絵本/お悩み解決・生活習慣の絵本

寝る前の読み聞かせに! 子どもを眠りに誘うおすすめ絵本10選

子供の寝かしつけに役立つ眠りに誘う絵本10選。赤ちゃんから幼稚園・保育園に通う子供まで、寝る前の読み聞かせにぴったりの「おやすみなさいの絵本」をご紹介します。お疲れ気味のママ・パパへのプレゼントにもおすすめです。

高橋 真生

執筆者:高橋 真生

子育て・教育ガイド

子供が寝る前の読み聞かせにピッタリ! おやすみなさいの絵本

寝る前の読み聞かせにおすすめの絵本

寝る子は育つ! 寝る前に必ず読むお気に入りができるといいですね

1日の最後の大仕事― それは、子どもを寝かしつけること!? 夜、お子さんが眠る前に絵本の読み聞かせをするというご家庭は多いようですが、「なかなか寝てくれない」「疲れていて絵本を選ぶ元気がない」など様々なお悩みもお聞きします。

そんなときにはお気に入りのおやすみなさいの絵本の出番です。読めば寝るという即効性はないかもしれませんが、明るく穏やかな気持ちになったり、ゆっくりとまぶたが重たくなってきたりと、眠る準備ができる絵本ばかりです。

お疲れ気味の大人の方も、ぜひどうぞ!
   

ロングセラー絵本『おやすみなさいフランシス』

『おやすみなさいフランシス』(世界傑作絵本シリーズ・アメリカの絵本)

『おやすみなさいフランシス』(世界傑作絵本シリーズ・アメリカの絵本)


『おやすみなさいフランシス』は、あなぐまのフランシスシリーズの1作。幼児だけでなく少し大きくなった子の心もつかむこのシリーズの魅力は、その親しみやすさにあります。

淡くやさしい色を背景に、黒い鉛筆で描かれたむくむくとして愛らしいフランシス。でも、フランシスは、単純な「いい子」ではありません。理屈っぽくて、食いしん坊。いたずらや意地悪をしたり、妹にやきもちを焼いたり、好きなものばかり食べたがったり…… これって、誰かさんと同じですよね。
 
『おやすみなさいフランシス』中ページ

フランシスは、自作の歌もよく歌います。明るく、さらっと、ジメジメと…… フランシスの気持ちで歌ってみてくださいね!


『おやすみなさいフランシス』は、なかなか眠れないフランシスが、何やかにやと理由を見つけては、お父さんとお母さんのところに戻ってきてしまうというお話。

もはや「攻防」とも言えるこの物語、きっと子ども大人も、分かる分かるとうなずいてしまうことでしょう。お父さんとお母さんのあたたかく(そして現実的な)対応も、愛情たっぷりで、気持ちのよい絵本です。

【書籍データ】
書名 『おやすみなさいフランシス』(世界傑作絵本シリーズ・アメリカの絵本)
文 ラッセル・ホーバン
絵 ガース・ウィリアムズ
訳 まつおかきょうこ
出版社 福音館書店
価格 1188円
対象年齢 4歳から
 
■もう少し小さいお子さんなら……

 

ことばも絵も、とびきり美しい『おやすみ おやすみ』

『おやすみ おやすみ』

『おやすみ おやすみ』


「クマは ながい ながい ふゆの あいだ くらい すあなで ぐっすり ねむります」「ハトは からだを よせあって、ほかほか クウクウ ねむります」― 『おやすみ おやすみ』には、いろいろな生きものが眠る様子が描かれています。

ベースは温かみのある濃いグレーと白。生きものや植物などには、控えめながら美しく色が施されています。デザインされた文字も、柔らかく絵の中に溶け込んでいます。

また、生きものたちを見つめるその視点は、当たり前のようでいて、大人でも改めて「そうだな」と気付かされることばかりです。「いけに ぽっかり さいた はなのように」眠るシラサギに、「ぎんの レースに ポツポツ ついた、くろい インクの しみ みたい」に眠る小さなクモ。詩情あふれることばに心が満たされていきます。

