絵本/クリスマスの絵本

赤ちゃん・幼児と読みたい!クリスマス絵本10選

赤ちゃんから幼稚園・保育園に通うお子さんと、クリスマスに読みたいおすすめ絵本をご紹介します。クリスマスプレゼントにもおすすめです。

高橋 真生

執筆者:高橋 真生

子育て・教育ガイド

赤ちゃんや子供にオススメ!幸せたっぷりのクリスマス絵本

女の子サンタ写真

どの絵本も、クリスマスプレゼントにもおすすめです


小さな子どもたちが、首を長くして待っているクリスマス。サンタさんにプレゼントがもらえるかどうか、ドキドキハラハラしている姿は、本当に愛らしいものですよね。

そんなお子さんたちが、クリスマスがさらに待ち遠しくなるような絵本をご紹介します。ワイワイ、にこにこ、しっとり……お好きな雰囲気をお楽しみください。

まだクリスマスがよく分からない赤ちゃんも喜ぶ、サンタクロースやプレゼントの出てくる絵本もあります。

一緒に絵本を読みながらクリスマスを待つ時期というのは、実はわずかなもの。クリスマスならではの幸せがたっぷりつまった絵本を読んだ時間は、きっと何より思い出に残るプレゼントになることでしょう。


1 赤ちゃんと読みたいクリスマス絵本の新定番『さんかくサンタ』

『さんかくサンタ』

『さんかくサンタ』


「さんさんさんかく さんかくサンタ」「まんまるふくろを せなかにしょって」「しかくいおうちに はいっていった」

『さんかくサンタ』は、ほのぼのとしたあたたかみのある切り絵の絵本。なんと、すべてさんかく・まる・しかくの組み合わせでできています。弾むようなことばと、スッキリとした形、やわらかな色を、赤ちゃんも指さしながら喜んで見ます。

サンタさんがプレゼントを届けてくれるという分かりやすいストーリーがあり、小さな子のクリスマス絵本として長く楽しめるのもうれしいところ。そーっと帰るサンタさんと「しーっ!」のポーズをするのは、きっとみんな一緒ですね。

それにしても、基本の図形だけでこんなにいろいろ作れるなんて! 年中さん・年長さんなら、『さんかくサンタ』を読んだ後、クリスマスの飾りやカードを作ってみても楽しいですよ。

【書籍データ】
書名 『さんかくサンタ』
さくtupera tupera
出版社 絵本館
価格 1296円
対象年齢 0歳から

 

2 赤ちゃんから大人まで、みんなを笑顔にしてくれる『まどからおくりもの』

『まどからおくりもの』(五味太郎しかけ絵本3)

『まどからおくりもの』(五味太郎しかけ絵本3)


ヘリコプターに乗ってやってきた、「たぶん サンタクロースさん」。「きょうは どうやらクリスマス」というわけで、えんとつではなく、窓から贈りものを届けます。

最初の窓からちらりと見えたのは、ねこさんの寝顔。サンタさんはかわいいリボンを選びます。ところが、ページをめくって部屋の中を見ると、寝ていたのは、なんとねこさんの絵のついたパジャマを着ている大きなぶたさん!

次の窓から見えたのは、白と黒のしましま模様。サンタさんは「ここは どうやら しまうまさんのおうち」とプレゼントを選びますが……。

「ここは どうやら」となんとも頼りないのに、妙にキッパリとプレゼントを決めるサンタさん。しかもそれがどれもちぐはぐという、びっくりな状況に、子どもたちは笑ったり、ため息をついたり、「違うよー!」と叫んだり。穴あきのしかけになった窓から、サンタさんと一緒に、部屋の中を一生懸命のぞきます。

しかけがあり、たくさんの動物が出てくるので、ごく小さなお子さんも喜びますし、大人でも思わずニヤッとしてしまいます。おうちやイベントなどで、幅広い年齢のお子さんと読むときにもおすすめです。みんな、にこにこしてしまいますよ。

そして、勘違いだらけのプレゼントをもらったみんなも、にこにこしています。もちろん、サンタクロースさんは終始笑顔。クリスマスらしい、ハッピーエンドもうれしいですね。

【書籍データ】
書名 『まどからおくりもの』(五味太郎しかけ絵本3)
作・絵 五味太郎
出版社 偕成社
価格 1080円
対象年齢 2歳から
■五味太郎さんのクリスマス絵本

3 ふんわりとした空気が魅力のクラシックな絵本『まりーちゃんのくりすます』

『まりーちゃんのくりすます』(岩波子どもの本15)

