サロン・デュ・ショコラ2018で読者が買ったベスト6!
サロン・デュ・ショコラ2018を解説!
チョコレートファンのみなさん。予習は進んでいますか?パリ発、チョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」が、今年は1月22日から28日まで新宿NSビルで開催されます(エムアイカード会員のための特別ご招待日は20日・21日)。サロン・デュ・ショコラの公式ガイドブック「サロン・デュ・ショコラオフィシャルムック2018」を購入して、もう読み込んでいらっしゃる方も多いことでしょう。すでにムックに付箋がいっぱい、なんて方もきっといらっしゃいますよね。
今年は入場が有料となり、時間帯別の入場チケットを導入するなど大きな変化がありますが、その詳細について、そしてチョコレートの多彩なラインナップについて、サロン・デュ・ショコラの基本コンセプトから会場作り、商品ラインナップまでを統括されている、株式会社三越伊勢丹 食品統括部 サロン・デュ・ショコラ バイヤー 真野重雄さんにお話を伺いながらご紹介します。
入場方法を変更、有料化しネットで事前予約が必要に
まず例年からの大きな変化についてお話しますと、2018年に開催される第16回サロン・デュ・ショコラは、突然会場へ足を運んで入場しよう、と思ってもできません。ネットでの事前予約と事前決済が必須です。注意しましょう。もちろん「あ、これから行こう」と思って、直前にスマートフォンの画面から予約、購入も可能ですが、そのためには、クレジットカードの登録とyahooID、もしくはメールアドレスが必須となりますので、ご注意くださいね。クレジットカードがないと、購入自体ができません。詳しくはこちらをご覧ください。(サロン・デュ・ショコラチケット購入ページ)
ファンの方は既によーくそのあたりを研究済みで、チケットも入手済み、「私は初日の10時台をゲットしているから安心です~」なんてお声も私に聞こえてきていますが、初めてサロン・デュ・ショコラへお出かけになる方は注意してください。まずは日時を決めてネット予約・決済、そして会場へGOです。
2018年サロン・デュ・ショコラのラインナップ
さて。今年は15ヶ国、約100ブランドが登場しますが、まずはその多彩なラインナップについて、真野さんにお伺いしました。「新規ブランドはもちろん、継続して出店しているトップブランドは定番とともに、新作をきっちり出してもらいました。新作にシェフのルーツやフィロソフィーが感じられることは大事なこと。トップシェフが作るショコラは、新作からもシェフの個性や特徴が必ず出ていますので注目してください」(真野バイヤー)
テーマは「アバンチュール」ショコラの偉大なる冒険
そして、今回のテーマは「アバンチュール」。なんとも深みのある言葉ですが、このテーマをどうショコラに反映すべく、真野さんはショコラティエたちに伝えたのでしょうか?「確かに色々な捉え方できそうですが、私たちは『冒険』ととらえました。それには理由があります。時代ごとに色々な冒険をしてきて今のチョコレートに繋がっている。チョコレートは南米からヨーロッパへ渡り、薬として使われた時代があり、そして現代の形へ。チャレンジと冒険の歴史があります。挑戦と歴史の積み重ねであり、今も新しいクリエーションを重ねている、と解釈しています」(真野バイヤー)
なるほど、確かにチョコレートは、冒険とチャレンジの歴史の上にあります。「アヴァンチュール」。このテーマが形となって表れているのが、まずは今年の「セレクションボックス」3種といえそうです。
2018年のセレクションボックスに注目!
■セレクションボックス1「アヴァンチュール」真野さんは、先に説明してくださったようなテーマ「アバンチュール」の解釈を、ショコラティエの方々にも噛み砕いてご説明をされたそう。するとみなさんから実に様々な提案が!それが形となったのが16名のショコラティエによるボックスです。
「使いたい素材ならいいけど、無理やり冒険しないでください、とも言いました。すると例えばこのフィリップ・ベルさんのチョコレートは、彼が行ったことのないインドに思いを馳せて、それを冒険と捉えてあえてカレーを使っています。また、モリ・ヨシダさんは、コルシカへ素材を見つける旅に出かけた。それを冒険ととらえ、コルシカ島のレモン『セドラ』を発見しその果皮をそのまま使って表現しています」(真野バイヤー)
他にも、クリスチャン・カンプリニ氏による、バカンス先のレユニオン島で運命的に出会ったバニラを使ったボンボンショコラなど、ショコラティエの探究心が光っています。
■セレクションボックス2 「GOKAN」
「冒険は五感を使うもの。新しい感覚を使ったチャレンジ。見知らぬものを食べることで感性が研ぎ澄まされ、素材やものの良さを見つけようとすることでもあります」と真野バイヤー。五感のイメージを自由に表現してもらったというこのボックス。ショコラティエ12名のインスピレーションが煌めきます。
カリッとした食感やパチパチはじけるシュガー入りのボンボンショコラなどなど。パスカル・ル・ガック氏の「スモーキーなお茶のガナッシュ」は、ル・ガック氏自身がこの燻製された紅茶の香りを大変気に入り、マダガスカル産カカオのチョコレートをあわせた特別なガナッシュです。
■セレクションボックス3 「テールエショコラ」
こちらはカカオの歴史と産地に注目したボックス。どのショコラもカカオの産地が明確で、世界地図をイメージしながら旅をするようなボックスです。10ブランドから10粒。ガナッシュナチュールが多いのですが、中には産地別カカオにふさわしい素材をあわせたものもあります。
ここで思わず私は質問。
――ところで真野さん。セレクションボックスは毎年とても人気があって……早々に売り切れてしまったりしませんか?
