、平均は1786万円、中央値(*)は1000万円でした。

*中央値:金額順に並べた時の真ん中になる値
 

収入なし世帯:平均貯蓄1198万円、中央値860万円

年間収入別にみてみると、収入なし世帯のうち11.1%が貯蓄ゼロ。周りからの支援を受けて生活しているのでしょうが、なんとも心もとない状態です。とはいっても、平均は1198万円ですが中央値が860万円と、他の収入あり世帯と変わらない金額。現役時代にしっかりと貯めてきている様子がわかります。
 
70歳以上世帯で一番世帯数が多いのが年間収入300~500万円、次いで300万円未満となります。このゾーンも、金融資産非保有は2割弱から3割弱。貯蓄を切り崩しながら生活している世帯が多いことでしょう。資産の目減りを防ぐためにも、少しでも働いて収入を得ることが大切なことかもしれません。
 

シングル60代 貯蓄平均1305万円。無収入の6割が貯蓄ゼロ

単身世帯での世帯主60歳代の金融資産保有有無と平均値と中央値。 出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」[単身世帯調査](2020年)

単身世帯での世帯主60歳代の金融資産保有有無と平均値と中央値。 出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」[単身世帯調査](2020年)


単身者60歳代の貯蓄状況もみておきましょう。60歳代といえばまだ高齢者と呼ぶには早い人もいるでしょうが、高齢者予備軍といえますね。
 
全体の貯蓄平均は1305万円、中央値は300万円と、2人以上世帯70歳以上のデータよりは、低い傾向となっています。特に注目したいのが、収入無し世帯で貯蓄ゼロが61.5%とかなり高い割合となっているところ。60歳代も体の許す限りは、就労などで収入を得ると状況は変わってくるのでしょう。
 

高齢者世帯:貯蓄ありの最多層は3000万円超え

二人以上世帯での世帯主の年齢が70歳以上年収別の金融資産の分布 出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」[二人以上世帯調査] (2020年)

二人以上世帯での世帯主の年齢が70歳以上年収別の金融資産の分布 出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」[二人以上世帯調査](2020年)


上の表は、高齢者世帯のうち、貯蓄分布を年収別にみたものです。一番分布が多い層には色を付けています。
 
収入ありの層で一番分布が多いのは、貯蓄3000万円以上となっています。収入なしは調査数が少ないため、参考程度にしておいたほうがよいでしょうが、貯蓄2000~3000万円未満が一番多くなっています。年収300万円から750万円未満は、金融資産の低額から高額までまんべんなく散らばっている感じです。
 
収入あり世帯では、金融資産3000万円以上が一番多く、年収500万円を超えると4分の1が、年収1000万円を超えると半数以上が貯蓄3000万円以上という結果に。
 
会社員などは退職金でしっかりと貯蓄を確保しているのでしょう。貯蓄ゼロと貯蓄3000万円以上世帯が多くなるU字型の分布となっています。高齢者の貯蓄も格差が広がっています。貯蓄2000万円をクリアしている世帯は一定数あるようですが、貯蓄がゼロやそれに近い世帯があるのも事実。それぞれ貯蓄をしっかりと確保し、安心して老後生活を送れたらいいですね。

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