『まりーちゃんのくりすます』(岩波子どもの本15)


「もうすぐ くりすますよ、わたし とっても うれしいわ、ぱたぽん」雪の降る冬の日、まりーちゃんはひつじのぱたぽんとおしゃべりしています。まりーちゃんは、クリスマスのことや木の靴の中にプレゼントを入れてくれるサンタクロースのことを、ぱたぽんに教えてあげました。

でも、ぱたぽんの靴はひづめです。ぱたぽんは、「さんたくろーすは くりすますの ぷれぜんと、わたしには おいてかないわ、まりーちゃん」としょんぼり。

どんなプレゼントがもらえるか、あれこれ楽しく想像するまりーちゃんと、そもそもプレゼントがもらえるかどうかが心配なぱたぽんのやりとりは、「まりーちゃん、ぱたぽんの話ちゃんと聞いてるのかな」と子どもが突っ込むほどちぐはぐなのですが、歌うようにささやくように続けられると、なぜだかかわいらしく感じられます。

くるくる変わる表情がしっかり分かる愛らしい絵と、ふんわりした明るい色遣いも人気で、クリスマスの季節になると、雑貨屋さんなどでもこの絵本が飾られているのをよく見かけます。

さて、まりーちゃんの活躍で、ぱたぽんにもプレゼントが届きました。ぱたぽんが大喜びでぴょんぴょん飛び跳ねる姿は、みんなの笑顔を誘います。「くりすます!くりすます!くりすます!」― 素朴で親しみやすく、クリスマスっていいなあ、と思わせてくれるお話です。

【書籍データ】
書名 『まりーちゃんのくりすます』(岩波子どもの本15)
文・絵 フランソワーズ
訳 与田準一
出版社 岩波出版
価格 691円
対象年齢 4歳から
■もう一つのまりーちゃんのお話

 

4 クリスマスの特別なしかけ絵本『ゆめのゆき』

『ゆめのゆき』

『ゆめのゆき』


ある小さな農場で、動物たちと暮らしているおじいさん。クリスマスなのに雪が降らないと心配していましたが、うとうと居眠りしている間に、雪の降る夢を見て……。

作者は『はらぺこあおむし』のエリック・カール。どのページも、おじいさんや動物たちの穏やかでいきいきとした表情や、鮮やかで精巧な色遣いから目が離せません。

おじいさんの大事にしている動物たちの数は、「かたほうの てで かぞえられるだけ」。名前はなんと、イチ・ニィ・サン・シィ・ゴー! このネーミングには、数を覚えたての子どもたちも大喜び。

さらに透明のシートでできた雪が動物たちをおおうしかけは魅力的で、子どもたちが、自分でも気付かずに手を伸ばしてしまうほど。「イチは何の動物かな?」「二ィは?」「サンは?」と、くり返しに夢中になります。

けれど、1番のしかけは最後の最後にあります。まるでサンタクロースのような恰好をしたおじいさんと一緒に、「メリー クリスマス!」と言ってスイッチを押すと……子どもたちが、目を丸くし、その後何度も何度もボタンを押したくなる、素敵なことがありますよ。

【書籍データ】
書名 『ゆめのゆき』
作 エリック・カール
訳 あおきひさこ
出版社 偕成社
対象年齢 3歳から

 

5 探偵気分のクリスマス『ぐりとぐらのおきゃくさま』

『ぐりとぐらのおきゃくさま』

『ぐりとぐらのおきゃくさま』


野ねずみのぐりとぐらは、森で、大きな長ぐつの跡を見つけました。「きつねかな」「きつねより おおきいよ」「くまかな」「くまより おおきいよ」「じゃあ、だれのか しらべてみよう」「よしきた」― 足跡をつけていき、着いたところは、なんとぐりとぐらの家でした。

『ぐりとぐらのおきゃくさま』は、大人気シリーズぐりとぐらの、クリスマスの物語。はつらつとしてリズミカルな文章にひきこまれ、子どもたちはぐりとぐらと一緒に探偵気分。「誰かな?」「もしかして……」そんなスリルを味わいます。

ぐりとぐらは、「とびきり おおきい、ふわふわの カステラ」のにおいで、おきゃくさまのところにたどりつきました。「チョコレートと クリームが どっさり のっている」ケーキを持って立っていたこのおきゃくさま、一体誰だったのでしょうか?