真野さん「十分用意しているつもりです!」
はい。みなさん、きっとゲットできます!どれも魅力的ですから、諦めずに手に入れててくださいね。
カタログを開くとまずは変化が。まずは大御所が登場!
今年のカタログは昨年よりも少し増えて、200ページに。既にお手元にカタログがある方は開くとわかりますが、今までとちょっと違うのが、最初に登場するのが、新しいショコラティエではなく、トップショコラティエたちであること。まずはパリのサロン・デュ・ショコラでも不動の人気を誇るブランドがずらり。「第15回目の節目を越え、第16回目となった今回は、あえてトップシェフの方を前に持ってきました。リスペクトの気持ちを込めています」(真野バイヤー)
2017年度のC.C.Cでも最高位の金のタブレットを獲得、また「LES INCONTOURNABLES(欠かすことのできないショコラティエ)」に4年連続認定された、パティスリー・サダハル・アオキ・パリの青木定治シェフによる、堂々の新作です。
パスカル・ル・ガック氏は、ラ・メゾン・デュ・ショコラのクリエイティブディレクターを経て、2008年にショップをオープン。C.C.Cの最高位獲得の常連で、「LES INCONTOURNABLES(欠かすことのできないショコラティエ)」に4年連続認定されている、もはや言わずと知れたトップショコラティエです。新作のハートの形のチョコレートは日本初登場!今年も注目を集めそうです。
サロン・デュ・ショコラ初出店ブランド
ジャン=ポール・エヴァン、クリスティーヌ・フェルベール、フィリップ・ベル、などのトップシェフの紹介が続き、カタログ85ページから登場するのが、サロン・デュ・ショコラ初登場ブランドです。初登場はいつもファン注目の的。今年は17ブランドが初めて販売されますが、その中の4ブランドについて、真野さんから伺いました。
■ジェローム・ドゥ・オリヴェラ
フランスのカンヌに旗艦店をオープンしたばかりのブランドです。
「今年のサロン・デュ・ショコラ初登場ブランドは、大御所というより若手、30代のショコラティエが多いです。例えばジェロームは32歳。23才の時にクープ・デュ・モンドに参加し、フランス代表の一員として優勝しましたが、この最年少記録は現在も破られていません。お茶目な男ですね。明るくていいお兄ちゃんという感じです。3年くらい私たちが声をかけていて、今年ようやく準備が整い出店となりました。お店はカンヌの一等地にあって評判のお店です。私が訪れたのはバカンスの前後で、ひっきりなしにお客さまが訪れていました」(真野さん)
お味もデザインも他の人と同じではなく、驚きを大切にしたいというジェロームシェフ。しずく型のプラリネ、ガナッシュ、キャラメルはオリジナル。一口でクオリティの高さが光ります。
■カンタン・バイィ
「カンタン・バイィは、北の人ですね。北フランスのリール出身。真面目で朴訥な性格は、ショコラ作りにも出ています。子供からおじいちゃんまで楽しんでもらえるチョコを作りたいと言うんです。個性を出す、というよりも。お店は2017年の3月にオープンしたばかりですが、真面目なショコラティエなので準備がトントン進んで、今年出店となりました。2013年のクープ・デュ・モンドで優勝していて、チョコレートが好き。ブティックとラボが500キロも離れているんです。だからお店に生菓子はないんですよね」(真野バイヤー)
リールの街並を表した、レンガ型のチョコレートはミルクチョコレートベース。北部のお菓子、スペキュロスを使っています。
■キャラメルパリ
パリで注目の人気ブランドの登場です。「キャラメルをすべての商品に使う、というコンセプトは他にはあまりないですよね」(真野バイヤー)。
ニコラ・アレウィン氏は11年間ラデュレに在籍し、2016年12月、パリ7区に「Karamel」という名のショップをオープン。写真のチョコレートは2層構造です。一層はすべてキャラメルで、下の層には様々なガナッシュが。ナッツやフルーツの風味とキャラメルのマリアージュが楽しめます。
■マレーン・クーチャンス
