DIY・日曜大工

フローリングの床をDIY! 賃貸でもできる簡単な方法とは

床を簡単に模様替えできたら、嬉しいですよね。「フローリングの床をDIYで変えるのは難しい……」という印象があるかもしれませんが、簡単にチャレンジできる方法もあります。しかも元に戻せるので、賃貸住宅でも大丈夫!

番匠 智香子

執筆者:番匠 智香子

DIY・日曜大工ガイド

フローリングの床をDIY! 元に戻せるから安心

フローリングの床をDIY! 簡単で賃貸でもOKな方法

原状回復可能なのでチャレンジしやすいフローリング材です


もし床を簡単に模様替えできたら、嬉しいですよね。フローリングの床をDIYで変えるのは難しい!という印象があるかもしれませんが、気軽にチャレンジできる方法があるのをご存知でしょうか。それは「既存の床に、上貼りする・置いて並べる」という方法です。

既存の床を剥がして、新しいフローリング材を貼りかえる場合は、難易度の高いDIYになります。ですが、既存の床に上貼りする、置いて並べる作業であれば、気軽にチャレンジできるはず。原状回復が可能なので、賃貸住宅でも試しやすいのではないでしょうか。
 
<目次>
 

床に上貼りする「吸着フローリング」を使った方法

今回は、既存の床に上貼る吸着フローリングの貼り方をご紹介します。使うのは「吸着フローリング」という商品。床にくっつき、剥がすことができるフローリングです。失敗したらと不安に思う方や、賃貸住宅にお住まいの方、また後で原状回復をしたい方に向いています。
貼ってはがせるフローリング

「吸着フローリング」の透明フィルム

吸着フローリング

曲尺をつけてみたら逆さまにしても落ちません

「吸着フローリング」は裏面に吸着材を使用していますので、剥離紙を剥がして押し付けるだけ。長さ調整もカッターを使って切ることが可能です。
 

「吸着フローリング」を使った模様替え・注意点

「吸着フローリング」は、平滑な床面に取り付けられます。下地材や凹凸のある場所や、ザラザラしている面などには、取りつけができない場合もあります。

また、フローリング材の表面が傷んでいる場合は、充分貼りつかなかったり、剥がす時にさらに傷んでしまったりする可能性もあります。原状復帰が必要な場合は、貼る面を事前によく確認しましょう。

また、フローリングに上貼りする場合は、ドアの開閉を妨げてしまったり、間仕切りに段差ができてしまったりすることも考えられます。ここも、貼る前に確認しておきましょう。
フローリングundefined注意点undefined

ドアにぶつからないか確認しましょう

 

いろいろな種類がある、原状回復可能なフローリング材

吸着フローリングの他に、両面テープで貼る「床デコ」や、はめ込んで敷くだけの「デコクリック」など、さまざまな種類が市販されています。両面テープで貼る「床デコ」も下地シートを敷いた上に貼ることで原状復帰可能です。「デコクリック」はフローリング材同士のロックをはめ込んでつなげていくので、下地を傷めることがありません。
原状回復できるフローリング

デコクリックははめ込みタイプです

それぞれの製品のサイズは、以下のとおりです。
  • 吸着フローリング:4×150×90mm
  • 床デコ:2.5×101×914mm
  • デコクリック:4.5×145×90mm
柄や金額など、それぞれに特徴があるので、用途に合わせて選んでください。
 

「吸着フローリング」の貼り方(準備するもの・手順)

■準備するもの
フローリング道具

ピンク色がガード付き定規

  • 吸着フローリング(アッシュ。色は5種類、費用はおよそ1畳1万円)
  • カッター
  • カッターマット
  • 鉛筆
  • メジャー
  • 曲尺
  • ガード付きの定規
  • サンドペーパー(120番)
  • 厚紙
  • マスキングテープ
  • 厚紙
  • (必要によっては、のこぎり)
■手順
1.作業前の準備として、床をきれいにする
家具や物をできるだけ部屋から出します。出せない場合は、できるだけ1カ所にまとめておきます。何もない状態の方が、作業がはかどります。

そして、固く絞った雑巾などで、床面の汚れやホコリをきれいにします。汚れが残っているとしっかり吸着しない場合がありますので、しっかり取り除いてください。
シール剥がしundefinedフローリング

シールは温めると剥がしやすくなります

床にこびりついてしまった汚れやシールなどもきれいにします。シールが剥がれづらい場合は、ドライヤーなどで温めるときれいに剥がれます。熱くなるので、火傷に気をつけてください。剥がす時にプラスチックのヘラがあれば便利ですが、ない場合は、身近なカードやパンの袋閉じのプラスチックなどが役立ちます。

2.仮置きをして、貼る位置を決める
カッターでカットはできますが、カットが少なく無駄の少ない方が、作業が楽になります。まずは掃除した面が乾いてから、裏面のフィルムを剥がさない状態で仮置きをして、貼る位置を決めます。部屋の長手方向に合わせて貼る貼り方が一般的ですが、方向は自分の貼りやすい方向でOKです。
フローリング材並べ方

余りがどのくらい出るか確認しましょう

まずはフローリング材の長手方向に並べてみます。もし最後の長さが短くなってしまう場合は、長さの調整が必要になります。メーカー推奨は50mm以上なので、よく歩く場所は、なるべく長さのあるものを貼るようにしましょう。
フローリング材並べ方