本当に多くの子どもたちが「ほんとだ! カステラのにおいがする」と目をキラキラとさせる『ぐりとぐらのおきゃくさま』。実は、ぐりとぐらのおうちが初登場したお話でもあり、子どもたちは、2匹が日々の暮らしをたっぷりと楽しんでいることが分かる室内も見逃しません。ぐりとぐらの冬の装いもおしゃれで、「マント着てみたいな」とため息をつく男の子もいました。

クリスマスの楽しさに満ちた、安心して手にとれる1冊です。

【書籍データ】
書名 『ぐりとぐらのおきゃくさま』
作 なかがわりえこ
絵 おおむらゆりこ
出版社 福音館書店
価格 972円
対象年齢 3歳から


6 サンタクロースと動物たちの心温まる物語『サンタおじさんのいねむり』

『サンタおじさんのいねむり』

『サンタおじさんのいねむり』


今日はクリスマスイブ。プレゼントを配りに行くサンタおじさんに、奥さんが、サンタおじさんの大好きなサンドイッチとコーヒーを手渡します。「まちに つくまで たべては だめですよ。あなたは おなかが いっぱいに なると、ねむくなって しまうんですからね」

けれど、おもちゃの準備で寝不足のサンタおじさんは、ついついひと休み……そのまま眠り込んでしまいました。それを見ていたきつねは、森の仲間を呼び集め、自分たちでプレゼントを配ろうと提案します。

ちょっぴり頼りなくておっちょこちょいのサンタおじさんに、子どもたちはハラハラ。雪深い森の動物の一匹となって絵本の世界に入り込みます。

穏やかで分かりやすい文章に、『どうぞのいす』でおなじみの柿本幸造さんの柔らかな絵。そして動物たちのやさしい心遣いと幸せなエンディングに、心がポカポカとあたたまります。

「小さい頃この絵本を読んでコーヒーに憧れた」という大人も多い、長く愛されている1冊です。

【書籍データ】
書名 『サンタおじさんのいねむり』
原作 ルイーズ・ファチオ
文 前田三恵子
絵 柿本幸造
出版社 偕成社
価格 1080円
対象年齢 4歳から
■小学生になったら『クリスマスの森』も!
『サンタおじさんのいねむり』の原作『The Christmas Forest』のデュボアザンの絵で出版されたものです。『サンタおじさんのいねむり』よりも描写が細かいので、読み比べてみると楽しいですよ。

7 思い出に残るハンドメイドのクリスマス『ばばばあちゃんのクリスマスかざり』

『ばばばあちゃんのクリスマスかざり』

『ばばばあちゃんのクリスマスかざり』


いつだってアイディアと元気いっぱいの、おなじみばばばあちゃんのクリスマスのお話です。

ばばばあちゃん流クリスマスの飾りつけ、材料は、紙・発砲スチロール・木の枝・段ボール・セロファンに、家の外ならなんと雪!
ばばばちゃんのクリスマスかざり

お星さまににょろにょろ、折り紙を切って、ひもを付けてつるすだけでもにぎやかに


くるくる巻き毛がかわいい発泡スチロールのお人形に、ツリーの森、北欧のキャンドルホルダーのような灯りなど、工作好きのお子さんならずとも、作ってみたくなるような飾りが、分かりやすいことばと絵で、たくさん紹介されています。
ばばばちゃんのクリスマスかざり

外にあるのは雪山に穴を開けてロウソクを入れた、「ろうそくの おやま」。家の中も外も、身近な材料でできた手作りのクリスマスかざりでいっぱいです


絵本の中の子どもたちは、みんなにこにこ楽しそう。でも、実際に作ってみると、お子さんが、充実したとてもいい表情をしていることに気付いていただけると思います。

誰よりも暮らしを楽しむばばばあちゃん。頭と身体を軽やかに動かし、毎日を存分に満喫しています。人生の先輩のそんな姿、大人だっていいなあと思ってしまいますよね。

今年は、みんなが大好きなばばばあちゃんと、クリスマスの支度をしてはいかがでしょうか?