変わって、こちらはベルギーのショコラティエによるチョコレートです。ワールドチョコレートマスターズのベルギー代表として活躍したマレーン・クーチャンス氏は、自ら志願し、日本でエスコヤマ、ル・ショコラ・ドゥHなどで学んだこともあるそう。ファッションやアートから影響を受けることも多く、自分の指の指紋を使ってチョコレートにカカオ型の模様を施すなど(写真の上段右から2番目の白いチョコレートがそうです)、ショコラ1粒ごとに明確な意味とストーリーがあります。
「新規としては30代の若手たちが個性が出たクリエーションを引っさげてきている。これまでと違う新しさを感じてもらえるかなと思いますよ」(真野バイヤー)
「ナユタ チョコラタジア」アジア発、アジアの人のための高品質ビーントゥバー
そしてもう一つ、注目の初登場は「NAYUTA CHOCOLATASIA(ナユタ チョコラタジア)」です。アジア発、アジアのカカオ豆を使ったチョコレートブランド。世界トップレベルのチョコレートを見つめ続けてきた、三越伊勢丹がプロデュースしています。 拠点はマレーシア。カカオ豆からチョコレート、そしてボンボンショコラまでを作る最新のラボラトリーを持ち、クアラルンプールの伊勢丹内に2017年10月にオープンしたばかりのブランドです。口どけなめらかでクリーミ-。アジアのカカオ豆で「美味しいね」と気軽に楽しめる味を。アジア人の嗜好にあわせた、私たち日本人にもふさわしい高品質ショコラです。
現地の技術指導、監修は、ショコラティエ パレ ド オールの三枝俊介シェフが担当しました。チョコレートファンは期待が高まりますね。
注目のスペシャルメニュー
そして今回、私はこちらに目を奪われました!なんと、ブルガリのレストランの味を、会場内で味わえるのです。「入場が有料ですからお越しいただくお客さまに向けてスペシャルなデザートを用意しました」と真野バイヤー。 カウンターは10席。ガラスの繊細な器を使い、カトラリーも揃え、本格デザートをいただく一時は、さながらブルガリのリストランテ。通常はレストランでしか体験できないスタイルです。2種のソースにグラニータをあしらったペストリーシェフのファブリツィオ・フィオラーニ氏によるジュエリーのようなドルチェ。イートインの目玉です。
テイクアウトメニューもいろいろ
サロン・デュ・ショコラの醍醐味は、テイクアウトメニューにもありますね。「テイクアウトメニューは昨年よりも増えて充実しましたよ」と真野バイヤー。魅力溢れるメニューから、いくつかご紹介します。アンリ・ルルーからは、熱々のフォンダンショコラの中からとろ~り、キャラメルがとろけ出す「フォンダンキャラメルC.B.S」が初登場。ソフトクリーム添えは東京会場限定です。一足先に味わいましたが、新たなC.B.Sの表現に感激!ソフトクリームトッピングをぜひおすすめします。
人気のジャン=ポール・エヴァンから、今年の新作はこちら。
葉巻型のチョコレート風味のシガレット生地にふんわりとしたガナッシュがぎっしり詰まっています。燻製の香り漂うキューバ産カカオを使った「フュメ キューバ」、赤い果実の香りのドミニカ共和国産カカオを使った「ドミニク」。こちらも一足先にいただきましたが、2本全く異なる個性です。食べ比べると楽しさ2倍、ぜひ2種類どうぞ。
こちらはパリで人気のエクレアの味を日本で再現。現地の冷凍生地、クリームも現地から配送、日本でそのクオリティを出せるように努力したそうです。
ジャニス・ウォンからは、ちょっと不思議なデザートが登場。カカオ型になっているのは、チョコレートと水をあわせたふんわりムース。その中に爽やかな柚子のソルベが入っています。
2017年のサロン・デュ・ショコラの会場で大人気だった、白いのに本物のカカオの香りがする不思議なソフトクリーム「ソフト パレドオール ブラン」が今年も登場。カラフルなカカオをトッピングすることで、見た目も可愛くカカオの風味がアップ。
はい、ご紹介したのはごくごく一部です。会場でお気に入りを見つけて愉しんでくださいね。
真野バイヤーに今年の見どころなどを伺いました!