静かな夜に包まれて、世界はみな眠りにつくのですね。それでは、「おやすみ おやすみ、よい ゆめを」。

【書籍データ】
書名 『おやすみ おやすみ』
文 シャーロット・ゾロトウ
絵 ウラジミール・ボブリ
訳 ふしみみさを
出版社 岩波書店
価格 1650円
対象年齢 3歳から
 

動物たちの寝顔から目が離せない写真絵本『ねんね』

『ねんね』

『ねんね』


「こぎつね ねんね なかよし ねんね」「いっしょが だいすき ねんね ねんね」ライオンやゴリラ、シロクマやイヌなど、たくさんの動物たちの寝顔が集められた写真絵本です。

どの動物の寝顔もとびきり幸せそうで、ページをめくるたびに「わー!」「かわいいねえ」と声が出てしまいます。珍しいキリンのねんねや、絶妙なバランスで眠るコアラの「あらよっと ねんね」は大人も気になるところですが、それ以上に、目を丸くして写真に見入る子どもたちの表情をお見逃しなく。

短いことばの連なりがリズミカルなので、小さな子もすぐに覚えて一緒に読んでくれます。「おしまい」と絵本を閉じたら、「○○ちゃんのねんねのお顔はどんなかなー」と、そっと眠りに誘ってみてくださいね。

そしてなんと、最後のページには、自分で好きなねんねの写真を貼ることができます。お子さんのいるご家庭はもちろん、動物の好きな方やちょっぴりお疲れの大人の方への贈りものにもおすすめです。

【書籍データ】
書名 『ねんね』
文 さえぐさひろこ
出版社 アリス館
価格 1320円
対象年齢 1歳から
 

 

心と身体の力が抜けて、ぽかぽかにあたたまる『おやすみ、ぼく』

『おやすみ、ぼく』

『おやすみ、ぼく』


表紙を開き、ページをめくった瞬間に「わあ、かわいい」という声とため息が聞こえたことがあります。そこには、遊びながらそのまま眠り込んでしまったところをお母さんに抱っこしてもらっている、オランウータンの男の子がいました。

「おやすみ、ぼくの あしさん きょうも うーんと はしったね」「おやすみ、ぼくの ひざさん ありがとう ぼくを ささえてくれて」オランウータンのぼくは、自分の身体の一つひとつにおやすみをします。

ゆっくりゆっくり読みながら、ぼくと一緒にお子さんの身体をなでてみてください。きっと、とろけるようにあたたかなひと時が訪れますよ。

そしてぼくは、お母さんにもおやすみをしてくれます。もうちょっとそばにいてほしいと甘えるぼくに、少し大きくなった子も、うれしそうな表情を見せてくれます。「ぼく」が人間の男の子ではなく、限りなく人に近いオランウータンだからこそ、ふっと心が開くのかもしれませんね。大人の方にも、おすすめの絵本です。

今日も1日がんばったね― 自分のことも誰かのことも、そんなふうに思って1日を終えられたら、きっと次の日も大丈夫。「おやすみ、ぼく」「また、あした」……。

【書籍データ】
書名 『おやすみ、ぼく』
文 アンドリュー・ダッド
絵 エマ・クエイ 
訳 落合恵子
出版社 クレヨンハウス
価格 1650円
対象年齢 3歳から
購入はこちらから(クレヨンハウス)

 

怖いものなし『しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん』

『しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん』

『しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん』


寝る前に、男の子がそっとお願いします。「しきぶとんさん しきぶとんさん あさまで ひとつ おたのみします」「どうぞ わたしの おしっこが よなかに でたがりませんように」。すると答えるしきぶとんさん、「まかせろまかせろ、おれにまかせろ」……。