フローリング材を並べて左右の余りを確認します


次に短手方向、壁から壁に並べてみます。最後の余った幅が狭くなってしまう場合は、左右の位置を調整します。幅をカットした材料を両端に使えると効率的です。

3.貼る順番を決める
貼る順番は、壁側から順番に貼る方法と、部屋の中心から壁側に貼っていく方法と2種類あります。16畳以上の広い部屋の場合は中心から貼っていく方が歪みを抑えることができます。部屋の中心はメジャーで計測した寸法ではなく、フローリング材の壁側左右を調整して並べた真ん中の材料を基準とします。
フローリングの貼り方

収納庫部分の切り込みがあるので壁際はガイド板に

壁側から貼る場合は、板の調整がある場合は短手方向に並べた壁から2番目の材料から貼り始めます。もし反対壁側のと幅調整がなければ、そのまま壁に沿って1枚目を貼ることができます。

4.1列目を貼る
貼り始めと貼る順番が決まったら、1列目を貼ります。裏の透明フィルムを剥がします。フィルムを剥がしづらい場合には、マスキングやセロテープをフィルムの角に貼ると、簡単に剥がすことができます。
フローリング貼り方

継ぎ目がずれないように定規などで確認


フィルムを剥がしたフローリング材を決めた位置に置き、しっかり上から押さえます。フローリング材が動かないか確認しましょう。2枚目は、継ぎ目が揃うように同様に取り付けます。

5.2列目以降を貼っていく
フローリングの継ぎ目が揃わないように貼っていきます。わかりやすい貼り方は、900mmを貼って、2列目の初めは450mmを貼っていく、という方法です。2列事に継ぎ目が揃います。列の貼り終わりに調整カットが必要になった場合は、その分無駄が出ます。
フローリングundefined継ぎ目

450mmずつ貼ったフローリング

次に流し貼りといって、一列目を貼って、最後にカットした材料を2列目の貼り始めに使う方法があります。これを繰り返すと、無駄が少なくて済みます。階段状の継ぎ目になります。

6.材料の寸法を取る
半端な寸法の場合は、カッターでカットします。カットする材料の寸法は、実寸合わせで印をつけます。
フローリング調整カット

カットする材料の上にガイドの板を壁側に突き当ててのせます

まず貼ってあるフローリング材の上にカットするフローリング材をピッタリ重ねて置きます。そしてカットしていないフローリング材を壁に突き付けて置き、線をひきます。
フローリング調整カット

ガイドの板に沿って線をひきます。


線を引いた裏面に曲尺を使っても線を引きます。両面の線がずれているとカットした断面がきれいになりません。

7.カッターでカット
フローリング調整カット

ガード付きの定規を使うことをおすすめします

カッターマットの上で、フローリング材の線に合わせてカッターで数回、切り込みを入れます。最初はすべりやすいので、軽く切り込みを入れておいて、カッターの刃が安定するようになったら、少し強めに切り込みを入れます。
フローリング調整カット

表側に比べて裏側はやわらかいので簡単に切れます

裏側も同様に切り込みを入れてください。
フローリング調整カット

表裏と切り込みがピッタリだときれいに折れます

そして折り曲げて切り離します。切り込みが浅いと表面がガサガサになるので、ある程度切り込んだ方が切り口がきれいです。
フローリング調整カット修正

紙やすりで表面を整えます


ガサガサになっている面は紙やすりで平らに整えます。カットした面はできるだけ継ぎ目に使わず、壁側に使うようにしましょう。カッターの刃は常に切れる状態にしてください。不安な方は、作業用手袋をすると安全です。

8.凹凸などの寸法取り
部屋に凹凸がない場合は貼りやすいのですが、凹凸部分が多いと加工が大変になります。
入隅出隅フローリング調整

複雑な凹凸は厚紙に切り込みを入れて型取ります

寸法だけでは間違えることもあるので、型紙を作ってフローリング材をカットした方が、間違いが少なくなります。
入隅出隅フローリング調整

型紙をマスキングテープでしっかりとめて切り抜きます

カッターでカットはできますが、表面が固いので、それほど簡単ではありません(その分、敷いた後は傷がつきづらくていいのですが)。
入隅出隅フローリング調整

合わせるのは意外と難しく難易度の高い作業になります

上手く加工ができれば、見た目はとてもきれいです。かなりの達成感も感じられます。カッターだけではなく、R加工が必要な場合は、ハンドルーターなどの工具がほしいところです。
入隅出隅フローリング調整

直線と斜めカットのみなのでカッターで簡単に切れます

写真のような複雑な形で、カッターでのカットが難しい場合は、直線カットですき間を埋めるようにした方が簡単です。幅が細いとメーカー推奨の吸着力は落ちますが、加工が難しいと時間がかかってしまったり面倒になってしまったりするので、自分ができる方法で行いましょう。

貼った後の少しのすき間や段差が気になる場合は、見切り材があるので、活用してください。
 

床の模様替え・ビフォーアフター

フローリング床プチリフォーム

築16年のフローリングはかなり傷んでます

フローリング床プチリフォーム

鉛筆の線が拭けば消えるのでお掃除も楽そうです


すき間や凹凸などで苦労することもあるかもしれませんが、貼った後は部屋も明るく、多少のクッション性があるので足にも優しく感じます。
 

模様替えした床を、原状回復したくなったら?

使わなくなってしまったり、引っ越しをしたりというときには、剥がしてまた使うことも可能です。

しかし剥がせるとはいえ、結構な吸着力です。女性が剥がすには、爪が折れてしまうのが心配なので、プラスチックのヘラやいらないカードを使いましょう。角に差し込んで少し持ち上げると、あとは簡単に剥がすことができます。
フローリング床プチリフォーム

金属は床を傷つける可能性があるので薄いプラスチックを使いましょう

作業日も短く、準備を含めて1日から2日でできると思います。何より剥がすことができるので、失敗を恐れずチャレンジできるところが良いところです。

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