――今年の会場で工夫された点は?広さとしては昨年の東京国際フォーラムの開催時よりも、面積は減っています。ただ、2年前のNSビルの開催時よりもお買い物できるスペースを広くしています。NSビルには大ホールと中ホールがありますが、以前はイベントスペースだった中ホールを、カカオとの関わりが深いブランドを中心に集めた販売スペースにします。人気のセレクションボックスも、中ホールで販売します。イベント会場を別会場に移したことで、お買い物スペースを拡大しました。
――ビーントゥバー系ブランドが中ホールに集合するんですね。
そうです。カタログに「Bean to BRAND」としてまとめましたが、カカオ豆と向き合うビーントゥバー系ブランドや、クーベルチュールを作るブランドを中ホールに集めます。
――通路を昨年以上に工夫されているそうですね。
2016年より、通路はほぼ1メートル広げています。ほぼというのは七割方位でしょうか。お客さまの通りやすさを考えています。スタッフの方の品出しのしやすさも大切なポイントです。
――入場を有料にした理由はどこにありますか?
まずは会場の混雑を緩和するためです。より快適にお買い物をしてもらえるように、時間帯別の入場予約制度を導入しました。昨年は3時間以上並んでくださった方もいまして、でもまた入場後にブランドの行列に並ぶことになり、とにかくお買い物までに凄い時間がかかることになっていました。その時間を削減していただきたいというのが最大の目的です。また一昨年は、行列によってビルの近隣の方々にご迷惑がかかるケースがあり、それを回避するためでもあります。
――時間別の入場にしたことでお客さまへのメリットは?
1日のチケットが全部売れたとしても、1日あたりの入場者数は、去年よりも少なく見積もっています。それによってお買いものの快適さが増す筈です。だから会期を延ばしているんですね、1日入れる人数の上限を決めたうえでということで。色々シミュレーションした結果で初めての試みです。つまり1日あたりの入場者数が少ないわけです。
――サイトを見ると午後のチケットがまだ残っていますね??
はい、これは明日行きたいな、とか、当日これから行きたいな、という方がお申し込みいただけるようにと思っています。ギリギリの時間まで、チケットの予約ができるようになっていますので。
――でも午後は売り切れてしまうものも、ありますよね……?
「売り切れ御免」、ということになります。もちろん人気のあるものは早く販売が終わる可能性はありますよ。販売の時間別割り振りは行っていませんので。ただ、会場には十分な商品のご用意がありますのでご安心ください。かえって午後のほうがお客さまが少なく、ゆっくりとチョコレートを吟味して、ショコラティエとの会話も楽しめるかもしれません。
――素朴な疑問ですが、何回も入場するとその都度カタログがもらえるので何冊も集まってしまう方もいますよね。
はい、そういうことになりますね。チケットを買う度にもらえます。今回カタログの販売はしないのと、カタログが不要だから、ということで入場料金のご返金はできないのでご了承いただければと思います。
――今年のイベントの状況はいかがでしたか?
イベントは、予想を上回るかなりの応募がありました。今回は場所を変えて価格を上げましたが、会場を移すことでクローズドとなり、お金を払っていなくても立ち見で聞ける、ということができなくなりました。買った人しか触れ合えなくなったのが理由かもしれません。イベントは基本的に2500円で当日入場できるチケットがついています。
(なんと、イベントにはチケットがついてたんですね、私も知りませんでした!ちなみに、イベント会場はNSビルから徒歩10分ほどの別会場です)
――気が早くてすみません。すでに次回のことが気になるファンもいるようですが?
来年は会場をどこにするかも、入場のスタイルも、全く決めていません。はい。本当に……。まだ何も決まってないですね。
真野さんのお話によると、もしかしたら今年は近年稀に見る、快適な、ゆったりショコラに向き合える、サロン・デュ・ショコラ会場になるかもしれません。
私などは実は近年特に凄い人混みで、時々フラフラしていることがありましたが、あえて空いている時間にきて、ゆっくり、じっくり、最高のチョコレートに向き合うという選択もできそうです。
ここでご紹介したブランドやアイテムはごくごく一部。ぜひ実際に会場で、今年もあなただけのお気に入りショコラを見つけてくださいね。
■DATA
サロン・デュ・ショコラ 2018
東京会場:新宿NSビル 地階=イベントホール(東京都庁舎隣り)
<エムアイカード会員のための特別招待日>
2018年1月20日(土)~21日(日)(2日間)
各日午前10時~午後8時
<一般会期>
2018年1月22日(月)~28日(日)(7日間)
各日午前10時~午後8時
■サロン・デュ・ショコラ 日本 公式サイト
■ECサイトも今年はより商品数を増やし、充実させているそうですので、遠方の方はぜひご利用ください。2018年1月6日から公開されています。
「買ってよかったベストチョコ」アンケート集計結果、発表!
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