子どもたちのささやかながら重大な心配を、朝まで一緒のしきぶとんさんとかけぶとんさんとまくらさんが、力強く引き受けてくれます。

自分のことを「おれ」というかけぶとんさんたちは、どこまでも頼もしくユーモラス! 子どもたちはくすっと笑いながら心底ほっとすることでしょう。たとえばお母さんに優しく包んでもらうのとはまた違う、大きな安心感がそこにはあります。
 
中ページ

癖になる「まかせろ まかせろ」。読むのが楽しいリズミカルな文章も魅力的


著者の高野文子さんは『るきさん』などで知られる人気の漫画家。『しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん』は、高野さん初の絵本ですが、ぼくやかけぶとんさんたちの表情や色遣いに絵に見られる遊び心など、隅から隅まで見どころ満載です。

【書籍データ】
書名 『しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん』
作・絵 高野文子
出版社 福音館書店
価格 990円
対象年齢 3歳から
 

 

■大人向け高野文子さんの本

 

美しい色と優しいことばで眠りを誘う『くーくーねむりんこ』

『くーくーねむりんこ』

『くーくーねむりんこ』


「くーくー すやすや ねむりんこ かわいい ねいきが きこえます ねむっているのは だあれかな」

ねこやいぬ、ぞうさんと、いろいろな生きものが「くんくん」「ばおばお」「ゆらゆら」とまどろんでいます。みんなかわいらしい寝顔をしていて、今にも寝息が聞こえてきそう。

この絵本は、深く息を吸って、どうぞゆっくりゆっくり読んでください。「くーくー」「ねむりんこ」のくり返しに、心もまぶたも、とろとろになってしまいます。

愛らしい絵と幻想的で美しい色遣いも印象的で、眠る前に読んだらいい夢が見られそうな、リラックスできる絵本です。

【書籍データ】
書名 『くーくーねむりんこ』
著 南 椌椌
出版社 アリス館
価格 1200円
対象年齢 1歳から
購入はこちらから(アリス館)

 

■赤ちゃんと読みたいおやすみなさいの絵本

 

おふとんかけたらどうなるの? 変化が楽しい『おふとんかけたら』

 
『おふとんかけたら』

『おふとんかけたら』


たこさんが、両手(?)をそろえて寝ています。かけぶとん、かけてあげましょうね。「たこさん たこさん おふとん かけたら」……「くーるくる」たこさん、8本の足でかけぶとんに抱き着いてしまいましたよ。

次はソフトクリームのソフトさんで、その次は…… というように、『おふとん かけたら』は、眠たくなってしまったみんなに「おふとん かけたら」どうなるか、ページをめくってその変化を楽しむ絵本です。

「次は誰かな?」「おふとんかけたらどうなるのかな?」と、子どもたちも興味津々。ことばのリズムの面白さや意表を突く展開に、1歳くらいから小学校低学年まで、幅広い年齢のお子さんが大笑いしてくれます。

読むとまぶたが重たくなるような絵本ではありませんが、「ぬーくぬく」「おやすみなさい」と楽しく眠りにつくことができることでしょう。

作者は、ファーストブックとしても人気の「だるまさん」シリーズでおなじみの、かがくいひろしさん。『おふとんかけたら』も細部まで遊び心いっぱいです。おふとんの模様も、お見逃しなく。

【書籍データ】
書名 『おふとんかけたら』
作 かがくいひろし
出版社 ブロンズ新社
価格 935円
対象年齢 1歳から
 

 

眠れないときはどうする? 『ねないこどのこ』

『ねないこどのこ』

『ねないこどのこ』


お日さまが沈んでもまだまだ眠たくない、10匹のひつじの子。でも、牧場を駆けまわるうちに、1匹、また1匹とねんころり。さて、「ねないこ どのこ なんびきだ?」

子どもたちは、一生懸命絵を見つめます。「ひつじが いっぴき、かきねの ちかく」「ひつじが いっぴき、もんの した」― はじめはあちこちで眠ってしまった子ひつじたちを探すのに必死で、眠るどころか目がぱっちり開いてきますが、何度も読んでいるうちにだんだんとまぶたが重たくなってくるようです。