【書籍データ】
書名 『ばばばあちゃんのクリスマスかざり』
作 さとうわきこ
出版社 福音館書店
価格 972円
対象年齢 4歳から
■ばばばあちゃんシリーズ(ほか多数)

8 なごやかで優しい気持ちのクリスマスに『くんちゃんとふゆのパーティー』

『くんちゃんとふゆのパーティー』

『くんちゃんとふゆのパーティー』


どうしても雪を見たいという子ぐまのくんちゃんのために、冬ごもりを少しおあずけにしていたくんちゃん一家。とうとう降ってきた雪は「まるで ちいさな ほし」のようにきれいで素敵です。

けれど、小鳥やりすは、雪が降ると食べものが見つけられなくなるということを知り、くんちゃんは、ごちそうを用意してあげることにしました。みんな、とっても楽しそう。「さあ、こんどは ぼくたち くまのばんだ!」くんちゃんは、お父さんをびっくりさせようと、くまのパーティーの準備を始めます。

雪も、パーティーの準備も、パーティーも、全力で楽しむくんちゃん。子どもたちは、くんちゃんと一緒になって、もみの木を斧で切ったり、クッキーを焼いたりします。

そして、素直で無邪気、ころころ転がるように動くくんちゃんは、大人にとっても子どもそのもので、なんともかわいい。子どものしたいようにさせてあげるお父さんとお母さんに、穏やかな気持ちをもらえます。

ペンでサッと描いたような絵は元気で明るく、ところどころ塗られた赤はかわいらしく、クリスマス気分を盛り上げてくれます。

みんなに喜んでもらい、また少しお兄ちゃんになったくんちゃんは、お父さんからのプレゼントの新しい毛布にくるまれて、春までぐっすり眠ります。さて、どんな夢を見ているのでしょうか?

【書籍データ】
書名 『くんちゃんとふゆのパーティー』
作 ドロシー・マリノ
訳 新井有子
出版社 ペンギン社
価格 1026円
対象年齢 4歳から
■くんちゃんシリーズ(ほか多数)
※どの作品から読み始めても大丈夫! 子どもたちが次から次へと読んでいく、人気シリーズです。

9 静かで清らかなクリスマスの夜の物語『ちいさなろば』

『ちいさなろば』(こどものとも傑作集)

『ちいさなろば』(こどものとも傑作集)


ある牧場に、ひとりぼっちの小さな黒いろばがいました。牧場に遊びにきた女の子たちから、クリスマスのことを教えてもらったろばは、サンタクロースが自分のところにもきてくれたらどんなにいいだろう、と思っていました。

そして、クリスマスイブ、サンタクロースはろばのところにきてくれたのですが、なんとろばに、助けてほしいと言います。ろばは、足を痛めたトナカイに代わってそりをひき、プレゼントを配ることになったのです。

透明感のある清らかな絵。分かりやすく、品のある美しい日本語。純心なろばの奇跡のような冒険は、くり返し読みたくなるほど、小さな子どもたちの心にも穏やかに残ります。決して華やかではありませんが、この絵本のクリスマスの澄んだ空気は、読んでいる人を満ち足りた気持ちにしてくれるのです。

クリスマスプレゼントのことを初めて知り、「どんな プレゼントだって きっと だいすきになる」と思っていたろばは、サンタクロースにどんなお願いをしたのでしょうか? 「イーヨウ!」とうれしそうな、ろばの声が聞こえてきそうです。

【書籍データ】
書名 『ちいさなろば』(こどものとも傑作集)
作 ルース・エインズワース
訳 石井桃子
画 酒井信義
出版社 福音館書店
価格 864円
対象年齢 4歳から
■お話の名手、エインズワースの絵本

10 みんな幸せ! アメリカの楽しいロングセラー『おおきなツリーちいさなツリー』

『おおきいツリーちいさいツリー』

『おおきいツリーちいさいツリー』


もうすぐクリスマス。ウィロビーさんのお屋敷に、見たこともないような大きなツリーが届きました。早速大広間に立てると、先が天井につかえて曲がってしまいます。そこで執事はツリーの先をバッサリ! これでツリーは大広間にピッタリになりました。

さて、切られたツリーの先は、小間使いのアデレードがもらいます。ところがここでも柱につかえてしまい、ハサミでちょきん! 切られたツリーの先は、今度は庭師のチムの家へ……。

どんどんどんどん小さくなっていくツリーの先。ためらいなく切られてしまうツリーはかわいそうでもあるけれど、くまもきつねもうさぎも、自分たちにちょうどいいサイズのツリーを飾れて、大喜びです。

こまごまとした絵は大勢に向けての読み聞かせには向きませんが、おうちでお子さんとくっついて読むのにはぴったり。ユーモアたっぷりなので、隅々まで楽しんでくださいね。最後のページ、ツリーのてっぺんにチーズで作ったお星さまを飾ったねずみのおうちには、きっとあっと驚いてしまうはず。

【書籍データ】
書名 『おおきいツリーちいさいツリー』
作 ロバート・バリー
訳 光吉夏弥
出版社 大日本図書
価格 1404円
対象年齢 4歳から

 


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