ひつじがいっぴき、ひつじが…… そう、眠れない子ひつじに、母さんはこう教えます。眠れないときには、「ひつじの かずを かぞえてごらん」

ゆったりと、静かに、穏やかにお読みください。

【書籍データ】
書名 『ねないこどのこ』
文 フィリス・ルート
絵 スーザン・ゲイバー
訳 野の水生
出版社 フレーベル館
価格 1430円
対象年齢 5歳から
購入はこちらから(フレーベル館) 
 

心配事があって眠れないときには『あすはきっと』

『あすはきっと』

『あすはきっと』


たとえ小さな子でも、何かが心配で眠れないことはあるのです。今日してしまったケンカ、明日待っている苦手なこと― うまくことばにして伝えられずに、一人で悩んでしまうことだってあります。意識がなくなる「眠り」そのものが怖い子もいます。

そんなときに読みたいのが『あすはきっと』。「あす」はこんな声で始まります。「うあい、あかるい おひさまあ! あさごはんが たべたいや!」

今日できなかったことも、明日はいっぱいできる。楽しいことがいっぱいあるよ。なくしたものを見つけたり、新しい友だちに会ったりするよ。できなかったことが、できるようになるよ。

明るい絵と共に示される前向きでストレートなメッセージに、うつむいていた子もにこっとほほえんでくれます。そう、『あすはきっと』には、たっぷりの希望がつまっているのです。

「あすは、なにから なにまで、ずっと きょうより よくなるよ」だから、安心して、ぐっすり眠ってね。

【書籍データ】
書名 『あすはきっと』
文 ドリス・シュワーリン
絵 カレン・ガンダ―シーマー
訳 木島始
出版社 童話館出版
価格 1300円
対象年齢 5歳から
購入はこちら(童話館グループ)
 

世界中で愛されるおやすみなさいの名作『おやすみなさいおつきさま』

『おやすみなさいおつきさま』

『おやすみなさいおつきさま』


『おやすみなさいおつきさま』には、暖炉の火がいかにも暖かそうな、大きな緑のお部屋の中で、うさぎの子が眠りにつくまでのひとときが描かれています。一見単純に見えるかもしれませんが、端々まで工夫されている絵本ですので、ぜひお見逃しなく!

たとえば、少しずつ薄暗くなっていく部屋の中の、その時間の変化はなんと時計の針や月の動き方と呼応しています。さらに、ねずみやねこ・風船も、各ページでそれぞれに動いているので、その変化もお楽しみください。うさぎの子も寝てしまった音のない部屋で、お月さまを見つめるねずみは、さて、何を思っているのでしょうか?

読むときは、ゆっくりゆっくりと声に出すこと。「おやすみ おへや」「おやすみ おつきさま」のくり返しが心地良く、きっと穏やかで優しい気持ちになれるでしょう。さあ、あなたも、そろそろおやすみなさい。誰かに「おやすみなさい」という幸せも教えてくれる絵本です。

【書籍データ】
書名 『おやすみなさいおつきさま』
さく マーガレット・ワイズ・ブラウン
え クレメント・ハード
やく せたていじ
出版社 評論社
価格 1320円
対象年齢 2歳から

 

■同じコンビの作品、『ぼくにげちゃうよ』の一場面が、額に入れて飾られています。ぜひあわせてお読みください。

 

お父さんとお母さんがきっと共感できる「おやすみなさい」はこちら!

■『しーっ! ぼうやがおひるねしているの』(ミンフォン・ホ作、ホリー・ミード絵、安井清子訳、偕成社)
■『ねんね』(ジャン・オームロッドぶん・え、‎ほしかわ なつよ訳、童話館出版)

 

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